平成16年度  病害虫発生予報  第4号           
(平成16年7月28日)
栃木県農業環境指導センター

                           予想期間:7月下旬〜8月下旬
予報の根拠で、(+)は多発要因、(−)は少発要因を表す。

                 
1 水稲 いもち病(穂いもち)    (注意報第2号 平成16年7月7日発表)
(1)発生予想
 
発生量:やや多い
発生地域:全域
(2)根  拠  
7月20、21日の葉いもち調査では、発病株率が16.9%で、平年よりもやや多い発生となっている。特に、塩谷・河内地域等で発病株率が高い。(+)
一部のほ場では進展型病斑も見られるが、全体的には停滞型病斑が多く、発生部位は下位葉である。(±)
今後の気象予報は気温が平年並〜高く、降水量は平年並〜少ない。(−)
(3)対  策  穂ばらみ期と穂ぞろい期にブラシン、カスラブサイド等を散布する。
穂ぞろい後、降雨が続き、湿潤状態が長時間続いた場合には、枝梗いもちが多発する恐れがあるので、穂ぞろい7〜10日後にさらに1回薬剤防除を行う。
(4)備  考 無人ヘリコプターによる散布は、高濃度の薬剤を使用するので、危被害防止に十分留意する。

2 水稲 斑点米カメムシ類    (注意報第3号 平成16年7月16日発表)
(1)発生予想
 
発生量:多い
発生地域:中山間地域(上都賀、芳賀、塩谷、那須、南那須地域等)
(2)根  拠
 
重要種クモヘリカメムシ、ホソハリカメムシの7月中旬における牧草地及び雑草地での発生は多い。(+)

7月上旬の本田において、斑点米カメムシ類が確認された 。(+)
今後の気象予報が発生に適している。(+)
(3)対  策
穂ぞろい期、乳熟期の2回の防除が基本であるが、多発したほ場ではさらに糊熟期にも防除する。薬剤についてはスミチオン、スタークル等を散布する。
  
 
出穂の早いほ場では集中加害に注意する。また、晩生品種は8月下旬の乳熟期以降に新成虫の飛び込みも懸念されるので注意する。

3 水稲 紋枯病  
(1)発生予想 発生量:平年並
(2)根  拠  
 
現在、やや少ない発生である。(−)
今後の気象予報が発生にやや適している。(+)
(3)対  策 

 
7月末から8月初旬の発生株率が20%以上のほ場では、穂ばらみ期から穂ぞろい期に、モンカット、バリダシン等を散布する。
昨年発病の多かったほ場では発生が多くなりやすいので注意する。

4 いちご(苗) 炭疽病
(1)発生予想 発生量:少ない
(2)根  拠   
 
7月中旬の親株での発生は少なかった。(−)
病原菌は25℃前後の多湿条件下を好むが、今後の気象予報は気温が平年並〜高く、降水量は平年並〜少ない。(−)
(3)対  策  

 
育苗は、雨よけやポットを用いる。また、排水対策を徹底するとともに、チューブかん水とし、強いかん水は避ける。
育苗期にキノンドー、ベルクート、バイオトラスト等をていねいに散布する。

5 野菜・大豆共通 ハスモンヨトウ
(1)発生予想 発生量:やや多い
(2)根   拠  
 
フェロモントラップへの誘殺数は平年並であった。(±)
今後の気象予報が発生に適している(+)
(3)対  策
 
発生が見られたら薬剤を散布する。
異なる系統の薬剤をローテーション散布する。
(4)備  考 さといもでの発生に注意し、他の作物への拡散を防止する。 

6 野菜 ハダニ類
(1)発生予想   発生量:やや多い
(2)根   拠  
 
現在、やや多い発生である。(+)
今後の気象予報が発生に適している。(+)
(3)対  策  

 
発生が見られたら薬剤を散布する。
・  薬剤散布に当たっては系統を変えてローテーション散布し、薬剤感受性の低下を防ぐよう留意する。

7 果樹 カメムシ類    (速報第4号 平成16年7月15日発表)
(1)発生予想   発生量:平年並
(2)根   拠  

 
・  最近の越冬世代成虫の予察灯への飛来数は少なく、フェロモントラップへの飛来数も全般にやや少ない。(−)
今後の気象予報が発生に適している。(+)
(3)対  策  ・  多目的防災網は、網目が4mm以下のものを使用し、すき間がないようにする。
園内で発生(飛び込み)を認めたら、スミチオン、MR.ジョーカー等を散布する。
有袋栽培でも加害するので注意する。

8 野菜花き共通 アザミウマ類
(1)発生予想   発生量:やや多い
(2)根  拠  


 
現在、ほ場での発生は、平年並である。(±)
・  青色粘着トラップへのアザミウマ類の誘殺数は、宇都宮市、真岡市ともに平年並。(±)
今後の気象予報が発生に適している。(+)
(3)対  策 


雑草防除や残さの処分を行う。
発生が見られたら薬剤を散布する。なお、薬剤散布に当たっては、系統を変えてローテーション散布する。
・  なすでは、天敵温存のために、ほ場周囲のバンカープラント(ソルゴーなど)には薬剤を散布しない。

○その他の病害虫     発生予想
・水稲   稲こうじ病 発生量:平年並
・大豆   子実吸汁性カメムシ類 発生量:平年並
・いちご  うどんこ病  発生量:やや少ない
・ね ぎ  黒斑病 発生量:やや少ない
・野菜共通 コナガ 発生量:やや少ない
・野菜・花き共通 アブラムシ類 発生量:やや多い

  6月1日から8月31日まで平成16年度栃木県農薬危害防止運動を実施しています。
  農薬は適正に使用し、確実に管理しましょう。

  下記のホームページから農薬の登録内容を検索することが出来ます。

関東甲信地方1ヶ月気象予報(気象庁7月23日発表)
7月24日から8月23日
天気は平年に比べ晴れる日が多いでしょう。平均気温は平年並か高いでしょう。降水量は平年並か少なく、日照時間は平年並か多いでしょう。
  低い(少ない)確率 平年並の確率 高い(多い)確率
○気 温 20% 40% 40%
○降水量
○日照時間
40%
20%
40%
40%
20%
40%

詳しく知りたい場合は、農業環境指導センターにお問い合わせください。
Tel(028)626-3086  Fax(028)626-3012
http://www.jppn.ne.jp/tochigi/