水稲のセジロウンカの発生に注意しましょう
(平成28年8月3日)


水稲のセジロウンカについては、西日本から東日本にかけての多くの地域で、発生が平年より多いと予想されています。府内においても、7月上旬の巡回調査(北部地域、泉州地域)では、一部のほ場において、セジロウンカの発生が多く確認されています。今後1ヶ月の気温はやや高いと予報されており、発生に適した条件となっています。
 ほ場を見回るなど発生に注意し、早期防除を心がけましょう。

  

1 発生状況(巡回調査)
  7月の巡回調査では、一部地域でセジロウンカの発生が平年より多く確認された(表1)。

  表1. 巡回調査地点におけるセジロウンカの発生状況(水稲25株当たり虫数)

調査地点
茨木市 能勢町 和泉市 岬町 富田林市 羽曳野市 八尾市
(下音羽) (倉垣) (国分町) (谷川) (西板持) (尺度) (水越)
3.3 47.7 43.7 37.7 13.3 7.7 2.3
(5.2) (3.5) (19.7) (12.2) (11.1) (15.9) (0.6)

注)( )内は、H18〜H27年度調査平均。ただし羽曳野はH14〜H20,H27年度の平均。

2 発生及び生態
(1)幼虫はほとんど白地のものから黒化の強いものまであり、変異が大きい(写真1)。
(2)成虫は4〜4.5 mm。灰褐色あるいは黒褐色で、胸部背面に白斑が目立つ(写真2)。
(3)7月末〜8月に多発するため夏ウンカと呼ばれる。
(4)被害田は円形の坪枯れにならず、多発すると一面が黄変枯死する。

写真1 セジロウンカ(幼虫) 写真2 セジロウンカ(成虫)
(原図 環農水研) (原図 環農水研)

3 防除対策
(1)ほ場の状況をよく観察し、早期発見に努める。
(2)薬剤散布は株元まで十分に薬剤が行き渡るように行う。
(3)薬剤抵抗性の出現を防ぐため、同一系統の薬剤を連用しない。
(4)セジロウンカは、フィプロニル剤(プリンス)に対する感受性が低下しているとの報告があるので、
同剤を箱施用しているほ場において、今後発生が多い場合は、下記薬剤(参照表2)を使用する。

表2. セジロウンカ防除薬剤の例(薬剤使用にあたっては収穫前日数に注意する)

 薬剤名 希釈倍数 使用時期/使用回数 系統
トレボン粒剤  2〜3kg/10a 21日/3回 ピレスロイド系
トレボン乳剤 1,000〜2,000倍 14日/3回 ピレスロイド系
スタークル顆粒水溶剤  3,000倍  7日/3回 ※1 ネオニコチノイド系
アルバリン顆粒水溶剤
アプロード水和剤 ※2 1,000〜2,000倍 7日/4回 IGR系

※1. スタークル顆粒水溶剤とアルバリン顆粒水溶剤は、同一成分(ジノテフラン)を含むため、 使用回数に注意する。
(ジノテフランを含む農薬の総使用回数は4回以内(育苗箱への処理 及び側条施用は合計1回以内、本田での散布、空中散布、無人ヘリ散布は合計3回以内))
※2.「ウンカ類幼虫」に登録。

◎防除薬剤については、以下にて確認してください。
  ●Web版大阪府病害虫防除指針(http://www.jppn.ne.jp/osaka/)
  ●農林水産消費安全技術センター 農薬登録情報検索システム
   (http://www.acis.famic.go.jp/searchF/vtllm001.html)

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