植物防疫ニュース(速報)  栃木県農業環境指導センター  

平成13年度No3  (平成13年7月5日発表)

 


本年も斑点米カメムシ類の発生が早まっています。

 
 昨年、多発した中山間地域において、イネ科雑草や牧草地で調査を行ったところ、6月下旬〜7月上旬にクモヘリカメムシが多数捕獲されました(表−1)。
 発生時期は、本年の5〜6月の気温が平年より高く推移したため、やや早い発生となりました。 また、発生量については、やや多い発生となりました。これは、昨年、夏期の高温により、クモヘリカメムシの成育が進み、第2世代の発生が多くなり、越冬虫数が多かったためと考えられます。
 さらに、今後の気象予報から発生量は多くなると予想され、今後の情報には注意してください。
 昨年、斑点米カメムシ類が多発した地域は、早期発見につとめ、適切な防除対策を講じて、斑点米の発生を防ぎましょう。
 
表−1 7月上旬の牧草地等の20回振りすくい取り調査結果(頭)
           (クモヘリカメムシ・ホソハリカメムシ成虫)

 調査地点
   平成13年   平成12年
 クモヘリ ホソハリ  クモヘリ ホソハリ
矢板市山田    1.3    3.5    10.0    0.0
小川町恩田    6.5    1.0    35.0    5.0
小川町白久    −    −    4.0   18.0
烏山町興野    −    −   57.0    4.0
南那須町田野倉   87.5    7.5    −    −
茂木町小山   57.0    4.0    5.0    1.5
鹿沼市酒野谷    1.0    0.7    −    −
粟野町中粕尾   150.0    9.8    −    −
平均   53.8    4.6    22.2    5.7
        ※調査月日 H13は7月2〜3日 H12は7月3〜6日
                                        
$$$ 防 除 対 策 $$$
 
1.水田飛来前対策(畦畔雑草、休耕田、牧草地等)
2.本田での防除対策
 
 
  表−2 斑点米カメムシ類に登録のある主な薬剤一覧(本田施用剤)
  
  薬剤名(商品名)

 
散布量・濃度  適正
使用
基準
 
    備     考

 
スミチオン粉剤2DL・3DL* 3〜4s 14/5 休耕田雑草地に登録あり
スミチオン乳剤* 1,000倍 21/5 休耕田雑草地に登録あり
スミバッサ粉剤(魚) 3〜4s 14/4              
ディプテレックス乳剤(劇) 500〜1,000倍 14/4 イタリアンライグラスのアワヨトウに登録あり
ディプバッサ乳剤(劇・魚) 700〜1,000倍 14/4  
バイジット乳剤(劇) 1,000倍 30/2  
バイバッサ粉剤DL(魚) 3〜4s 21/2  
トレボン粉剤DL(蚕) 3〜4s 7/3 休耕田雑草地に登録あり
トレボン乳剤(蚕) 2,000倍 21/3 休耕田雑草地に登録あり
トレボンEW(蚕) 1,000倍 21/3  
トレボンMC(蚕) 2,000倍 21/3  
MR.ジョーカーEW(蚕) 2,000倍 14/2  
ベストガード粉剤DL 4s 14/4  
  ※適正使用基準:収穫前日数/回以内 *印は本田期4回以内
  ※液剤は10aあたり100〜150リットル散布する。
 
  クモヘリカメムシ                          ホソハリカメムシ
  体長15〜17o                         体長9〜11o
 
 
 
 
 
 
 

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