植物防疫ニュース

平成13年度病害虫発生予察特殊報第1号

栃木県農業環境指導センター 平成13年4月11日発表

 
 県内のシクラメン栽培ほ場で、INSV(Impatiens necrotic spot virus)によるえそ斑紋病(仮称)の発生が初めて確認された。本病は、ミカンキイロアザミウマのみが媒介し、葉にえそや斑紋症状を起こすのが特徴である。
 
害虫名:シクラメンえそ斑紋病(INSV:Impatiens necrotic spot virus)(仮称)
 
1 発生確認までの経過
 本ウイルスは、1999年に岡山県のシネラリアで初発生し、その後、静岡県や秋田県での発生が報告されている。
 本県では、2000年11月に県北部のシクラメンで葉にえそや斑紋症状の株が発生し、RT-PCR法による遺伝子診断の結果、本ウイルスであることが確認されました。なお、本病をシクラメンえそ斑紋病(仮称)として、日本植物病理学会で提案した。

  


2 病 徴

 きくえそ病(TSWV)と同じグループに属するウイルスによる病害で、葉にえそや斑紋症状を引き起こし、他の作物では、病徴はTSWVとの区別は困難である。多犯性で、観葉植物に発生が多く、海外では、花き類の最も恐ろしい病害とされている。
 
3 防除対策
  @被害株は伝染源となるので、施設外へ持ち出して処分する。
  Aミカンキイロアザミウマが媒介するので、その発生源となっているほ場内外の雑草を除去する。
  Bミカンキイロアザミウマは蕾が主な寄生場所となるので、むだ花を除去する。
  C出荷予定のない花き類はアザミウマの増殖場所となるので除去する。
  Dミカンキイロアザミウマの発生が見られた場合には以下の薬剤を散布する。

薬   剤   名 使用濃度 適正使用基準
パダンSG水溶剤(劇・魚・蚕)
エビセクト水和剤(劇・魚・蚕)
1500倍
1000倍
発生初期/5
発生初期/5


島島島島 詳しくは、農業環境指導センターまでお問い合わせください。島島島島
TEL 028-626-3086   FAX 028-626-3012    
ホームページ http://www.jppn.ne.jp/tochigi/  
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