栃木県農業環境指導センター
栃木県病害虫発生予察予報   平成15年度第9号
  (平成15年12月25日発表)

 
予想期間:12月下旬〜1月下旬

予報の根拠で、(+)は多発要因、(−)は少発要因を表す。

1  いちご 灰色かび病
(1)発生予想   発生量:やや多い
(2)根  拠  
 
現在の発生はやや多い。(+)
今後の気象予報が発生にやや適している(±) 
(3)対  策  




 
施設内が多湿にならないように換気やかん水に注意する。

 
特に雨や 雪の日は、暖房機を空運転するなどして、施設内の空気を循環させる。
発病した果実や茎葉は伝染源となるので早急に取り除き、ほ場外で処分する。

 
ユーパレン水和剤、セイビアーフロアブル20、ダイマジンなどをローテーション散布する。

2 いちご うどんこ病
(1)発生予想   発生量:平年並
(2)根  拠  
 
現在の発生は平年並。(±)
今後の気象予報は発生にやや適している。(±)
(3)対  策  





 
ハウス内が多湿にならないように、換気やかん水に注意し通風を良くする。

 
薬剤による防除は予防を基本とし、モレスタン水和剤、フルピカフロアブル、サンヨールなどをていねいに散布する。

 
発生の見られる場合はEBI剤、ポリオキシンAL水溶剤などを、葉裏にも薬剤がよくかかるように散布する。

 
くん煙剤の使用も効果的である。
 
3 いちご ハダニ類
(1)発生予想   発生量:やや多い
(2)根  拠  
 
現在の発生はやや多い。(+)
今後の気象予報は発生に適している。(+) 
(3)対  策 



 

 
発生が見られる場合はコロマイト水和剤、ニッソラン水和剤、ピラニカEWなどをローテーション散布する。
ハダニの発生した場所へのスポット散布でも効果的である。

 
第1果房収穫末期までは、ハダニの密度が1小葉当たり1頭以下になるように防除する。
(4)備  考 薬剤散布に当たっては、ミツバチの安全日数を考慮する(他の病害虫も同様)

4 いちご アブラムシ類
(1)発生予想   発生量:平年並
(2)根  拠    現在の発生はやや少ない。(−)
今後の気象予報は発生に適している。(+) 
(3)対  策  
 

 
発生がみられたら、系統の異なる薬剤を葉裏によくかかるようにローテーション散布する。

5 トマト 灰色かび病
(1)発生予想   発生量:やや多い
(2)根  拠  
 
現在の発生はやや多い。(+)
今後の気象予報は発生にやや適している。(±) 
(3)対  策  




 
施設内が多湿にならないように換気やかん水に注意する。

 
特に、雨や雪の日は、暖房機を空運転するなどして、施設内の空気を循環させる。
発病した果実や茎葉は伝染源となるので早急に取り除き、ほ場外で処分する。

 
フルピカフロアブル、ベルクートフロアブル、ハーモメイト水溶剤などをローテーション散布する。
(4)備  考
 

 
薬剤散布に当たっては、マルハナバチの安全日数を考慮する(他の病害虫も同様)。

6 にら 白斑葉枯病
(1)発生予想   発生量:やや少ない。
(2)根  拠  
 
現在の発生はやや少ない。(−)
今後の気象予報は発生にやや適している。(±)
(3)対  策  



 
ハウス内が低温にならないように管理する。 
発生した葉は除去しハウス外で処分する。


 
セイビアーフロアブル20を収穫7日前までに、または、アミスター20フロアブルを収穫14日前までに散布する。 
 
7 施設野菜共通 オンシツコナジラミ
(1)発生予想   発生量:やや多い
(2)根  拠  
 
いちごほ場、トマトほ場とも発生はやや多い。(+)
今後の気象予報が発生にやや適している。(±)
(3)対  策 



 

 
発生が見られたら、いちごではモスピラン水溶剤、チェス水和剤、トマトではモスピラン水溶剤、サンマイトフロアブルなどを散布する。


 
トマトでラノーテープを使用するときは、発生初期から設置するなど基本事項を遵守する。 
 
○その他の病害虫     発生予想
トマト ハモグリバエ類 発生量:やや多い
きく 白さび病 発生量:平年並

1ヶ月気象予報(気象庁12月19日発表)
12月20日から1月19日まで
  低い(少ない)確率 平年並の確率 高い(多い)確率
○気 温 20% 50% 30%
○降水量 40% 40% 20%
○日照時間 20% 30% 50%
 






 
あぜ道等枯れ草焼却について
 枯れ草焼却は、イネ縞葉枯病やイネ黄萎病などを媒介するヒメトビウンカ、ツマグロヨコバイの越冬幼虫防除が主目的となっていました。しかし、近年、県内全域でのこれら病害の発生は減り、また、その媒介虫の越冬密度も低く、限られた地域での発生になってきていますので、地域での発生実態を考慮した上で実施することが大切です。なお、ほぼ毎年、何らかの事故が発生しており、人的にも物的にも危険な作業ですので、実施に当たっては十分な安全対策を講じましょう。

○農薬は適正に使用しましょう!
下記のホームページから農薬の登録内容を検索することができます。
http://www.jppn.ne.jp/nouyaku/

病害虫に関して詳しく知りたい場合は、農業環境指導センターにお問い合わせください。
Tel(028)626-3086  Fax(028)626-3012
http://www.jppn.ne.jp/tochigi/