栃木県病害虫発生予察予報  栃木県農業環境指導センター  

平成13年度第6号(平成13年9月27日発表)

予想期間:9月下旬〜10月下旬


  予報の根拠で、(+)は増加要因、(−)は減少要因を表す。

1 野菜共通 ハスモンヨトウ
 (1)発生予想  発生量:やや多い(県南の一部多い)
  (2)根  拠  ・フェロモントラップへの誘殺数は、県中部では平年並だが、県南部で多い地域がある。(+)
         ・大豆を中心に、県南部で被害がみられる。(+)
         ・今後の気象予報は発育・食害活動に適している。(+)
 (3)対  策  ・現在の初期発生に注意し、幼虫がみられたら防除する。
          ・幼虫が集団でいるうちに、寄生葉を摘み取り、処分する。
         ・雑草などにも生息するので、ほ場周辺の草刈などを行う。
         ・いちごなどの施設栽培の場合は、施設開口部に寒冷紗を張って、内部への侵入を防ぐ。
         ・薬剤は若齢幼虫のうちに散布する。農薬の散布にあたっては、収穫前日数、ミツバチへの安全日数等に注意する。
         ・薬剤抵抗性の発現を防止するため、連用を避けて系統の異なる薬剤をローテーション散布する。(各作物の薬剤は速報第6号を参照)

2 いちご うどんこ病
 (1)発生予想  発生量:平年並
 (2)根  拠  ・現在の発生はやや少ない。(−)
           ・今後の気象予報は感染にやや適している。(+)
 (3)対  策  ・ハウス内が多湿にならないように、換気やかん水に注意し通風をよくする。
           ・薬剤による防除は予防を基本とし、モレスタン水和剤、フルピカフロアブル、サンヨールなどをていねいに散布する。
           ・発生の見られる場合はEBI剤、ポリオキシンAL水溶剤などを、葉裏にも薬剤がよくかかるように散布する。

3 いちご ハダニ類
 (1)発生予想  発生量:平年並 
 (2)根  拠  ・現在の発生はやや少ない。(−)
           ・今後の気象予報は発生に適している。(+)
 (3)対  策  ・保温開始時に下葉を除去する。
           ・発生が見られる場合は、オサダン水和剤25、ニッソラン水和剤、ピラニカEWなどをローテーション散布する。
           ・ハダニの寄生している部分のみの薬剤散布でもよい。
           ・第1果房収穫末期までにハダニの密度が1小葉当たり1頭以下になるように防除する。 

4 野菜類 軟腐病
 (1)発生予想  発生量:やや少ない。
 (2)根  拠  ・現在の発生はやや少ない。(−)
            ・今後の気象予報は感染にやや適している。(+)
 (3)対  策  ・被害株は早期に抜取りほ場外で処分する。
            ・薬剤による防除は予防を基本とする。
            ・発生の見られる場合は、初期段階での薬剤防除を心がける。

 5 野菜共通 アブラムシ類
 (1)発生予想  発生量:やや少ない。
 (2)根  拠  ・各作物での発生はやや少ない。(−)
           ・黄色水盤への有翅虫の飛来数は少ない(−)
           ・今後の気象予報が発生に適している。(+)
 (3)対  策  ・定植前に粒剤(アドマイヤーなど)を施用する。
           ・発生がみられたら、薬剤を散布する。
         ・施設栽培トマトや今後作付けする野菜などでは、施設内に持ち込まないよう、定植前にていねいに薬剤で防除する。
 (4)備  考  ・モザイク病を媒介するので、初期発生に注意し防除を徹底する。

その他の病害虫        発生予想
  ○いちご 炭疽病     発生量:やや少ない  被害株は見つけしだい取り除き処分する。
 ○きく 白さび病      発生量:やや少ない
 ○きく アザミウマ類   発生量:平年並
 

※稲黄萎病について
  再生稲での発生は次年度の伝染源になるので、早急に秋耕を行う。
※大麦縞萎縮病について(二条大麦)
  排水対策を行う。また早まきしすぎると発生しやすいので、適期は種を心がける。
※なし黒星病について 
  本年は全般に少ない発生でしたが、病原菌は芽や落葉で越冬し翌年の発生源となりますので、収穫終了後に薬剤散布を行う。
※生物農薬(病害)の使用について
バイオトラスト、バイオキーパーなどは、予防散布でないと効果が現れにくいので、病害発生前に使用する。使用にあたっては注意事項をよく読んで適正な散布を行う。
 
─────── 関東甲信地方3ヶ月気象予報(気象庁9月20日発表)───────
 10月:天気は数日の周期で変わるでしょう。
 11月:天気は数日の周期で変わるでしょう。
12月:平年同様晴れる日が多いでしょう。
  ○気 温   10月 高 い  、11月 平年並、12月 平年並
  ○降水量  10月 平年並、11月 平年並、12月 平年並
                          

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