植物防疫ニュース                                                                                                                                                                          

栃木県農業環境指導センター
   栃木県病害虫発生予察予報 第1号
(平成14年4月24日発表)

                             予想期間:4月下旬〜5月下旬
予報の根拠で、(+)は多発要因、(−)は少発要因を表す。

1 水稲 イネミズゾウムシ
 (1)発生予想  発生時期:やや早い
         発 生 量:やや少ない
 (2)根  拠  ・宇都宮市瓦谷町での越冬量は少ない。(−)
        ・気温は高い予報であるため、水田への飛来時期は早い。(+)
 (3)対  策  ・常発地や前年発生が多いほ場では箱施用剤を使用する。
        ・ペースト肥料の場合には、パダンSG水溶剤を混和して施用する。
        ・移植2週間後に成虫が20株当たり10頭以上いた場合、トレボンやシクロパックなどの粒剤やパック剤を水面施用する。
        ・土手や畦畔から侵入するため、畦畔から3m以内を重点的に防除する額縁散布も効果的である。
 (4)備  考  ・発生時期が早いと被害が大きくなる可能性がある。

2 麦類 赤かび病          (速報第1号 平成14年4月3日発表)
 (1)発生予想  発生量:平年並
 (2)根  拠  ・昨年の発生はやや少ない〜平年並であった。(±)
        ・気象予報は気温は高く、降水量は平年並で発生にやや適している。(+)
 (3)対  策  ・天候にかかわらず、出穂期から乳熟期にトップジンM水和剤、トリフミン水和剤などを必ず散布する。
        ・特に出穂期に降雨があると発生しやすいので、小麦と六条大麦は注意する。
        ・不順天候が続く場合は、7〜10日後に再度防除を行う。

3 トマト 灰色かび病        (速報第2号 平成14年4月17日発表)
 (1)発生予想  発生量:やや多い
 (2)根  拠  ・現在、やや多い発生である。(+)
        ・今後の気象予報は気温は高く降水量は平年並であるため、発生にやや適している。(+)
 (3)対  策  ・施設内が多湿にならないように換気や潅水に注意する。
        ・発病した果実や茎葉は伝染源となるので、早急に取り除き、施設外に持ち出して処分する。
        ・薬剤による防除を行う場合には、ロブラール500アクア、ベルクートフロアブル、フルピカフロアブルなどによるローテーション散布を行う。
        ・天候不順が続くようなら、くん煙剤の使用も効果的である。

4 トマト 葉かび病
 (1)発生予想  発生量:平年並
 (2)根  拠  ・現在の発生はやや少ない。(−)
        ・病原菌は25℃前後の多湿条件下を好むが、今後の気象予報は気温は高く、降水量は平年並であるため、発生にやや適している。(+)
 (3)対  策  ・施設内が多湿にならないように換気や潅水に注意する。
        ・不要な下葉は除去する。
        ・発生が見られる場合は、ベルクート水和剤、ダコニール1000、ビスダイセン水和剤、ポリオキシンAL乳剤などを散布する。

5 いちご うどんこ病
 (1)発生予想  発生量:やや多い
 (2)根  拠  ・現在、平年並の発生である。(±)
        ・今後の気象予報は気温は高く、降水量は平年並であるため、発生にやや適している。(+)
 (3)対  策  ・施設内が多湿にならないように換気や潅水に注意する。
        ・発病した果実や茎葉は伝染源となるので、早急に取り除き、施設外に持ち出して処分する。
        ・薬剤による防除を行う場合には、ハーモメイト水和剤、サンヨール乳剤、フルピカフロアブルなどによるローテーション散布を行う。
        ・くん煙剤の使用も効果的である。

6 野菜果樹共通 アブラムシ類
 (1)発生予想  発生時期:早い
         発 生 量:やや多い
 (2)根  拠  ・宇都宮市における黄色水盤トラップへの飛来数は多い。(+)
        ・今後の気象予報は気温は高く、発生にやや適している。(+)
 (3)対  策  ・ほ場周辺の雑草防除を徹底する。
        ・発生が見られた場合は薬剤を散布する。
 (4)備  考  ・果樹では薬剤によって薬害が生じる場合があるので注意する。

7 たまねぎ べと病         (速報第3号 平成14年4月17日発表)
 (1)発生予想  発生時期:早い
         発 生 量:やや多い
 (2)根  拠  ・現在、平年並の発生である。(±)
        ・天気の安定しない日が多いと多発するが、今後の気象予報は発生にやや適している。(+)
 (3)対  策  ・発生の見られる株は早急にほ場外で処分する。
        ・ジマンダイセン水和剤、リドミルMZ水和剤などを散布する。

8 たまねぎ 軟腐病
 (1)発生予想  発生時期:早い
         発 生 量:平年並
 (2)根  拠  ・今後の気象予報は気温は高く、降水量は平年並と発生にやや適している。(+)
 (3)対  策  ・発生の見られる株は早急にほ場外で処分する。
        ・ジマンダイセン水和剤、スターナ水和剤などを散布する。

9 なし 黒星病
 (1)発生予想  発生時期:早い
         発 生 量:やや少ない
 (2)根  拠  ・昨年秋の発生は少なかった。(−)
        ・今後の気象は気温は高く、降水量は平年並と発生にやや適している。(+)
 (3)対  策  ・発病がみられた葉や果実は伝染源となるので早急に取り除き、ほ場外で処分する。
        ・パルノックスフロアブル、サニパー、ラリー水和剤などを散布する。

○その他の病害虫
  野菜共通 ハスモンヨトウ    発生時期:やや早い
  野菜共通 オンシツコナジラミ   発生量 :多い
  野菜共通 アザミウマ類      発生量 :やや多い
  なし   赤星病        発生時期:早い   発生量:やや少ない
  きく   ハモグリバエ類     発生量 :平年並

○果樹カメムシ類は一部のほ場で飛来が見られています。集合フェロモントラップへの誘殺時期もやや早く、誘殺量もやや多い状況です。これから果樹園での発生に注意し、4mm目以下の多目的防災網を張るなど、被害を未然に防ぎましょう。
 
―─────── 関東甲信地方1ヶ月気象予報(気象庁4月19日発表)──────――
 4月20日から5月19日
       低い(少ない)確率  平年並の確率   高い(多い)確率
 ○気 温     20%       40%       40%
 ○降水量     30%       40%       30%

  病害虫ホットライン(FAXサービス)のアクセス番号が変わりました。
 
003501(プップップ)(PB)#284 5006529416 0##(回線切断)

「平成14年度病害虫雑草防除基準」のお求めは、(社)栃木県植物防疫協会まで
Tel(028)683-5533

詳しくは農業環境指導センターにお問い合わせください。
Tel(028)626-3086  Fax(028)626-3012
http://www.jppn.ne.jp/tochigi/
mail