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植物防疫ニュース 栃木県農業環境指導センター
栃木県病害虫発生予察予報
平成14年度第7号(平成14年10月29日発表)
予想期間:10月下旬〜11月下旬
予報の根拠で、(+)は増加要因、(−)は減少要因を表す。
1 いちご うどんこ病
(1)発生予想 発生量:平年並
(2)根 拠 ・現在の発生は平年並。(±)
・「とちおとめ」はうどんこ病に感染しやすい。(+)
(3)対 策 ・ハウス内が多湿にならないよう、換気やかん水に注意し、通風をよくする。
・薬剤による防除は予防を基本とし、モレスタン水和剤、フルピカフロアブル、サンヨールなどをていねいに散布する。
・発生の見られる場合はEBI剤、ポリオキシンAL水溶剤などを、葉裏にも薬剤がよくかかるように散布する。
2 いちご ハダニ類
(1)発生予想 発生量:やや少ない
(2)根 拠 ・現在の発生はやや少ない。(−)
・今後の気象予報は発生にやや適している。(+)
(3)対 策 ・保温開始時に下葉を除去する。
・発生が見られる場合はコロマイト水和剤、ニッソラン水和剤、ピラニカEWなどをローテーション散布する。
・ハダニの寄生している部分のみの薬剤散布でもよい。
・第1果房収穫末期までは、ハダニの密度が1小葉当たり1頭以下になるように防除する。
(4)備 考 ・薬剤散布にあたっては、ミツバチの安全日数を考慮する(他の病害虫も同様)。
3 施設野菜共通 ハスモンヨトウ
(1)発生予想 発生量:やや多い
(2)根 拠 ・フェロモントラップへの誘殺数は、やや多い。(+)
・一部のいちごのハウスに若齢幼虫が多く見られる。(+)
(3)対 策 ・卵塊や若齢幼虫の寄生葉を摘み取り、処分する。
・いちごなどの施設栽培の場合は、施設開口部に寒冷紗を張って、内部
への侵入を防ぐ。
・薬剤は若齢幼虫のうちに散布する。農薬の散布にあたっては、収穫前日数、ミツバチへの安全日数等に注意する。
・薬剤抵抗性の発現を防止するため、連用を避けて系統の異なる薬剤をローテーション散布する。
(4)備 考 ・植物防疫ニュース(速報bU)参照
・施設周囲にハスモンヨトウが多発生したほ場があるときは、施設への飛来が多くなる傾向があるので注意する。
4 施設野菜共通 オンシツコナジラミ
(1)発生予想 発生量:平年並
(2)根 拠 ・いちごほ場での発生は平年並(±)
・今後の気象予報が発生にやや適している。(+)
(3)対 策 ・ハウス内外の雑草防除を徹底する。
・トマトでは定植時にベストガード粒剤、アドマイヤー1粒剤などを施用する。
・今後作付けする野菜などでは、施設内に持ち込まないよう、定植前にていねいに薬剤で防除する。
・発生が見られたら、いちごではモスピラン水溶剤を、トマトではアプロード水和剤、モスピラン水溶剤、サンマイトフロアブルなどを散布する。
・トマトでラノーテープを使用するときは、発生初期から設置するなど基本事項を遵守する。特に12月出荷の作型では早急に設置する。
5 大麦 縞萎縮病
(1)発生予想 やや少ない
(2)根 拠 ・平成14年産麦(2月時点)での発生は少なかった。(−)
・今後の気象予報は発生にあまり適していない。(−)
(3)対 策 ・早まきすると発生しやすいので、適期は種を心がける。
・排水対策を行う。
6 なし 黒星病
(1)越 冬 量 少ない
(2)根 拠 ・今年の発生は全般に少なかった。(−)
(3)対 策 ・罹病した落葉は越冬源になるので、落葉の処分を徹底する。
その他の病害虫
発生予想 注 意 点
○いちご 炭疽病 発生量:平年並 被害株は見つけしだい取り除き肥 料袋等につめて処分する。
○きく 白さび病 発生量:やや少ない 施設内が多湿にならないようにする。
○ねぎ さび病 発生量:やや少ない 発生の多いほ場ではEBI剤を散布する。
※麦類種子伝染性病害(斑葉病、なまぐさ黒穂病、裸黒穂病、条斑病)の防除について
平成14年産麦(5月時点)の斑葉病の発生量は平年並でした。種子消毒によりこれらの種子伝染性病害を防除しましょう。
<粉衣>ベンレートTコート、トリフミン水和剤、ヘルシードT水和剤(斑葉病のみ)など。
○農薬は適正に使用しましょう!
・農薬は農薬取締法によって使用できる農作物の種類、適用病害虫、希釈倍率、収穫前日数、総使用回数などが定められていますので、ラベルをよく読んで正しく使用するようにしましょう。
・現在農薬登録のないものや、使用する農作物に適用のないものは絶対に使用してはいけません。
────── 関東甲信地方1ヶ月気象予報(気象庁10月25日発表)───────
10月26日から11月25日
天気は周期的に変わるでしょう。
低い(少ない)確率 平年並の確率 高い(多い)確率
○気 温 60% 30% 10%
○降水量 40% 40% 20%
○日照時間 20% 50% 30%
詳しくは農業環境指導センターにお問い合わせください。
Tel(028)626-3086 Fax(028)626-3012
http://www.jppn.ne.jp/tochigi/