I    農作物病害虫等の防除方針について

 農作物病害虫及び雑草の防除は環境保全に配慮しつつ、次の方針に基づき指導推進するものとする。

環境にやさしい病害虫防除の推進

病害虫等の発生は、作物の栽培環境に大きく支配されるので、病害虫等が発生しにくい環境条件づくりに努める。

(1)   合理的な輪作体系の導入

(2)   土づくりの励行

(3)   栽培環境の適正化

(4)   耐病・耐虫性品種(台木を含む)の活用

(5)   拮抗微生物・天敵の活用と保護

(6)   物理的防除の活用

  効率的防除の推進

病害虫の発生動向に常時留意し、早期発見と適切な防除に努める。

(1)    農作物病害虫防除指針の活用

(2)    病害虫発生予察情報の活用

(3)    病害虫発生、防除情報メールサービスの活用

  農薬適正使用の推進

農薬による事故防止を徹底するため、農薬の適正な取扱いの指導・啓発に努める。

(1)    農薬使用基準の遵守

(2)    使用自粛農薬の周知徹底と低毒性農薬の普及

(3)    農薬の飛散(ドリフト)防止の徹底 

(4)    散布作業の適正化と散布後対策の徹底 

(5)    農薬の購入、保管管理、処分の適正化の徹底

(6)    使用済農薬空き容器の適正処理

(7)    農薬管理指導士の設置と育成強化による適正防除技術の普及

 

  

<法改正に伴う今後の動き>

 

植物防疫法改正による指定有害動植物の総合防除の推進について

 

 温暖化等の気候変動、人やモノの移動の増加を背景として、有害動植物の国内への侵入・まん延リスクが増加しつつあることから、植物防疫法(昭和25年法律第151号・令和452日改正)により、指定有害動植物(注)に関し、その発生の予防を含めた防除を推進するための基本指針(国)、計画(都道府県)を策定、総合防除(注2)を実施する制度が創設された。

加えて都道府県知事が、当該計画において農業者が遵守すべき事項を定めることができるよう措置された。

本府では、令和5年度内をめどに法に基づく指定有害動植物の総合防除計画を策定し、農業者、関係機関等に広く周知を図るとともに、指定有害動植物の異常発生時に農林水産大臣が防除に関する指示をした場合には、農業者に対し、当該計画において定める農業者が遵守すべき事項に即した防除を行うよう必要な助言、指導を行うこととしている。

 

(注)指定有害動植物

  植物防疫法第22条において、「有害動物又は有害植物であって、国内における分布が局地的でなく、又は局地的ではなくなるおそれがあり、かつ、急激にまん延して農作物に重大な損害を与える傾向があるため、その防除につき特別の対策を要するものとして、農林水産大臣が指定するものをいう。」157種が定義される。

 

(注2)総合防除

  発生後の防除のみならず、病害虫の性質に応じた予防策を平時から導入し、発生しにくい生産条件を整備するために、化学農薬のみに依存しない、発生予防を中心とした防除体系。府策定予定の指定有害動植物の総合防除計画において具体的に作物別に防除内容を示す予定。

 

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