栃木県病害虫発生予察予報   栃木県農業環境指導センター  

平成12年度第5号(平成12年8月24日発表)

予想期間:8月下旬〜9月下旬


1 水 稲 いもち病(穂いもち)  普通植栽培
 (1)発生予想  発生量:平年並 ↑
 (2)根  拠 ・現在普通植地域での葉いもちの発生はやや少ない。
          ・今後の気象予報は発生に適している。
 (3)対  策  ・穂ばらみ期と穂ぞろい期に薬剤防除を行う。
                     ◇予防効果の高い薬剤 → ラブサイド、オリゼーメートなど
                     ◇予防効果・治療効果の高い薬剤 → ブラシン、カスラブサイドなど
 (4)備  考  ・穂ぞろい後、夜間に高温、多湿が続く場合には、穂ぞろい後7〜10
          日後にさらに1回薬剤防除を行う。
         ・穂いもちは発生してからでは手遅れになるので、予防的に防除を行う。
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2 大豆 カメムシ類            (速報第4号 8月10日発表)
 (1)発生予想  発生量:平年並 →
  (2)根  拠   ・予察灯へのイチモンジカメムシ、アオクサカメムシの飛来時期は1週
           間程度早かった。
          ・初期防除が行われている。
          ・各地のほ場でホソヘリカメムシ、イチモンジカメムシ、マルカメムシ
          の発生が見られている。
                     ・今後の気象予報が発生に適している。
  (3)対  策   ・稚莢期から子実肥大期に薬剤による防除を行う。
  (4)備  考  ・発生が見られる場合には、まず稚莢期に散布し、発生の推移を見なが
           ら7〜10日間隔で2〜4回の防除を行う。
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3 大豆・野菜共通 ハスモンヨトウ     (速報第5号 8月21日発表)
  (1)発生予想  発生量:県北部 平年並 県南部 やや多い↑
  (2)根  拠   ・フェロモントラップへの誘殺数は県中部では少ないが、県南部では
          やや多い地域がある。
          ・県中・県南部の大豆やさといもなどで、被害がみられるほ場がある。
          ・今後の気象予報は発生・食害活動に適している。
 (3)対  策   ・幼虫が集団でいるうちに、寄生葉を摘み取り、処分する。
          ・薬剤は若齢幼虫のうちに散布する。
                    ・薬剤抵抗性の発現を防止するため、連用を避けて系統の異なる薬剤を
          ローテーション散布する。(各作物の薬剤は速報第5号を参照)
          ・いちごなどの施設栽培の場合は、施設開口部に寒冷紗を張って、内部
          への侵入を防ぐ。
          ・雑草などにも生息するので、ほ場周辺の草刈などを行う。
           ・現在の初期発生に注意し、幼虫がみられたら防除する。
          ・大豆では初期の白変葉がみられたら、防除を徹底する。
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4 いちご 炭疽病
 (1)発生予想  発生量:平年並 →
  (2)根  拠  ・現在の育苗床での発生は平年並だが、一部で多いところがみられる。
                   ・今後の気象予報は感染にやや適している。
   (3)対  策 ・排水対策、チューブ潅水などを行う。
         ・キノンドーフロアブル、ベルクート水和剤、デランフロアブル等をて
          いねいに葉を洗浄するように散布する。
         ・被害株は見つけしだい取り除き肥料袋等に詰め、口を閉じて日当たり
         のよい屋外に放置して処分する。
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5 あぶらな科野菜 コナガ
 (1)発生予想  発生量:平年並 ↑
 (2)根  拠  ・県中部のフェロモントラップへの誘殺数は現在やや少ない。
                     ・これからの気象予報は発生に適している。
 (3)対  策   ・定植時に粒剤(ガゼット、オルトラン、オンコル)を施用する。
           ・発生初期に薬剤を散布する。
           ・薬剤抵抗性の発現を防止するため、連用を避けて系統の異なる薬剤を
           ローテーション散布する。
           ・広域栽培の場合は性フェロモン剤(コナガコン)を設置するのも有効
           である。
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6 野菜共通 アブラムシ類
 (1)発生予想  発生量:平年並 ↑
 (2)根  拠  ・各作物で発生がみられている。
           ・黄色水盤への有翅虫の飛来数は少ない。
           ・今後の気象予報が発生に適している。
 (3)対  策    ・定植前に粒剤(ジメトエート、アドマイヤーなど)を施用する。
             ・発生がみられたら、薬剤を散布する。
            ・いちご、トマトなどの施設栽培では持ち込まないよう、定植前に丁寧
             に薬剤で防除する。
 (4)備  考   ・モザイク病を媒介するので、初期発生に注意し防除を徹底する。
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その他の病害虫        発生予想
 ○野菜軟腐病       発生量:平年並  ↑
 ○きく白さび病       発生量:平年並  →
 ○きくアザミウマ類    発生量:平年並  ↑

       →、↑、↓は、現在の発生からの増減を表す。
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─────── 関東甲信地方3ヶ月気象予報(気象庁8月21日発表)───────
  9月:平年と同様に晴れる日が多いでしょう。天気のぐずつく時期がある見込みです。
           気温は高く、降水量は平年並でしょう。
   10月:平年と同様に晴れる日が多いでしょう。気温は高く、降水量は平年並でしょう。
   11月:平年と同様に天気は数日の周期で変わるでしょう。気温は高く、降水量は平年並でしょう。
           ○気 温  9月 高 い、10月 高 い、11月 高 い
           ○降水量 9月 平年並、10月 平年並、11月 平年並
  


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