オオタバコガに注意しましょう!
(平成28年7月1日)


 オオタバコガのフェロモントラップ誘殺虫数が平年より多い傾向にあります。また、6月下旬の露地なす巡回調査(貝塚市)で、オオタバコガの産卵がここ数年の平均よりも多く確認されました。
 オオタバコガは、なす、トマト、きゅうり、スイートコーン、きくなど多くの作物を加害します。また、幼虫は、移動しながら多くの果実や花、枝の先端部などを食害し、寄生虫数が少なくても被害が拡大しますので、発生に注意し、早めの防除を心がけましょう。

1 発生状況(巡回調査及びフェロモントラップ誘殺状況)
(1) 7月までのフェロモントラップへの誘殺虫数は、平年よりやや多い傾向にある(図1、2)。
                                                                               

図1 フェロモントラップ誘殺虫数(八尾市) 図2 フェロモントラップ誘殺虫数(泉佐野市)


        表1 オオタバコガの産卵状況(露地なす100葉当たり卵数)

5月後半 6月前半 6月後半
河南町(加納)
(4.8)
0
(0.2)
0
(0.6)
貝塚市(木積) 0
(0.6)
0
(2.3)
5
(0.3)

注)( )内は、H23〜27年度調査平均。

2 発生及び生態
(1) 先端付近の茎、葉や花蕾への産卵が比較的多く、1卵ずつ産みつける。卵は淡黄色で、まんじゅう型、直径0.4mm(写真1)。
(2) 若齢幼虫は、新芽の先端や葉を食害し、円形または楕円形の穴をあける。
(3) 中・老齢幼虫は、淡緑色〜褐色と変異が大きい。老齢幼虫の大きさは約40mm。幼虫はまばらに毛が生えているのが特徴である(写真2)。
(4) 腋芽の内部へ食入し、新梢の先端が折れる。花や果実に食入する。
(5) 被害果には、幼虫の胴回り位の直径5〜10mm程度の丸い穴が開く(写真3)。
(6) 第1世代幼虫(5〜7月)の被害は比較的小さいが、8月以降の被害は大きくなり  やすい。
(7) ナス科だけでなく、ウリ科、マメ科、アブラナ科など多くの植物に寄生する(表2)。

写真1 オオタバコガ(卵) 写真2 オオタバコガ(幼虫) 写真3 被害果(水なす)

表2 主な被害作物
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ナス科     なす    トマト   ピーマン   とうがらし類
ウリ科     きゅうり  すいか
アブラナ科   キャベツ
キク科     レタス   きく
イネ科     スイートコーン
ヒユ科     けいとう
───────────────────────────────────── 

3 防除対策
(1) 被害のあった新芽や果実は早期にほ場から持ち出して処分する。
(2) 幼虫を捕殺する。
(3) 早期発見に努め、若齢幼虫時の防除を徹底する。
(4) 施設では、開口部を寒冷紗等(5mm目合で可)で被覆し、成虫の侵入を阻止する。
(5) 黄色灯を終夜点灯すれば、成虫の行動や産卵を抑制し、被害を軽減できる。
(6) 薬剤防除については、以下のホームページを確認する。
  ア Web版大阪府農作物病害虫防除指針
    (http://www.jppn.ne.jp/osaka/)
  イ 農林水産消費安全技術センター 農薬登録情報検索システム
    (http://www.acis.famic.go.jp/index_kensaku.htm)

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