植物防疫ニュース

栃木県病害虫発生予察予報  栃木県農業環境指導センター  

平成13年度第3号(平成13年6月27日発表)

予想期間:6月下旬〜7月下旬

 


                            予報の根拠で、(+)は多発要因、(−)は少発要因を表す。


 1 水稲 いもち病(葉いもち)
 (1)発生予想  発生時期:平年並  発生量:やや少ない
 (2)根  拠 ・本田初発は6月第4半旬と平年並であった。
          ・病害虫防除員から県内各地での発生が報告されてきている。
          ・現在の発生量はやや少ない。(−)
          ・BLASTAMにより感染好適日が各地で判定されている。(+)
          ・今後の気象予報は気温が高く(−)、降水量は平年並(±)。
 (3)対  策 ・取り置き苗は発生源になりやすいので早急に処分する。
          ・常発地で箱施用または水面施用していない場合は、早急にオリブライト
          等速効性の粒剤を散布して予防する。
          ・発生が認められたら、予防及び治療効果のあるブラシン、カスラブサイ
          ドなどを散布すると効果的である。 
 (4)備  考 ・20℃前後で弱い連続降雨のあるとき感染の好適条件となるため、常発
          地では特に注意する。
          ・感染好適日の情報は逐次、当センターホームページに掲載するとともに
          各農業振興事務所に連絡しています。 

  水稲 イネドロオイムシ
 (1)発生予想  発生量:やや少ない 
 (2)根  拠 ・現在の発生量は平年並。(±)
          ・今後の気象予報は気温が高く(−)、降水量は平年並(±)。
 (3)対  策 ・発生の多いほ場では、スミチオン乳剤、ベストガード粉剤DLなどを散
          布する。

 3 いちご(苗) 炭疽病
 (1)発生予想  発生量:やや多い
 (2)根  拠 ・現在の発生量は平年並。(±)
          ・今後の気象予報は気温が高く(+)、降水量は平年並(±)。
 (3)対  策 ・育苗には、雨よけ、ポット、排水対策、チューブ潅水などを行う。
          ・育苗期にキノンドーフロアブル、ベルクート水和剤などをていねいに散
          布する。

 4 いちご(苗) うどんこ病
 (1)発生予想  発生量:平年並
 (2)根  拠 ・現在の発生量は平年並。(±)
          ・今後の気象予報は気温が高く(−)、降水量は平年並(±)。
 (3)対  策 ・苗が過湿にならないように管理する。
         ・ポリオキシンAL水溶剤、サンヨールなどを散布し発生を予防する。
         ・発生の多いほ場ではラリー水和剤、ルビゲン水和剤等のEBI剤を散布
          する。(EBI剤の使用は年2回以内を目標とする)

  露地野菜・花き アブラムシ類
 (1)発生予想  発生量:平年並 
 (2)根  拠 ・黄色水盤への誘殺数はやや少ない。(−)
          ・現在の発生量は全般にやや少ない。(−)
          ・今後の気象予報は気温が高く(+)、降水量は平年並(±)。
 (3)対  策 ・発生が見られたら、薬剤を散布する。
        (なす:モスピラン水溶剤、ピリマー水和剤など、ねぎ:ジメトエート
         乳剤など、きく:ベストガード水溶剤など)
 (4)備  考 ・アブラムシ類はウイルス病の病原(CMVなど)を伝搬するので早めに
            防除することが重要である。

 6 なし 黒星病
 (1)発生予想  発生量:やや少ない
 (2)根  拠 ・現在、少ない発生である(−)。
          ・今後の気象予報は気温が高く(−)、降水量は平年並(±)。
 (3)対  策 ・罹病した葉や果実は伝染源となるので早急に除去し、園外で処分する。
          ・キノンドーフロアブル、サニパーなどを予防散布する。発生が見られた
           ときはラリー水和剤等のEBI剤で防除する。(EBI剤の使用は年2
           回以内を目標とする)
         ・降雨が続くときは薬剤の散布間隔を短くする。

 7 りんご 斑点落葉病
 (1)発生予想  発生量:平年並 
 (2)根  拠 ・現在、やや少ない発生である。(−)
           ・今後の気象予報は気温が高く(+)、降水量は平年並(±)。
 (3)対  策 ・パルノックス水和剤、オーソサイド水和剤80、ベルクート水和剤など
          を散布する。

 8 果樹 カメムシ類
 (1)発生予想  発生量:多い
 (2)根  拠 ・越冬世代成虫の予察灯への飛来数は多い(+)。       
          ・今後の気象予報では気温は高い(+)。
          ・スギ・ヒノキの着果数が少なく増殖しにくい(−)が、吸汁のために果
          樹園に飛来しやすくなる(+)。
 (3)対  策 ・園内で発生を認めたらMR.ジョーカー水和剤などを散布する。
          ・有袋栽培でも加害するので注意する。

 ○その他の病害虫の発生予想  
  水  稲 縞葉枯病 :少ない
  施設野菜 灰色かび病:やや少ない
  野菜共通 コナガ  :やや多い 

   当センターでは6月5・6半旬に水田近くのイネ科雑草・牧草で斑点米カメ
  ムシ類の生息を確認しました。畦畔や休耕田の除草を徹底し、斑点米カメムシ
  類の水田への飛来を防止しましょう。また、水稲の出穂前に、休耕田の雑草に
  寄生しているカメムシ類をスミチオンなどで防除しておくと水田への飛来を抑
  えることができます。  
 
 6月1日から8月31日まで平成13年度栃木県農薬危害防止運動を実施しています。
農薬は安全に使用し、確実に管理しましょう。
 
関東甲信地方3ヶ月気象予報(気象庁6月20日発表)
  7月:前半は平年同様曇りや雨の日が多いでしょう。梅雨明け後は晴れて気温の高い
     日が多いでしょう。
  8月:平年と同様に晴れの日が多いでしょう。
  9月:残暑が厳しいでしょう。天気のぐずつく時期がある見込みです。
  ○気 温   7月 高 い、8月 平年並、9月 高 い
  ○降水量  7月 平年並、8月 平年並、9月 平年並
 

詳しくは農業環境指導センターにお問い合わせください。
  Tel(028)626-3086
    Fax(028)626-3012
http://www.jppn.ne.jp/tochigi/