ハスモンヨトウの誘殺数は、9月上旬以降急増しています。今後、いちご栽培施設、露地野菜ほ場
への飛来や食害が増加し、収量や品質が低下するおそれがあります。
作 物 名:いちご、葉菜類等
病害虫名:ハスモンヨトウ
1 発生予想 発生量 やや多い〜多い
発生地域 県全域
2 根 拠
(1)フェロモントラップへの誘殺数が9月初旬以降急増している(図1)。
(2)各地の大豆、さといも、葉菜類等で幼虫発生が目立つほ場がある。
(3)一部の地域ではフェロモントラップへの誘殺数が非常に多くなってきている。
(4)気象予報(9月22日発表)によると、向こう1か月の気温は高く降水量は少ないため、発生
に適している。
図 1 ハスモンヨトウのフェロモントラップへの誘殺状況(宇都宮市瓦谷町)
3 対 策
(1)早期発見、早期防除に努める。
(2)分散前の幼虫は、寄生葉とともに摘み取り、処分する。
(3)雑草などにも生息するので、ほ場周辺の雑草を除去する。
(4)施設野菜では施設の開口部に寒冷紗を張り侵入を防ぐ。
(5)病害虫雑草防除基準に基づき若齢幼虫のうちに防除する。農薬の散布にあたっては、収穫前日
数、ミツバチへの影響日数等に注意する。
(6)有機リン剤、カーバメート剤、合成ピレスロイド剤に対し、薬剤の防除効果が低下している個体群
があるので注意する。
(7)発生状況にあわせて、系統の異なる薬剤によるローテーション散布を行う。
☆ハスモンヨトウ適用防除剤一覧表
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分 類
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薬 剤 名
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い
ち
ご
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だいこん
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はくさい
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キャベツ
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ブ
ロ
ッ
コ
リ
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ほうれんそう |
レ
タ
ス
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IGR剤
(脱皮阻害剤)
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ノーモルト乳
アタブロン乳
カスケード乳
マッチ乳 |
○1
○1
○4-5
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○
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○
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○
○
○
○ |
|
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○
○○
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IGR混合剤
(+カーバメート) |
フルアップ乳
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○
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○
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合成ピレスロイド剤
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トレボンEW
トレボン粉剤DL
マブリック水和 |
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○
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○ |
○
○ |
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合ピレ混合剤
(+有機リン) |
ハクサップ水和
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○ |
○
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○
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BT剤
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ダイポール水和
ゼンターリ顆粒水和
クオークフロアブル |
○1
○1 |
○
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○
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有機リン剤
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ディプテレックス乳
エルサン乳
トクチオン乳 |
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○
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○
|
○
○ |
○
|
○
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○
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カーバメート剤
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ランネート水和
オリオン水和
ラービンフロアブル |
○7 |
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○
○
○ |
○ |
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○ |
その他
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アファーム乳
コテツフロアブル
ガンバ水和
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○10
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○
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○
○
○
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○
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○○
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注1)系統の異なる薬剤を使って、ローテーション散布を行う。
○ ハスモンヨトウで登録の取れている薬剤
いちご欄の数字はミツバチへの安全日数