植物防疫ニュース(速報)  栃木県農業環境指導センター  

平成13年度No.1  (平成13年4月2日発表)

 


害虫の越冬状況調査結果         

 平成12年12月〜13年3月に各種害虫の越冬状況について調査を行いました。
その結果、越冬密度は、イネミズゾウムシ、ニカメイチュウでは低いが、果樹カメムシ類では高いことがわかりました。今後の発生動向には十分に注意しましょう。 
1.イネミズゾウムシ(水稲)
越冬密度の年次推移                                                      (頭/0.1u)
年 次 13年 12年 11年 10年 9年 8年 7年 6年 5年 4年 3年
越冬密度 0.2 0. 0 0. 1 0. 0 1. 1 0. 6 2..0 1.5 1.5 4.1 6.0
【調査場所】宇都宮市瓦谷町
【調査時期】平成13年2月中旬
【調査方法】水田周辺10カ所について0.1uの地面を3p程度堀取り、その土中の生存越冬成虫数を査した。
○概 評
 本年の調査結果では平均頭数が0.2頭で平年値1.7頭(平成3〜12年の平均値)に比べ少なくので、本年の越冬数は全般に「やや少ない」もしくは「少ない」と考えられます。ただし、 昨年本田で被害が多発した地域や山間地域の常発地などは注意が必要です。
2.ニカメイガ(水稲)
ニカメイガの越冬幼虫調査結果
調査場所 寄生茎率(%)
平成13年 平成12年 平成11年 平成10年 平成9年 平成8年 平成7年
栃木市 木野地 0.0 1.0 3.6 5.5 1.5
小山市 小 薬  0.0 0.0 0.1  1.2  0.5 0.4 0.4
二宮町 青 田  0.1 0.0 0.1  0.3  0.6 0.4 0.2
小山市 生 良  0.0 0.0          
大田原市奥 沢  0.3 0.1          
  平   均  0.1 0.0 0.1  0.8 1.6 2.1 0.6

【調査時期】平成13年3月上旬

【調査方法】各地点2ほ場 1ほ場当たり平成8・9年150株、平成10〜12年は 100株、平成13年は50株調査
○概 評
  近年、発生は県中南部で増加傾向にありましたが、箱施用剤等による防除が広範に行われる ようになり、本年の平均寄生茎率は0.1%と平年値0.9%(平成7〜12年の平均値)に比べ「少ない」状況です。
3.果樹カメムシ類
チャバネアオカメムシの越冬密度
   
  調査場所
      頭/3u
平成13年 平成12年 平成11年 平成10年
湯津上村片府田 5 0 0 0
宇都宮横山町 1 0 0 0
市貝町椎谷 0 0 0 0
大平町西山田 2 0 0 0
【調査時期】1〜2月 (宇都宮13年は、12年12月)
【調査方法】各地点3uの落葉及び腐葉土を採集し温暖な場所に保管し、出てきた成虫を確認した。
○概 評
 今年の越冬量は「多い」と考えられます。越冬成虫が果樹園に飛来する5、6月は発生予察情報等に十分注意し、防除対策を検討しておきましょう。
 
 
 

詳しくは農業環境指導センターにお問い合わせください。
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