県内のいちご養液栽培(ロックウール)ほ場で、根腐萎凋病(仮称)の発生が初めて確認されました。
本病は、激しい根腐れ症状を伴うのが特徴で、下位葉が黄化萎凋後、生育不良になったり、 株全体
が萎凋枯死する病害です。
病害虫名:いちご根腐萎凋病(Cylindrocarpon destructans)(仮称)
1 発生確認までの経過
本病は、宮城県のいちご養液栽培で1998年から発生し、今年の4月に行われた日本植物病
理学会でいちご根腐萎凋病として提案された。
本県では、5月以降、いちご養液栽培ほ場で激しい根腐れとともに、株全体が萎凋する症状の
株が発生した。当センターで病原菌の分離培養を行い、宮城県園芸試験場の菅野博英氏に同定
を依頼したところ、本病であることが確認された。
2 病 徴
糸状菌(カビ)の一種で、土壌伝染性の菌である。健全な根に対する病原力は弱いが、湿害等
で障害を受けた根に 感染して根腐れ症状を起こす。
症状は、大きく分けて2種類あり、
@下位葉が黄化萎凋し、のちに株全体が萎凋、その後枯死する。
A草丈が短小で葉も小さく下位葉が黄化し、わい化する。
@、Aとも根部は、褐〜黒色に変色する。しかし、クラウン部や葉柄などの褐変は見られない。
3 防除対策
@感染している株のほ場への持ち込みを防止する。
A土中で生息している菌なので、苗と未消毒土壌との接触を避ける。
B養液の管理を適正に行い、特に多灌水を避ける。
C被害株は、早めに除去する。
D薬剤による防除を行う場合は、萎黄病との同時防除とし、ベンレート水和剤1000倍液に
10分〜30分間根部浸漬を行う。
Eロックウール・資材等の再利用は、できるだけ行わないようにする。