II 農薬適正使用推進指導要領

 

趣旨

 農業生産の安定を図る上で、農薬は基礎資材として重要な役割を果たしているほか、農業生産現場以外でも使用される機会が増加している。

 一方、地球環境問題がクローズアップされる中、農産物の生産性を維持しながら化学肥料や農薬の使用量の削減を目指す「環境保全型農業」の推進が強く求められている。

 このため、農薬の使用に当たっては、農産物の安全、作物の安全、農薬使用者の安全、環境の安全の4つの安全を確保することを基本とし、次により農薬の使用、管理の適正化を図ることにより、危被害の防止等に万全を期するものとする。

       農薬適正使用指導推進事項

農薬の適正使用を推進するため、次の事項について指導を行うものとする。

(1)   使用農薬は、低毒性農薬を最優先し、かつ使用に当たっては、その使用基準を遵守すること。また、無登録農薬は絶対に販売及び使用はしないこと。

(2)   農薬の使用に当たっては、散布従事者はもとより隣接住民、水質、水産動物、家畜、家きん、蜜蜂その他周辺の環境に影響を及ぼさない。また、対象作物だけでなく周辺の食用作物への飛散防止のために細心の注意を払うこと。

(3)   農薬の適正な購入、保管管理を行うとともに、使用済農薬の容器や期限切れ農薬については適正な処分を行うこと。

(4)   「農薬取締法」、「毒物及び劇物取締法」等、関連法令を遵守する。

農薬適正使用指導推進方策

(1)   農作物病害虫防除指針の作成配布

農薬残留に関する安全使用基準及び低毒性農薬への移行を考慮した農作物病害虫防除指針を作成し、その周知徹底を図る。

(2)   農薬安全使用の啓発資料の作成配布

農薬関係資料、リーフレットの作成等により、農薬の適正な取扱いについて啓発指導を行う。

(3)   研修会・講習会の開催

農業協同組合営農指導員、府植物防疫協力員、その他農薬取扱業者等に対し、病害虫の適正防除、農薬安全使用、農薬取締法等について研修会、講習会を開催し、指導者としての資質の向上を図る。

(4)   農薬販売業者及び防除業者その他関係者に対する指導及び取締

農薬販売業者に農薬販売の適正化と農薬の安全使用・保管管理について、また防除業者その他関係者には、適正な防除の実施や農薬の適正な保管管理について指導取締を実施する。

(5)   農薬管理指導士認定制度の推進

農薬の販売業者や防除業者等のうち、一定の知識を習得した者を知事が「農薬管理指導士」として認定し、農薬の適正使用について関係者に積極的に指導助言を行う。

(6)   農薬危害防止運動の実施

農薬の使用量が最も多い6〜8月を農薬危害防止運動実施月間に設定し、健康医療部とともに、ポスター、マスコミ等を通じ、危害防止運動を推進する。

       農薬適正使用指導推進体制

農薬適正使用指導を徹底するため、府、市町村、関係団体は互いに連携しながら次により指導するものとする。

(1)   府の指導

府は関係部課及び関係団体を構成員とする農薬安全使用対策推進協議会等を必要に応じて開催し、農薬適正使用推進方策を協議するとともに、これら協議結果に基づいて大阪府環境農林水産部農政室推進課病害虫防除グループ、各農と緑の総合事務所農の普及課を通じて市町村、農業協同組合等関係機関・団体に対し指導を徹底するものとする。

(2)   市町村の指導

市町村は、関係機関と協力し農薬適正使用指導の徹底を図るものとする。

(3)   関係団体の協力

関係団体(農業協同組合中央会、全国農業協同組合連合会大阪府本部、農薬卸商業協同組合、種苗業組合、農業共済組合連合会等)は府が行う農薬安全使用対策に積極的に協力し、それぞれの組織を通じてこれらの周知徹底に努めるものとする。

 
目次に戻る