植物防疫ニュース(速報 No.1)                          平成17年4月11日
                            栃木県農業環境指導センター
 麦類赤かび病防除を徹底しましょう
 赤かび病菌は、人畜に有害なデオキシニバレノール(DON)等のかび毒を生成するため、また、農産物規格規程では、食用麦の赤かび粒の混入限度が0.0%以下となっていることから、予防的な防除を行うことが重要です。
 赤かび病は、開花期〜乳熟期に高温で湿潤条件が続くと発生が多くなります。今後の天候に注意して、確実に適期の防除を行いましょう。

麦の生育
 麦類の生育は、現在までのところは種期の違いによりばらつきがありました。今後、出穂期は、茎立期以降の積算温度で予想すると、3月中は低温に推移しましたが、4月第2半旬から高温が続いたため、出穂期はほ場により差があるものの、全般に平年並になると予想されます。
 
防除対策
赤かび病の発生を防ぐには、予防的防除を基本として、下記の薬剤を参考に散布する。
赤かび病菌は開花期〜乳熟期が感染しやいので、この時期に防除を徹底する。二条大麦では穂揃期(全茎の8〜9割が出穂した時期)、小麦・六条大麦では開花期の防除効果が高い。

 
穂揃期以降も降雨が続き、多発生が予想される場合は、7〜10日後に2回目の薬剤散布を行う。
六条大麦や追肥をした小麦(タマイズミ等)は、赤かび病に罹病しやすいため、特に防除を徹底する。
 表1 赤かび病の主な防除薬剤









 
 薬  剤  名 希釈倍率  収穫前日数/使用回数
トップジンM水和剤
トリフミン水和剤
ストロビーフロアブル
石灰硫黄合剤
チルト乳剤25(小麦) 
ベルクート水和剤(小麦)
1,000〜1,500倍
1,000〜2,000倍
2,000〜3,000倍
  ※50〜 60倍
1,000〜2,000倍
1,000〜2,000倍
 14日前/3回
 14日前/3回
 14日前/3回
   −/ 設定なし
  3日前/5回(春期以降は3回)
 21日前/5回(出穂期以降は2回)



 





 
薬剤の使用に当たっては、使用上の注意をよく読んで適正に使用する。
薬剤は有効成分の総使用回数にも制限があるので注意する。
薬剤耐性菌の出現防止のため、同一成分の連用は避けるようにする。
無人ヘリ散布ではトップジンMゾル、チルト乳剤25(小麦)が使用できる。

 
石灰硫黄合剤は製造会社によって、希釈倍率が異なる場合や赤かび病に登録のない場合があるため、容器の表示(ラベル)で確認する。
詳しくは、農業環境指導センターまでお問い合わせください。
п@028−626−3086
http://www.jppn.ne.jp/tochigi/