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 植物防疫ニュース            栃木県農業環境指導センター
   栃木県病害虫発生予察予報
              平成14年度第8号(平成14年11月28日発表)

                        予想期間:11月下旬〜12月下旬
 予報の根拠で、(+)は増加要因、(−)は減少要因を表す。

1 いちご うどんこ病
  (1)発生予想  発生量:平年並
  (2)根  拠 ・現在の発生はやや少ないが、発生の多いほ場も見られる。(−)
          ・今後の気象予報は感染にやや適している。(+)
   (3)対  策  ・ハウス内が多湿にならないように、換気やかん水に注意し通風をよく
          する。
         ・薬剤による防除は予防を基本とし、モレスタン水和剤、フルピカフロ
          アブル、サンヨールなどをていねいに散布する。
         ・発生の見られる場合はEBI剤、ポリオキシンAL水溶剤などを、葉
          裏にも薬剤がよくかかるように散布する。
        ・くん煙剤の使用も効果的である。

2 いちご ハダニ類
 (1)発生予想   発生量:やや少ない
 (2)根  拠  ・現在の発生は少ない。(−)
         ・今後の気象予報は発生にやや適している。(+)
  (3)対  策  ・保温開始時に下葉を除去する。また、第1果房収穫終了後に下葉除去
           を行う場合には、薬剤散布後に行う。
          発生が見られる場合は、コロマイト水和剤、ニッソラン水和剤、ピラ
          ニカEWなどをローテーション散布する。
         ・ハダニの発生した場所へのスポット散布でも効果的である。
         ・第1果房収穫末期まではハダニの密度が1小葉当たり1頭以下になる
          ように防除する。
 (4)備  考  ・薬剤散布にあたっては、ミツバチの安全日数を十分考慮する(他の病
          害虫も同様)。

3 いちご アブラムシ類
 (1)発生予想  発生量:やや少ない
 (2)根  拠  ・現在の発生は少ないが、発生の多いほ場も見られる。(−)
        ・今後の気象予報が発生にやや適している。(+)
 (3)対  策  ・発生がみられたら、系統の異なる薬剤を葉裏によくかかるようにロー
         テーション散布する。

 トマト 葉かび病 
 (1)発生予想  発生量:やや少ない
 (2)根  拠  ・現在の発生は少ない。(−)
        ・今後の気象予報は発生にやや適している。(+)
 (3)対  策  ・過度のかん水を避け、高温多湿にならないよう換気を十分行う。
        ・薬剤による防除は予防を基本とし、サンヨール、ベルクートフロアブ
         ルなどを散布する。

5 施設野菜共通 オンシツコナジラミ    
 (1)発生予想  発生量:平年並
 (2)根  拠  ・現在の発生はいちご、トマトでやや少ない。(−)
        ・今後の気象予報は発生にやや適している。(+)
 (3)対  策  ・ハウス内への鉢物などの持込みに注意し、室内の雑草防除を徹底する。
        ・発生が見られたら、いちごではモスピラン水溶剤を、トマトではモス
         ピラン水溶剤、サンマイトフロアブルなどを散布する。
        ・トマトでラノーテープを使用するときは、発生初期から設置するなど
         基本事項を遵守する。

その他の病害虫
               発生予想         注意点
○ニラ白斑葉枯病      発生量:やや少ない 施設内の低温に注意する。
  ○きく白さび病    発生量:やや多い   施設内の多湿に注意する。
  ○施設野菜・花き共通  発生量:やや多い   施設内外の雑草、不要作物を除去する。
   ハモグリバエ類
  ○大麦縞萎縮病      発生量:平年並   必ず排水対策を実施する。

 ☆あぜ道等枯れ草焼却について
  枯れ草焼却はイネ縞葉枯病やイネ黄萎病などを媒介するヒメトビウンカ、ツマグロヨ
 コバイの越冬幼虫防除が主目的となっています。しかし、近年、県内全域でのこれら病
 害の発生は減り、また、その媒介虫の越冬密度(本年調査結果は次項)も低く、限られ
 た地域での発生になってきていますので、地域での発生実態を考慮した上で実施するこ
 とが大切です。なお、ほぼ毎年、何らかの事故が発生しており、人的にも物的にも危険
 な作業ですので、実施に当たっては十分な安全対策を講じましょう。
 
 ☆ヒメトビウンカ・ツマグロヨコバイ越冬前密度調査結果について
  ヒメトビウンカについては平年に比べ、極めて低い密度となっています。また、ツマ
 グロヨコバイも平年に比べ、全般的に低い密度でした。
 
            ヒメトビウンカ         ツマグロヨコバイ
         平成14年   平年値      平成14年   平年値

   県北平均    0.7   20.8       9.3  124.3
   県中平均    0.3   48.0      16.8  203.4
   県南平均    0.0  129.8      37.5  424.0
   県 平 均    0.2   62.5      22.6  240.9

  ※平年値はH4〜13の平均値 単位は「頭/10u」(11月11・12日調査)
 

○農薬は適正に使用しましょう!
・農薬は農薬取締法によって使用できる農作物の種類、適用病害虫、希釈倍率、収穫前日
数、総使用回数などが定められていますので、ラベルをよく読んで正しく使用するように
しましょう。
現在農薬登録のないものや、使用する農作物に適用のないものは絶対に使用して
はいけません。


 
関東甲信地方1ヶ月気象予報(気象庁11月22日発表)
 11月23日から12月22日
         低い(少ない)確率  平年並の確率  高い(多い)確率
  ○気  温     30%       50%      20%
  ○降 水 量     20%       50%      30%
  ○日照時間     30%       50%      20%

 
 
詳しくは農業環境指導センターにお問い合わせください。
Tel(028)626-3086  Fax(028)626-3012
http://www.jppn.ne.jp/tochigi/