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 栃木県病害虫発生予察予報         栃木県農業環境指導センター
 
 植物防疫ニュース   平成14年度第11号(平成15年2月26日発表)
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                            予想期間:2月下旬〜3月下旬
予報の根拠で、(+)は増加要因、(−)は減少要因を示す。
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1 いちご うどんこ病
  (1)発生予想   発生量:やや少ない
  (2)根  拠 ・現在の発生はやや少ない。(−)
        ・今後の気象予報が感染にやや適している。(+)
(3)対  策  ・ハウス内が多湿にならないように、換気やかん水に注意し通風をよく
         する。
         ・薬剤による防除は予防を基本とし、ベルクート水和剤、フルピカフロア
         ブル、サンヨールなどをていねいに散布する。
        ・発病した果実や茎葉は伝染源となるので早急に取り除き、ほ場外で処分
         する。
        ・発生の見られる場合はEBI剤、ポリオキシンAL水溶剤などを、葉裏
         にも薬剤がよくかかるように散布する。
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2 いちご 灰色かび病
 (1)発生予想  発生量:平年並
 (2)根  拠 ・現在の発生はやや少ない。(−)
        ・今後の気象予報が感染に適している。(+)
 (3)対  策 ・多湿条件で発生しやすいので通風をよくする。特に曇天の日が続く場合
         は発生しやすいので注意する。また、かん水に注意しハウス内の湿度を
         上げすぎないようにする。
        ・発病した果実や茎葉は伝染源となるので早急に取り除き、ほ場外で処分
         する。
        ・薬剤による防除は予防を基本とし、フルピカフロアブル、ロブラール500
         アクアなどを散布する。また、同一系統の薬剤の連用を避け、異なる系
         統の薬剤をローテーション散布する。 
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3 いちご ハダニ類
 (1)発生予想   発生量:やや少ない 
  (2)根  拠  ・現在の発生はやや少ない。(−)
         ・今後の気象予報が発生にやや適している。(+)
(3)対  策   ・発生が見られる場合は、コロマイト水和剤、ニッソラン水和剤、マイト
         コーネフロアブルなどをローテーション散布する。
(4)備  考  ・薬剤散布にあたっては、ミツバチの安全日数を十分考慮する(他の病害
         虫も同様)。
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4 いちご オンシツコナジラミ    
 (1)発生予想  発生量:平年並
 (2)根  拠  ・現在の発生は平年並である。(±)
        ・今後の気象予報が発生にやや適している。(+)
 (3)対  策  ・施設内への鉢物などの持込みに注意し、また施設内の雑草防除を徹底
         する。
        ・発生が見られたら、モスピラン水溶剤を散布する。
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5 トマト 灰色かび病
 (1)発生予想  発生量:やや多い
 (2)根  拠 ・現在の発生は平年並である。(±)
        ・今後の気象予報が感染に適している。(+)
 (3)対  策 ・施設内が多湿にならないように換気やかん水に注意する。特に、曇天の
         日が続く場合は、発生しやすいので注意する。
        ・発病した果実や茎葉は伝染源となるので早急に取り除き、ほ場外で処分
         する。
        ・薬剤による防除は予防を基本とし、ロブラール 500アクア、ベルクート
         水和剤などを散布する。
        ・発生の見られる場合はポリオキシンAL水溶剤、ゲッター水和剤などを
         散布する。
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6 トマト 葉かび病
 (1)発生予想  発生量:やや少ない
 (2)根  拠  ・現在の発生はやや少ない。(−)
        ・今後の気象予報は発生にやや適している。(+)
 (3)対  策  ・施設内が高温多湿にならないよう換気やかん水に注意する。
        ・発病が見られた茎葉や不要な下葉は取り除き、ほ場外で処分する。
        ・薬剤による防除は予防を基本とし、ベルクート水和剤、サンヨールなど
         を散布する。
 (4)備  考  ・ハウス桃太郎では発生しやすいので注意する。
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その他の病害虫                     発生予想
  いちご アザミウマ類              発生量:平年並
  トマト オンシツコナジラミ           発生量:やや少ない
          モスピラン水溶剤、アプロード水和剤などを散布する。
          ラノーテープを使用するときは、生長に応じて設置高をあげる。
  施設野菜共通 アブラムシ類           発生量:やや少ない
  施設野菜・花き共通 ハモグリバエ類       発生量:やや少ない
  にら 白斑葉枯病                発生量:やや少ない
 
─────── 1ヶ月気象予報(気象庁2月21日発表)─────────────―
予報対象期間 2月22日から3月21日まで
  天気は周期的に変わるでしょう。平年に比べ曇りや雨の日が多いでしょう。
 
        低い(少ない)確率  平年並の確率  高い(多い)確率
 ○気  温    20%       40%       40%
  ○降 水 量    20%       40%      40%
  ○日照時間    40%       40%      20%
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○改正農薬取締法が施行されます
 
・今年の3月10日から改正農薬取締法が施行されます。これからは使用者責任が問われますので、
ラベルをよく読んで
使用できる農作物の種類、適用病害虫、希釈倍率、収穫前日数、
総使用回数を守って正しく使用しましょう。
現在、農薬登録のないものや、使用する農作物に適用のないものは絶対に
使用してはいけません。
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平成15年度病害虫雑草防除指針の発行
4月に発行予定、1部 1,000円(消費税込)
申込みは、社団法人栃木県植物防疫協会(農業共済連内) Tel 028-683-5533  まで
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詳しくは、農業環境指導センターにお問い合わせください。
Tel(028)626-3086  Fax(028)626-3012
http://www.jppn.ne.jp/tochigi/