植物防疫ニュース            栃木県農業環境指導センター
   栃木県病害虫発生予察予報
              平成15年度第8号(平成15年11月26日発表)

                        予想期間:11月下旬〜12月下旬
 予報の根拠で、(+)は増加要因、(−)は減少要因を表す。

1 いちご うどんこ病
  (1)発生予想   発生量:やや多い
  (2)根  拠  ・現在の発生はやや多い。(+)
          ・今後の気象予報は感染にやや適している。(±)
(3)対  策  ・ハウス内が多湿にならないように、換気やかん水に注意し通風をよく
         する。
        ・薬剤による防除は予防を基本とし、モレスタン水和剤、フルピカフロ
         アブル、サンヨールなどをていねいに散布する。
        ・発生の見られる場合はEBI剤、ポリオキシンAL水溶剤などを、葉
         裏にも薬剤がよくかかるように散布する。
        ・くん煙剤の使用も効果的である。

2 いちご ハダニ類
 (1)発生予想   発生量:やや多い
  (2)根  拠  ・現在の発生はやや多い。(+)
         ・今後の気象予報は気温が高く(+)、降水量は平年並〜多い(−)。
(3)対  策   ・保温開始時に下葉を除去する。また、第1果房収穫終了後に下葉除去
           を行う場合には、薬剤散布後に行う。
         ・発生が見られる場合は、コロマイト水和剤、ニッソラン水和剤、ピラ
         ニカEWなどをローテーション散布する。
        ・ハダニの発生した場所へのスポット散布でも効果的である。
        ・第1果房収穫末期まではハダニの密度が1小葉当たり1頭以下になる
         ように防除する。
 (4)備  考  ・薬剤散布に当たっては、ミツバチの安全日数を十分考慮する(他の病
         害虫も同様)。

3 いちご アブラムシ類
 (1)発生予想  発生量:平年並
 (2)根  拠  ・現在の発生は平年並。(±)
        ・今後の気象予報は気温が高く(+)、降水量は平年並〜多い(−)。
 (3)対  策  ・発生がみられたら、系統の異なる薬剤を葉裏によくかかるようにロー
         テーション散布する。

 トマト 葉かび病 
 (1)発生予想  発生量:平年並
 (2)根  拠  ・現在の発生は平年並(±)。
        ・今後の気象予報は感染にやや適している。(+)
 (3)対  策  ・過度のかん水を避け、高温多湿にならないよう換気を十分行う。
        ・薬剤による防除は予防を基本とし、サンヨール、ベルクートフロアブ
         ルなどを散布する。

5 施設野菜共通 オンシツコナジラミ    
 (1)発生予想  発生量:やや多い
 (2)根  拠  ・現在の発生はいちごではやや多く(+)、トマトでは平年並。(±) 
        ・今後の気象予報は気温が高く(+)、降水量は平年並〜多い(−)。
 (3)対  策  ・発生が見られたら、いちごではモスピラン水溶剤を、トマトではモス
         ピラン水溶剤、サンマイトフロアブルなどを散布する。
        ・トマトでラノーテープを使用するときは、発生初期から設置するなど
         基本事項を遵守する。
        ・ハウス内への鉢物などの持込みに注意し、室内の雑草防除を徹底する。

その他の病害虫
               発生予想         注意点
  ○麦類縞萎縮病    発生量:やや多い    必ず排水対策を実施する。
○ニラ白斑葉枯病   発生量:平年並     施設内の低温に注意する。
  ○きく白さび病    発生量:やや多い    施設内の多湿に注意する。
  ○施設野菜・花き共通  
   ハモグリバエ類   発生量:平年並     施設内外の雑草、不要作物を除去する。

 ☆ヒメトビウンカ・ツマグロヨコバイ越冬前密度調査結果について
ヒメトビウンカはイネ縞葉枯病を、ツマグロヨコバイはイネ黄萎病を媒介する害虫です。11月中旬に実施した調査によると、ヒメトビウンカについては平年に比べ、低い密度となっていました。また、ツマグロヨコバイも平年に比べ、やや低い密度でした。
  ヒメトビウンカ ツマグロヨコバイ
    幼虫    成虫  合計 幼虫 成虫 合計
県北平均   4.5     0.0     4.5   59.1   3.6   62.7
  (0.3)  (16.5) (16.7)  (6.6) (100.6) (107.1)
県中平均   4.3     1.1     5 .4   72.8   4.5   77.3
  (0.4) (37.8) (38.2) (12.5) (101.0) (113.5)
県南平均  10.5   4.2     14.7  262.8   30.0   292.8
  (0.3) (93.1) (93.4) (16.7) (349.3) (366.0)
県 平 均   6.1     1.7     7.8  121.8   11.3   133.1
   (0.3) (46.9) (47.2) (12.1) (166.9) (179.0)
  
    ※( )内の数値は平年値(H5〜14の平均値) 
      単位は「頭/10u」(11月18・19日調査)
 
 

○農薬は適正に使用しましょう!
下記のホームページから農薬の登録内容を検索することができます。
http://www.jppn.ne.jp/nouyaku/
 
 
関東甲信地方1ヶ月気象予報(気象庁11月21日発表)
 11月22日から12月21日
  低い(少ない)確率 平年並の確率 高い(多い)確率
○気  温 20% 30% 50%
○降 水 量 20% 40% 40%
○日照時間 40% 40% 20%

 
 
詳しくは農業環境指導センターにお問い合わせください。
Tel(028)626-3086  Fax(028)626-3012
http://www.jppn.ne.jp/tochigi/