植物防疫ニュース(速報bT)                    平成14年9月5日
                                    栃木県農業環境指導センター

        大豆の害虫の発生に注意しましょう。

 9月上旬の巡回調査では、県中南部ではハスモンヨトウが、県中北部ではフタスジヒメハムシの発生が昨年より多く見られます(表−1)。これは、8月中旬以降夕立が少なく増殖に適していたことが考えられ、また、今後の天気予報によると気温は平年並か高く、降水量は平年並と予想され、発育にやや好適な条件となるため、今後、増加することが考えられます。
 このため、早急にほ場を見回るなどして、発生が目立つ場合は早期に適切な防除を行うとともに、今後の発生動向に十分注意しましょう。

  表−1 大豆調査結果                                (発生ほ場率:%)












 


 
        ハ ス モ ン ヨ ト ウ
フタスジヒメハムシ
 
  白変葉   卵  若齢幼虫  中齢幼虫  老齢幼虫

県北部
   5.0
  (7.4)
  0.0
  (3.7)
   5.0
  (14.8)
   5.0
  (7.4)
   5.0
  (3.7)
  60.0
  (37.0)

県中部
   37.5
  (6.9)
  0.0
  (0.0)
  31.3
   (3.4)
  43.8
  (13.8)
  25.0
  (3.4)
  37.5
  (13.8)

県南部
  21.4
   (0.0)
  7.1
  (0.0)
  28.6
 (33.3)
   78.6
  (88.9)
  71.4
  (88.9)
  14.3
  (0.0)

県平均
 
  20.0
   (6.2)
 
  2.0
  (1.5)
 
  20.0
  (12.3)
 
  38.0
  (21.5)
 
  30.0
  (15.4)
 
  40.0
  (21.5)
 
       調査ほ場数 50ヶ所
        ( )は昨年同時期調査結果

       ◆◇◆◇◆◇◆◇ 防 除 対 策 ◆◇◆◇◆◇◆◇

1 ハスモンヨトウ
 (1)早期発見・早期防除に努める。若齢幼虫が集団でいる時期に葉裏や株元に届くようにていねいに薬剤散布を行う。
 (2)雑草などにも生息するので、ほ場周辺の雑草を除去する。
 (3)多回数散布する場合は、系統の異なる薬剤を使って、ローテーション散布する。
 (4)今後、野菜等へ移動して被害を及ぼす恐れがあるので注意する。
2 フタスジヒメハムシ
 (1)フタシジヒメハムシは、体長3〜4mmと小さく、さっと見ただけでは発生が確認できません。捕虫網か広げた傘に1m位の棒でたたき落とすと、背中に2本のスジが入った成虫が見られます。
 (2)発生が見られる場合は、トレボン乳剤1,000倍液を10a当たり150リットル散布する。

  表−2 主な適用薬剤






    ハスモンヨトウ フタスジヒメハムシ
トレボン乳剤  ○(1000〜2000倍)   ○(1000倍)
トレボンEW  ○(1000倍)    
トレボンMC  ○(1000倍)    
ラービンフロアブル  ○(750〜1000倍)  
アタブロン乳剤  ○(2000倍)  *  
ノーモルト乳剤   ○(2000倍)  *   
      *は中齢以降防除効果が低いので注意する。


 島島島 詳しくは、農業環境指導センターまでお問い合わせください。島島島
              п@028−626−3086
           http://www.jppn.ne.jp/tochigi/