平成16年度 病害虫発生予報 第6号
                        (平成16年9月29日発表)
                         栃木県農業環境指導センター

                          予想期間:9月下旬〜10月下旬
 予報の根拠で、(+)は増加要因、(−)は減少要因を表す。

1 野菜類 ハスモンヨトウ       (速報No.5  8月10日発表)
                              (注意報第4号 8月27日発表)
                                (速報No.6  9月22日発表)
(1)発生予想  発生量:多い
(2)根  拠 ・ フェロモントラップへの誘殺数は多い。(+)
  ・ 現在、野菜類の発生はやや多い。(+)
  ・ 今後の気象予報は、気温は高い(+)、降水量は平年並〜多い。(−)
(3)対  策 ・ 早期発見、早期防除に努める。
  ・ 幼虫が集団でいるうちに、寄生葉を摘み取り処分する。


 
・ 発生を認めたら、葉裏や株元に届くようにていねいに薬剤を散布する。
・ 薬剤の散布に当たっては、収穫前日数、ミツバチへの影響日数等に注意する。

 
・ 薬剤抵抗性の発現を防止するため、系統の異なる薬剤を使用し、ロー テーション散布を行う。

 
・ 施設栽培では、ハウスの開口部に寒冷紗を張り、外部からの侵入を防 ぐ。
  ・ 雑草にも生息するので、ほ場周辺の草刈などを行う。

2 いちご うどんこ病
(1)発生予想  発生量:平年並
(2)根  拠 ・ 現在の発生は少ない。(−)
  ・ 今後の気象予報は感染に適している。(+)
(3)対  策
 
・ ハウス内が多湿にならないように換気やかん水に注意し、通風をよくする。


 
・ 薬剤による防除は予防を基本とし、モレスタン水和剤、フルピカフロアブル、サンヨール、ベルクート水和剤、ストロビーフロアブルなどをていねいに散布する。

 
・ 発生の見られる場合は、EBI剤、ポリオキシンAL水溶剤などを、葉裏にも薬剤が良くかかるように散布する。

3 いちご ハダニ類
(1)発生予想  発生量:やや多い
(2)根  拠 ・ 現在の発生はやや多い。(+)
  ・ 今後の気象予報は発生にやや適している。(+)
(3)対  策 ・ 保温開始時に下葉を除去する。



 
・ 発生が見られる場合は、ニッソラン水和剤、ピラニカEW、コロマイト水和剤などをローテーション散布する。
・ 発生初期の場合は、寄生している部分のみの薬剤散布でもよい。
 

4 野菜類 軟腐病
(1)発生予想  発生量:平年並
(2)根  拠
 
・ 現在の発生は少ない。(−)
・ 今後の気象予報は感染に適している。(+)
(3)対  策 ・ 被害株は早期に抜き取りほ場外で処分する。


 
・ 薬剤による防除は予防を基本とする。
・ 発生の見られる場合は、初期段階での薬剤防除を心掛ける。

5 野菜類 アブラムシ類
(1)発生予想  発生量:やや多い
(2)根  拠

 
・ 各作物での発生は平年並。(±)
・ 黄色水盤への有翅虫の飛来数は平年並。(±)
・ 今後の気象予報が発生にやや適している。(+)
(3)対  策 ・ 定植時に粒剤を施用し発生を防ぐ。
・ 発生初期に薬剤を散布する。



 
・ 施設栽培では、本ぽに持ち込まないように、定植前に防除をていねいに行う。
・ ほ場周辺の草刈を行う。
(4)備  考
 
・ モザイク病を媒介するので、初期発生に注意し防除を徹底する。  

6 その他の病害虫   発生予想  
・ いちご 炭疽病  発生量:やや少ない 被害株は取り除き処分する。
・ ね ぎ さび病、黒斑病  発生量:やや多い  
・ き く アザミウマ類  発生量:やや多い  

○稲黄萎病、縞葉枯病について
  再生稲での発生は次年度の伝染源になるので、早急に秋耕を行う。

○麦類縞萎縮病について
 ・排水対策を行う。なお、早播きしすぎると発生しやすいので、適期播種を心掛ける。
 ・前作で被害が大きかったほ場では、連作を避ける。または、抵抗性品種を導入するなどの対策を行う。

○なし黒星病について
  本年は全般に平年並の発生であったが、病原菌は芽や落葉で越冬し、翌年の発生源となるので、収穫終了直後に薬剤散布を行う。

  下記のホームページから農薬の登録内容を検索することができます。

 
関東甲信地方1ヶ月気象予報(気象庁9月24日発表)
 9月25日から10月24日
  天気は数日の周期で変わるでしょう。
  向こう1か月の平均気温は高いでしょう。降水量は平年並か多いでしょう。日照時間は平年並でしょう。
  低い(少ない)確率 平年並の確率 高い(多い)確率       
 ○気 温    20%   30%    50%  
 ○降水量    20%   40%    40%  
 ○日照時間     30%   40%    30%       

 詳しくは農業環境指導センターにお問い合わせください。
           Tel(028)626-3086  Fax(028)626-3012
             http://www.jppn.ne.jp/tochigi/