予報の根拠で、(+)は増加要因、(−)は減少要因を表す。
1 野菜共通 ハスモンヨトウ
(1)発生予想 発生量:やや多い(県南の一部多い)
(2)根 拠 ・フェロモントラップへの誘殺数は、県中部では平年並だが、県南部で多い地域がある。(+)
・大豆を中心に、県南部で被害がみられる。(+)
・今後の気象予報は発育・食害活動に適している。(+)
(3)対 策 ・現在の初期発生に注意し、幼虫がみられたら防除する。
・幼虫が集団でいるうちに、寄生葉を摘み取り、処分する。
・雑草などにも生息するので、ほ場周辺の草刈などを行う。
・いちごなどの施設栽培の場合は、施設開口部に寒冷紗を張って、内部への侵入を防ぐ。
・薬剤は若齢幼虫のうちに散布する。農薬の散布にあたっては、収穫前日数、ミツバチへの安全日数等に注意する。
・薬剤抵抗性の発現を防止するため、連用を避けて系統の異なる薬剤をローテーション散布する。(各作物の薬剤は速報第6号を参照)
2 いちご うどんこ病
(1)発生予想 発生量:平年並
(2)根 拠 ・現在の発生はやや少ない。(−)
・今後の気象予報は感染にやや適している。(+)
(3)対 策 ・ハウス内が多湿にならないように、換気やかん水に注意し通風をよくする。
・薬剤による防除は予防を基本とし、モレスタン水和剤、フルピカフロアブル、サンヨールなどをていねいに散布する。
・発生の見られる場合はEBI剤、ポリオキシンAL水溶剤などを、葉裏にも薬剤がよくかかるように散布する。
3 いちご ハダニ類
(1)発生予想 発生量:平年並
(2)根 拠 ・現在の発生はやや少ない。(−)
・今後の気象予報は発生に適している。(+)
(3)対 策 ・保温開始時に下葉を除去する。
・発生が見られる場合は、オサダン水和剤25、ニッソラン水和剤、ピラニカEWなどをローテーション散布する。
・ハダニの寄生している部分のみの薬剤散布でもよい。
・第1果房収穫末期までにハダニの密度が1小葉当たり1頭以下になるように防除する。
4 野菜類 軟腐病
(1)発生予想 発生量:やや少ない。
(2)根 拠 ・現在の発生はやや少ない。(−)
・今後の気象予報は感染にやや適している。(+)
(3)対 策 ・被害株は早期に抜取りほ場外で処分する。
・薬剤による防除は予防を基本とする。
・発生の見られる場合は、初期段階での薬剤防除を心がける。
5 野菜共通 アブラムシ類
(1)発生予想 発生量:やや少ない。
(2)根 拠 ・各作物での発生はやや少ない。(−)
・黄色水盤への有翅虫の飛来数は少ない(−)
・今後の気象予報が発生に適している。(+)
(3)対 策 ・定植前に粒剤(アドマイヤーなど)を施用する。
・発生がみられたら、薬剤を散布する。
・施設栽培トマトや今後作付けする野菜などでは、施設内に持ち込まないよう、定植前にていねいに薬剤で防除する。
(4)備 考 ・モザイク病を媒介するので、初期発生に注意し防除を徹底する。
その他の病害虫 発生予想
○いちご 炭疽病 発生量:やや少ない 被害株は見つけしだい取り除き処分する。
○きく 白さび病 発生量:やや少ない
○きく アザミウマ類 発生量:平年並
※稲黄萎病について
再生稲での発生は次年度の伝染源になるので、早急に秋耕を行う。
※大麦縞萎縮病について(二条大麦)
排水対策を行う。また早まきしすぎると発生しやすいので、適期は種を心がける。
※なし黒星病について
本年は全般に少ない発生でしたが、病原菌は芽や落葉で越冬し翌年の発生源となりますので、収穫終了後に薬剤散布を行う。
※生物農薬(病害)の使用について
バイオトラスト、バイオキーパーなどは、予防散布でないと効果が現れにくいので、病害発生前に使用する。使用にあたっては注意事項をよく読んで適正な散布を行う。
─────── 関東甲信地方3ヶ月気象予報(気象庁9月20日発表)───────
10月:天気は数日の周期で変わるでしょう。
11月:天気は数日の周期で変わるでしょう。
12月:平年同様晴れる日が多いでしょう。
○気 温 10月 高 い 、11月 平年並、12月 平年並
○降水量 10月 平年並、11月 平年並、12月 平年並