遅く増加したハスモンヨトウ
−施設内に侵入する成虫には特に気をつけよう−
当センターで調査しているハスモンヨトウの性フェロモントラップへの誘殺が県内各地で10月中旬に
なって急激に増加しました(表−1)。また、下都賀地区の一部でも同様の状況との情報があります。
今後、成虫のハウスへの侵入が増加し、ハウス内での被害の発生が懸念されますので、防除を徹底しま
しょう。
表−1 ハスモンヨトウの性フェロモントラップへの誘殺状況 (頭)
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月−半旬 |
宇都宮(農業試験場) |
大田原 |
鹿沼 |
今年 |
昨年 |
平年 |
今年 |
昨年 |
今年 |
昨年 |
10−1 |
49 |
101 |
137 |
10/1-22 合計 495 |
10/2-22 合計 94 |
10/1-21 合計 2269 |
10/2-22 合計 1472 |
10−2 |
193 |
100 |
123 |
10−3 |
422 |
75 |
102 |
10−4 |
394 |
154 |
175 | |
※大田原と鹿沼は、病害虫防除員の調査によるもの。
◆◇◆◇◆◇◆◇ 防 除 対 策 ◆◇◆◇◆◇◆◇
(1)ハスモンヨトウは暖地性の害虫で休眠性がないため、本県では露地の越冬は不可能と考えらるが、施設
内では冬季でも寄生して食害を続けるため防除が必要である。
(2)早期発見、早期防除に努める。特に、今年発生がやや多かったダイズほ場周辺では発生が多めになる
ことが懸念されるので注意する。
(3)いちごなどの施設栽培では、施設の開口部に寒冷紗を張り、成虫の侵入を防ぐ。
(4)発生を認めたら、各作物ごとの「病害虫防除基準」に従い、若齢幼虫が集団でいるうちに葉裏や株元に
よく届くよう丁寧に薬剤散布を行う(特に、IGR剤、BT剤は中齢以上になると薬剤が効きにくくなる。)
(5)いちごに対しては、ミツバチへの安全日数に留意する。
(6)収穫間近の作物では収穫前日数に留意する。
(7)有機リン剤、カーバメート剤、合成ピレスロイド剤に対して防除効果の落ちている個体群があるので、
最近効果のなかった薬剤は他の薬剤に切り換える。
表−2 主な適用薬剤
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薬剤名(系統名) |
いちご |
ほうれんそう |
ブロッコリー |
しゅんぎく |
きく |
カスケード乳剤(IGR) |
○(1)<前> |
○<3> |
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マトリックフロアブル(IGR) |
○(1)<前> |
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デルフィン顆粒水和剤(BT) |
○(1)<前> |
○<7> |
|
|
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ゼンターリ顆粒水和剤(BT) |
○(1)<前> |
○<7> |
|
○<7> |
○<発生初期> |
アファーム乳剤(その他) |
○(2)<前> |
|
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エルサン乳剤(有機リン) |
|
○<21> |
○<21 > |
|
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DDVP乳剤75(有機リン) |
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○<7> |
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オリオン水和剤40(カーバメート) |
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○<発生初期
> | |
※ハスモンヨトウに適用のある作物に○。( )内はミツバチへの安全日数。<
>内は収穫前
日数または散布時期。
島島島
詳しくは、農業環境指導センターまでお問い合わせください。島島島
島島島
п@028−626−3086
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http://www.jppn.ne.jp/tochigi/