平成16年度 病害虫発生予報 第5号
                           (平成16年8月27日)
                           栃木県農業環境指導センター

                          予想期間:8月下旬〜9月下旬
 予報の根拠で、(+)は増加要因、(−)は減少要因を表す。

水稲 いもち病(穂いもち) 普通植栽培                  
 (1) 発生予想 発生量やや少ない
 (2) 根  拠 ・現在、普通植での葉いもちの発生はやや少ない。(−)
    ・今後の気象予報は、気温は平年並か低く、降水量は平年並である。(±)
 (3) 対  策 ・穂ばらみ期〜穂ぞろい期に薬剤防除を行う。なお、現在稲の生育が進んでいることから、散布時期を逃さないように注意する。
   
・葉いもちの発生が多いほ場では、予防効果と治療効果の高いブラシン、 カスラブサイドなどを散布する。葉いもちの発生が少ないほ場では、予防効果の高いラブサイド、ビームなどを散布する。
・穂いもちは発生してからでは手遅れになるので、予防的な防除が重要である。

大豆 カメムシ類
 (1) 発生予想 発生量:やや多い
 (2) 根  拠 ・現在の発生はやや多い。(+)
・今後の気象予報は、気温は平年並か低く、降水量は平年並である。(±)
 (3) 対  策 ・子実肥大期に薬剤による防除を行う。
・カメムシ類は連続して発生するので、発生が見られる場合には、9月中旬まで2回程度の防除を行う。
   

大豆・野菜共通  ハスモンヨトウ
 (1) 発生予想 発生量:多い
 (2) 根  拠 ・フェロモントラップへの誘殺数は多い。(+)
    ・今後の気象予報は、気温は平年並か低く、降水量は平年並であり、発生にやや適しているる。(+)
 (3)  対  策  ・早期発見、早期防除に努める。
・幼虫が集団でいるうちに、寄生葉を摘み取り処分する。
・発生を認めたら、葉裏や株元に届くようにていねいに薬剤を散布する。
・薬剤抵抗性の発現を防止するため、系統の異なる薬剤をローテーション散布する。
・雑草にも生息するので、ほ場周辺の草刈を行う。   

いちご 炭疽病
 (1) 発生予想 発生量:平年並
 (2) 根  拠 ・現在の発生は平年並。(±)
    ・今後の気象予報は、気温は平年並か低く、降水量は平年並である。(±)
 (3) 対  策 ・育苗期にキノンドー、ベルクートなどをていねいに散布する。
  ・被害株は見つけ次第取り除き肥料袋等に詰め、口を閉じて日当りの良 い野外に置いてから処分する。
・健全な苗を定植するようにし、発病の疑わしい苗は使用しない。
・チューブかん水などを行うとともに、排水対策を徹底する。
   

あぶらな科野菜 コナガ
 (1) 発生予想 発生量:平年並
 (2) 根  拠 ・県中部のフェロモントラップへの誘殺数は平年並。(±)
・今後の気象予報は、気温は平年並か低く、降水量は平年並である。(±)
 (3) 対  策 ・定植時に粒剤を施用し発生を防ぐ。
・発生初期に薬剤を散布する。
・数回散布するときは系統を変えてローテーション散布し、薬剤抵抗性の発現を防ぐよう留意する。

野菜共通 アブラムシ類
 (1) 発生予想 発生量:平年並
 (2) 根  拠 ・黄色水盤への有翅虫の飛来数は平年並。(±)
・各作物での発生は全般に少ない(−)が、いちご苗の一部ほ場で、多発生が見られた。(+)
・今後の気象予報は、気温は平年並か低く、降水量は平年並である。(±)
 (3) 対  策 ・定植時に粒剤を施用し発生を防ぐ。
・発生初期に薬剤を散布する。
・施設栽培では、本ぽに持ち込まないように、定植前に防除をていねいに行う。
 (4) 備  考 ・モザイク病を媒介するので、初期発生に注意し防除を徹底する。

その他の病害虫(野菜類)
     ・
   ・
   ・
ハモグリバエ類
アザミウマ類
軟腐病
  発生予想:やや多
  発生予想:やや多
  発生予想:平年並


 

○ なしは収穫後に、黒星病、ハダニ類やシンクイムシ類の防除を行い、次年度に持ち越さない  ようにする。

  下記のホームページから農薬の登録内容を検索することができます。

関東甲信地方1ヶ月気象予報(気象庁8月20日発表)
 8月21日から9月20日
  天気は数日の周期で変わるでしょう。向こう1か月の平均気温は平年並か低いでしょう。
 降水量と日照時間は平年並でしょう。
  低い(少ない)確率  平年並の確率  高い(多い)確率
○気 温     40%    40%     20%
○降水量    30%    40%     30%
○日照時間      30%    40%     30%
       

詳しくは農業環境指導センターにお問い合わせください。
Tel(028)626-3086  Fax(028)626-3012
http://www.jppn.ne.jp/tochigi/