オオタバコガが増加傾向
今秋は、オオタバコガの県内各地での発生が目立ちます。早めに防除し、被害を最小限に抑えましょう。
(1)オオタバコガとは
オオタバコガは在来のヤガ科の害虫です。幼虫はアオムシ状で体表にはまばらにやや長い毛があり成長すると40mm程度になります。越冬した蛹から5〜6月に羽化します。年に3世代前後発生し、幼虫は夏から秋にかけて主になす、トマト、レタス、ブロッコリー、きくなどを食害し、本県ではいちごへの寄生も確認されています。果実や蕾に食入すると直径7mm前後の丸い穴と糞が見られます。以前は南日本に分布するとされていましたが、近年では関東地方での被害も問題になってきています。
(2)本県での発生状況
農業試験場本場(宇都宮市)に設置した性フェロモントラップへの8月第1半旬から10月第1半旬までの累積誘殺数は下表のとおりで、今年度は調査開始以来最も誘殺数が多い状況です。また、今年度は、県中・南部のなす、ブロッコリー等への寄生がやや目立っています。
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年 度 平成9年度 10年度 11年度 12年度 13年度
誘殺数 8頭 1 1 8 39
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(3)防除対策
○幼虫は中齢期以降果実に食入して防除しにくくなるので、若齢期のうちに防除を行う。
○摘心、摘除した腋芽や被害果などには卵や幼虫が着いてることがあるので、必ずほ場の外に持ち出し処分する。
○施設野菜では開口部を防除ネット等で被覆し成虫の侵入を防除する。
○主な登録薬剤
系統名 薬剤名 主な適用作物
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合ピレ・有機リン系 ハクサップ水和剤 なす、レタス、キャベツ
カーバメート系 ラービンフロアブル レタス
BT系 エスマルクDF トマト、なす、レタス
デルフィン顆粒水和剤 トマト、なす、レタス、きく
IGR系 カスケード乳剤 トマト
マッチ乳剤 トマト、なす
マトリックフロアブル レタス
その他 アファーム乳剤 トマト、なす、レタス、きく
コテツフロアブル トマト、なす、レタス
詳しくは農業環境指導センターにお問い合わせください。
Tel(028)626-3086
Fax(028)626-3012
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