栃木県病害虫発生予察予報 栃木県農業環境指導センター
植物防疫ニュース
平成13年度第1号(平成13年4月26日発表)
予想期間:4月下旬〜5月下旬
予報の根拠で、(+)は多発要因、(−)は少発要因を表す。
1 水稲 イネミズゾウムシ
(1)発生予想 発生量:やや少ない
(2)根 拠
・宇都宮市瓦谷町での越冬量は少ない。(−)
・5月の気温は平年並の予報である。(±)
(3)対 策
・常発地や前年発生が多いほ場では箱施用剤を使用する。
・ペースト肥料の場合には、パダンSG水溶剤を混和して施用する。
・移植後二週間後に成虫が20株当たり10頭以上いた場合、トレボンやシクロパックなどの粒剤やパック剤を水面施用する。
・土手や畦畔から侵入するため、畦畔から3m以内を重点的に防除する(額縁散布)。
2 麦類 赤かび病
(1)発生予想 発生量:平年並
(2)根 拠
・昨年の発生は平年並であった。(±)
・今後の気象予報は気温・降水量は平年並である。(±)
(3)対 策
・天候にかかわらず、開花期から乳熟期にトップジンM水和剤、トリフミン水和剤などを必ず散布する。
・不順天候が続く場合は、7〜10日後に再度防除を行う。
3 トマト 葉かび病
(1)発生予想 発生量:平年並
(2)根 拠
・現在の発生はやや少ない。(−)
・病原菌は25℃前後の多湿条件下を好むが、今後の気象予報は気温・降水量は平年並であるため、発生にやや適している。(+)
(3)対 策
・施設内が多湿にならないように換気に注意する。
・発生が見られる場合は、ベルクート水和剤、ダコニール1000、ビスダイセン水和剤、ポリオキシンAL乳剤などを散布する。
4 施設野菜共通 灰色かび病
(1)発生予想 発生量:平年並(トマト:やや多い)
(2)根 拠
・現在、トマトで平年並(±)、いちごでやや少ない(−)発生である。
・トマトでは一部多発生のほ場がある。
・病原菌は20℃前後の多湿条件下を好むが、今後の気象予報は気温・降水量は平年並であるため、発生にやや適している。(+)
(3)対 策
・施設内が多湿にならないように換気に注意する。
・発病した果実や茎葉は伝染源となるので、早急に取り除き、ほ場外で処分する。
・薬剤による防除を行う場合には、ロブラール500アクア、サンヨール、フルピカフロアブルなどによるローテーション散布を行う。
5 施設野菜共通 オンシツコナジラミ
(1)発生予想 発生量:平年並
(2)根 拠
・現在の発生は平年並である。(±)
(3)対 策
・ハウス内への鉢物などの持ち込みに注意し、また、ハウス内外の雑草防除を徹底する。
・発生が見られた場合はモスピラン水溶剤、アプロード水和剤、サンマイトフロアブルなどを散布する。
6 たまねぎ べと病・軟腐病
(1)発生予想 発生量:やや少ない
(2)根 拠
・現在、少ない発生である。(−)
・天気の安定しない日が多いと多発するが、今後の気象予報は発生にやや適している。(+)
(3)対 策
・発生の見られる株は早急に処分し、ナレート水和剤、ジマンダイセン水和剤などを散布する。
7 なし 黒星病
(1)発生予想 発生量:平年並
(2)根 拠
・昨年秋の発生はやや少なかった。(−)
・今後の気象は気温・降水量は平年並と発生にやや適している。(+)
(3)対 策
・発病がみられた葉や果実は伝染源となるので早急に取り除き、ほ場外で処分する。
・ラリー水和剤、アントラコール水和剤、サニパーなどを散布する。
○その他の病害虫
水稲育苗 細菌性病害 発生量
:平年並
野菜共通 ハスモンヨトウ 発生時期:早い
野菜共通 アブラムシ類 発生量
:平年並
野菜共通 アザミウマ類 発生量
:平年並
なし 赤星病 成熟度
:早い
なし ナシヒメシンクイ 発生量
:やや多い
きく マメハモグリバエ 発生量
:平年並
○果樹カメムシの越冬密度は高く、4月上中旬の集合フェロモントラップへの誘殺数は多い状況です。これからの果樹園への飛来に注意しましょう。4mm目以下の多目的防災網を張るなど、被害を未然に防ぎましょう。
──────── 関東甲信地方3ヶ月気象予報(気象庁4月23日発表)──────
5月:平年と同様に晴れる日が多いでしょう。
6月:平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。
7月:平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。
○気温 5月 平年並 6月 高 い
7月 高 い
○降水量 5月 平年並 6月 多 い
7月 平年並
「平成13年度病害虫雑草防除基準」のお求めは、(社)栃木県植物防疫協会まで
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詳しくは農業環境指導センターにお問い合わせください。
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