植物防疫ニュース
平成15年度病害虫発生予察注意報第1号
栃木県農業環境指導センター 平成15年6月25日発表

 果樹カメムシ類の発生は、早くて多い状況です。各地の果樹園への飛来が確認されていますので、早期発見に努め的確な防除を行いましょう。
 
  作 物 名:果樹(なし、りんご)
  病害虫名:カメムシ類(チャバネアオカメムシ・クサギカメムシ)
 
1 発生予想    発生量 多い
  発生地域    県内全域
 
2 根  拠
 (1)チャバネアオカメムシ成虫の越冬密度は定点4か所平均で0.2頭/uと平年並であった。(平成9〜14年の平均 0.1頭/u)。
 (2)チャバネアオカメムシの集合フェロモントラップへの誘殺数は、4月下旬から増加が続き、過去4年よりかなり多い(下図)。
 (3)チャバネアオカメムシの予察灯(宇都宮市)への飛来初日は、5月7日と早い。
 (4)病害虫防除員や関係機関等から、果樹カメムシ類の発生が目立つという情報が入ってきている。
 (5)各地のなし、りんご園でカメムシ類の飛来が確認されている。
 
                                                    平年値は平成11年〜14年の平均値 
 
 
3 防除対策
(1)早期発見・早期防除に努める。山林に隣接した果樹園では、発生が多い傾向があるので注意する。
(2)気温が高い日は、カメムシ類の活動が活発になるので注意する。
(3)多目的防災網は、網目が4mm以下のものを使用し、すき間がないようにしておく。
(4)果樹園で発生が認められたら、下表のいずれかの薬剤を散布する。
 ・夜行性のため、夕方か早朝に散布するのが望ましい。
 ・合成ピレスロイド剤であるアグロスリン水和剤やMR.ジョーカー水和剤は、天敵類の密度を下げハダニ類などの発生を促進するおそれがあるので、使用回数をできるだけ抑える。
対象作物 薬  剤  名 希釈倍率 適正使用基準
な し



 
ベストガード水溶剤   1000倍 収穫14日前まで/3回以内(蚕)
MR.ジョーカー水和剤   2000倍 収穫14日前まで/2回以内(蚕)
アグロスリン水和剤
 
1000〜2000倍
 
収穫前日まで/3回以内
(劇・魚・蚕)
スミチオン水和剤40 800〜1000倍 収穫21日前まで/6回以内
りんご
 
MR.ジョーカー水和剤   2000倍 収穫14日前まで/2回以内(蚕)
スミチオン水和剤40 800〜1000倍 収穫30日前まで/3回以内
(蚕)の薬剤は、桑にかからないように特に注意する。
 
 
 島島島島棟レしくは、農業環境指導センターまでお問い合わせください島島島島
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