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      平成16年度 病害虫発生予報 第2号
                                             (平成16年5月26日)
                                        栃木県農業環境指導センター
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                                       予想期間:5月下旬〜6月下旬
 予報の根拠で、(+)は増加要因、(−)は減少要因を表す。
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1 水稲 いもち病(葉いもち)
 (1)発生予想  発生時期:平年並  発生量:平年並
 (2)根   拠 ・今後の気象予報は、気温は平年並〜高い(±)、降水量は平年並〜多い。
            (±〜+)
 (3)対   策 ・取り置き苗は発生源になりやすいので早急に処分する。
           ・常発地で、箱施用を実施していないほ場等は、本田初発の1週間頃前ま
            でに粒剤を散布する。(本県の平年初発時期は6月第4半旬)
            ・発生の見られた場合は早めにカスラブサイドブラシンなど予防・治療効
            果のある薬剤を散布する。
 (4)備   考 ・20℃前後で弱い連続降雨のあるとき感染の好適条件となるため、常発
           地では特に注意する。
           ・感染好適日の情報は6月から5日間隔を目安に、当センターホームペー
            に掲載します。
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2 水稲 イネミズゾウムシ
 (1)発生予想  発生量:やや多い
 (2)根    拠 ・5月第4半旬の本田調査はやや多い発生。(+)
           ・今後の気象予報は、気温は平年並〜高い(±〜+)、降水量は平年並〜
            多い。(±〜−)
 (3)対   策 ・箱施用を実施していないほ場等で、移植2週間後に成虫が20株当たり
       10頭以上
いた場合、トレボンシクロパックなどの粒剤やパック剤を
           水面施用する。
           ・土手や畦畔から侵入するため、畦畔から3m以内を重点的に防除する
           額縁散布も効果的である。
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3 水稲 ニカメイガ
 (1)発生予想  発生量:やや少ない
 (2)根   拠 ・越冬量はやや少なかった。(−)
           ・5月1〜4半旬の予察灯への誘殺はやや少なかった。(−)
           ・農業試験場内のフェロモントラップ調査では、過去2年より発生が多い。(+)
           ・今後の気象予報は、気温は平年並〜高い(±〜+)、降水量は平年並〜
            多い。(±〜−)
 (3)対   策 ・早植栽培では、発蛾最盛日7〜14日後に粒剤、又は同10〜14日後に
           乳剤か粉剤を散布する。(普通植栽培の散布時期は移植日後の日数)
 (4)備   考 ・箱施用剤の普及により県南部ではほとんど発生が見られなくなったが、
           県北中部の一部の地域で発生が目立つほ場がある。
           ・発蛾最盛日の平年月日  大田原:5月27日、宇都宮:6月14日、
                             小山:6月13日
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4 いちご(親株) 炭疽病
 (1)発生予想  発生量:平年並
 (2)根   拠 ・今後の気象予報では降水量は平年並〜多い。(±〜+)
 (3)対   策 ・降雨は発病を助長するので雨よけを行う。また、排水対策を徹底し、チュ
           ーブ潅水などにより強い潅水は避ける。
           ・発生を予防するため、キノンドーフロアブルベルクート水和剤などをてい
            ねいに散布する。
           ・バイオトラスト水和剤を使用する場合は、7〜10日間隔で散布する。
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5 露地野菜・果樹・花き アブラムシ類
 (1)発生予想  発生量:やや多い
 (2)根   拠 ・黄色水盤への誘殺数は平年並。(±)
           ・現在の果樹での発生量はやや多い。(+)
           ・今後の気象予報は、気温は平年並〜高い(±〜+)、降水量は平年並〜
            多い。(±〜−)
 (3)対    策 ・定植時に粒剤を施用する。(野菜・花き)
           ・抵抗性の出現を防ぐため、薬剤散布は系統を変えながら行う。
 (4)備    考 ・アブラムシ類はウイルス病の病原(CMVなど)を伝搬するので早めに防
           除することが重要である。(野菜・花き)
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6 なし 黒星病
 (1)発生予想  発生時期:平年並  発生量:やや少ない
 (2)根   拠 ・現在、少ない発生である。(−)
           ・今後の気象予報は、気温は平年並〜高い(±)、降水量は平年並〜多い。
            (±〜+)
 (3)対   策 ・罹病した葉や果実は伝染源となるので早急に除去し、園外で処分する。
           ・アントラコール顆粒水和剤サニパーなどを予防散布する。発生が見ら
           れる場合は、ラリー水和剤等のEBI剤で防除する。
           ・降雨が続くときは薬剤の散布間隔を短くする。
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7 りんご 斑点落葉病
 (1)発生予想  発生時期:平年並  発生量:やや少ない
 (2)根   拠 ・現在、少ない発生である。(−) 
           ・今後の気象予報は、気温は平年並〜高い(±)、降水量は平年並〜多い。
            (±〜+)
 (3)対   策 ・パルノックスフロアブルオーソサイド水和剤80ベルクートフロアブル
           どを散布する。
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8 果樹 カメムシ類
 (1)発生予想  発生量:平年並
 (2)根   拠 ・成虫の越冬量はやや少ない。(−)
           ・集合フェロモントラップの誘殺数は平年並。(±)
           ・今後の気象予報は、気温は平年並〜高い(±〜+)、降水量は平年並〜
            多い。(±〜−)
 (3)対   策 ・園内で発生を認めたら薬剤を散布する。
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9 その他の病害虫          発生予想
○水    稲   イネドロオイムシ  発生量:やや多い
○野菜・花き   アザミウマ類      発生量:やや多い
○野    菜   コナガ         発生量:やや多い
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─────── 関東甲信地方1ヶ月気象予報(気象庁5月21日発表) ────────
 5月22日から6月21日
  天気は平年に比べ曇りや雨の日が多いでしょう。
           低い(少ない)確率    平年並の確率    高い(多い)確率
 ○気   温      20%       40%      40%
 ○降 水 量      20%       40%      40%
 ○日照時間       40%       40%       20%
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