病害虫発生予察特殊報第1号
(平成28年8月2日)


農推第1873号
平成28年8月2日

関係各位                                                        

大阪府環境農林水産部農政室長  

病害虫発生予察情報について

標記について下記のとおり発表したので送付します。


病害虫発生予察特殊報第1号

 病害虫名  Aromia bungii(クビアカツヤカミキリ)
     
 
1  発生作物   うめ

2 発生地域   大阪狭山市

3 発生の状況
(1) 平成28年7月、大阪狭山市のうめ園において、カミキリムシ科の成虫が捕獲され、幹に虫孔(成虫の脱出孔)やフラス(幼虫の糞と木くず)が見られた。この成虫は形態的特徴により、Aromia bungii(クビアカツヤカミキリ)と同定した。本虫は、平成25年に愛知県、平成27年に徳島県で特殊報が発表されている。

  
4 Aromia bungii(クビアカツヤカミキリ)の生態
(1) 成虫の体長は28〜37mm、光沢のある黒色を呈する。前胸は前縁と基部を除き明赤色を呈する。個体により前胸全体が完全に黒色となる。触覚と脚部は暗青灰色。前胸背板には4つの小突起を備え、両側部の突起は側方に突出し目立つ。
(2) 幼虫は樹木に寄生し、内部を食い荒らし、枯死させる。
(3) 幼虫は4月上中旬に摂食を再開し、5〜6月に最も摂食活動が盛んになる。6月下旬頃に蛹化し、成虫は6月下旬から8月上旬に出現する。成虫は7月下旬から幹や樹皮の割れ目に産卵し、8〜9日後には卵は孵化する。
(4) 海外での報告では、さくら、かき、うめ、もも、ざくろ、オリーブ、やなぎ、こならなど多くの樹種に寄生するといわれている。


5 防除対策
(1) 成虫を見つけしだい捕殺する。
(2) 幼虫食入孔を見つけた場合には針金で刺殺する。
(3) 成虫の産卵時期(6月下旬から8月上旬)にネット等を樹幹地際部に巻き付け、産卵を防止する。ネットは成虫捕殺効果もある。
(4) 果樹類の登録農薬は以下のとおりである。使用にあたっては指導機関に相談する。

薬剤名 適用病害虫名 使用量 使用時期 本剤の使用回数 使用方法
バイオリサ・ カミキリ カミキリムシ類 1樹当り1本 成虫発生初期 地際に近い主幹の分枝部分等に架ける

【参考】防除薬剤に関するホームページ
 ●Web版大阪府病害虫防除指針
  (http://www.jppn.ne.jp/osaka/shishin/shishin.html)
 ●農林水産消費安全技術センター 農薬登録情報提供システム
  (http://www.acis.famic.go.jp/index_kensaku.htm)

図1 Aromia bungii(成虫) 図2 フラス(幼虫の糞と木くず)


                                                              

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