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植物防疫ニュース 栃木県農業環境指導センター
栃木県病害虫発生予察予報   平成14年度第2号
  (平成14年5月27日発表)

 
予想期間:5月下旬〜6月下旬

予報の根拠で、(+)は多発要因、(−)は少発要因を表す。

1 水稲 いもち病(葉いもち)
(1)発生予想   時期:平年並  発生量:平年並
(2)根  拠    今後の気象予報では、気温が平年並〜高く(±)、降水量は平年並〜少ない。(±)
(3)対  策 取り置き苗は発生源になりやすいので早急に処分する。
本田初発の1週間頃前までに粒剤を散布(本県の初発平年時期は6月20日頃)
発生の見られた場合はカスミン、ブラエスなど治療効果のある薬剤を散布
(4)備  考 20℃前後で弱い連続降雨のあるとき感染の好適条件となるため、常発地では特に注意する。
感染好適日の情報は逐次、当センターホームページに掲載するとともに各農業振興事務所に連絡します。

2 水稲 イネミズゾウムシ
(1)発生予想   発生量:平年並
(2)根   拠    5月1〜4半旬の予察灯への飛来数はやや少なかった。(−) 
定点調査によると、5月4半旬の発生量は平年並であった。(±)
(3)対    策    箱施用を実施していないほ場等で、移植2週間後に成虫が20株に10頭以上発生しているときは、トレボン、シクロパックなど粒剤や、パック剤を水面施用する。 
土手や畦畔から侵入するため、畦畔から3m以内を重点に防除する。

3 水稲 ニカメイガ(越冬世代成虫)
(1)発生予想   発生量:やや少ない
(2)根  拠    5月1〜4半旬の予察灯への飛来は少なかった。(−) 
越冬量は少なかった。(−) 
(3)対  策   早植栽培では、発蛾最盛日7〜14日後に粒剤、または同10〜14日後に乳剤か粉剤を散布(普通植栽培の散布時期は移植日後の日数)。 
(4)備  考 発蛾最盛日の平年月日(宇都宮)6月14日(栃木)6月2日
発蛾最盛日の情報は、各農業振興事務所に連絡します。

4 水稲 イネドロオイムシ
(1)発生予想   発生量:やや少ない
(2)根  拠    今後の気象予報では気温が平年並〜高く、降水量は平年並〜少ない。(−) 
(3)対  策   発生の多いほ場では、スミチオン乳剤、ベストガード粉剤DLなどを散布する。

5 いちご(親株) 炭疽病
(1)発生予想   発生量:平年並
(2)根   拠  6月の気象予報では降水量が平年並〜少ない。(±) 
(3)対   策 育苗は、雨よけ、ポットにより、また排水対策、チューブ潅水などを行う。 
育苗期にキノンドーフロアブル、ベルクート水和剤などをていねいに散布する。 
バイオトラスト水和剤を使用する場合は、発病前に散布するとともに、他薬剤との混用を避け、散布間隔にも注意する。

6 露地野菜・果樹・花き アブラムシ類
(1)発生予想   発生量:多い 
(2)根   拠  黄色水盤への誘殺数はやや多い。(+) 
現在の発生量はやや多い(+) 
6月の気象予報では気温は平年並〜高く、降水量は平年並〜少ない。(+) 
(3)対  策  定植時の粒剤施用(野菜・花き) 
抵抗性の出現を防ぐため、薬剤散布は系統を変えながら行う。 
(4)備  考 アブラムシ類はウイルス病の病原(CMVなど)を伝搬するので早めに防除することが重要である。(野菜・花き)

7 なし 黒星病
(1)発生予想   発生時期:平年並 発生量:やや少ない
(2)根   拠  現在、平年並の発生である。(±) 
今後の気象予報では気温は平年並〜高く、降水量は平年より並か少ない。(−)
(3)対   策 罹病した葉や果実は伝染源となりうるので早急に除去し、園外で処分する。 
アントラコール水和剤、サニパーなどを予防散布する。発生の見られたときはラリー水和剤等のEBI剤で防除する。 
降雨が続くときは薬剤の散布間隔を短くする。 

8 りんご 斑点落葉病
(1)発生予想   発生時期:平年並  発生量:やや少ない 
(2)根    拠  現在、やや少ない発生である。(−) 
今後の気象予報では気温が平年並〜高く、降水量は平年並〜少ない。(−)
(3)対   策 パルノックス水和剤、オーソサイド水和剤80、ベルクート水和剤などを散布する。 

9 果樹 カメムシ類
(1)発生予想   発生量:平年並
(2)根   拠 成虫の越冬量は平年並であった。(±)
5月1〜4半旬の予察灯への飛来量はやや少ない。(−) 
集合フェロモントラップの誘殺数は平年並(±)   
今後の気象予報では気温は平年並〜高い。(+) 
(3)対   策 園内で発生を認めたら薬剤を散布する。

○その他の病害虫     発生予想
・施設野菜 灰色かび病 発生量:平年並
・野菜共通 コナガ 発生量:やや多い 

1ヶ月気象予報(気象庁5月24日発表)
5月25日から6月24日まで
期間  要素 低い(少ない)確率 平年並の確率 高い(多い)確率
1か月 ○気 温 20% 40% 40%
○降水量 40% 40% 20%
1週目 ○気 温 40% 40% 20%
2週目 ○気 温 20% 40% 40%
3〜4週目 ○気 温 20% 30% 50%

  病害虫ホットライン(FAXサービス)のアクセス番号が変わりました。
003501(プップップ)(PB)#284 5006529416 0##(回線切断)

平成14年度病害虫雑草防除基準」のお求めは、(社)栃木県植物防疫協会まで
Tel(028)683-5533

病害虫に関して詳しく知りたい場合は、農業環境指導センターにお問い合わせください。
Tel(028)626-3086  Fax(028)626-3012
http://www.jppn.ne.jp/tochigi/