平成17年度 病害虫発生予報 第3号
                             平成17年6月24日
                          栃木県農業環境指導センター

                         予想期間:6月下旬〜7月下旬
予報の根拠で、(+)は多発要因、(−)は少発要因を表す。

1 水稲 いもち病(葉いもち)
(1)発生予想 発生量:平年並
(2)根 拠 ・取置き苗での発生はやや少なかった。(−)
       ・本田初発は6月第5半旬と平年並〜やや遅かった。(±)
       ・現在の発生量はやや少ない。(−)
       ・BLASTAMによる感染好適日の出現はやや多い。(+)
       ・今後の気象予報では、平年と同様に曇りや雨の日が多い。(+)
(3)対 策 ・取置き苗は発生源になりやすいので、早急に処分する。
       ・常発地で箱施用または水面施用していない場合は、早急にオリブライト
        等即効性の粒剤を散布して予防する。
       ・発生が見られたら、予防及び治療効果のあるブラシンカスラブサイド
        等を散布する。
(4)備 考 ・20℃前後で連続して弱い降雨があるときは感染好適条件となるため、
        常発地では特に注意する。
       ・無人ヘリコプターによる散布は、周辺環境等に十分に配慮する。
       ・感染好適日の情報は、当センターホームページで掲載中です。

2 いちご(親株)炭疽病
(1)発生予想 発生量:少ない
(2)根 拠 ・現在の発生量は少ない。(−)
       ・気象予報では、気温、降水量共に平年並である。(±)
(3)対 策 ・降雨は発病を助長するので雨よけを行う。また、排水対策も行う。
       ・ポットや隔離ベンチを使用する。
       ・強いかん水は発病を助長するので、点滴チューブかん水を行う。
       ・育苗期にキノンドーフロアブルベルクート水和剤バイオトラスト水
        和剤等をていねいに散布する。

3 いちご(親株)うどんこ病
(1)発生予想 発生量:やや少ない
(2)根 拠 ・現在の発生はやや少ない。(−)
       ・気象予報では気温、降水量共に平年並である。(±)
(3)対 策 ・ポリオキシンAL水溶剤サンヨール等を散布し発生を予防する。
       ・発生の多いほ場ではラリー水和剤ルビゲン水和剤等のEBI剤を散布
        する。(EBI剤は耐性菌発生防止のため、一作2回以内の使用とする。)

4 トマト コナジラミ類
(1)発生予想 発生量:やや多い
(2)根 拠 ・現在の発生はやや多い。(+)
       ・気象予報では気温、降水量共に平年並である。(±)
(3)対 策 ・ほ場周辺の除草を徹底する。
       ・黄色粘着トラップを設置して、コナジラミ類の早期発見に努める。
       ・発生が見られたらアドマイヤー顆粒水和剤ダントツ水溶剤等を散布す
        る。

5 露地野菜・花き アブラムシ類
(1)発生予想 発生量:多い
(2)根 拠 ・現在の発生は多い。(+)
       ・気象予報では気温、降水量共に平年並である。(±)
(3)対 策 ・発生が見られたら薬剤を散布する。(なす:モスピラン水溶剤等、ねぎ
        :ジメトエート乳剤等、きく:ダントツ水溶剤等)
       ・アブラムシ類はウイルス病の病原(CMV等)を伝搬するので、早めに
        防除することが重要である。

6 なし 黒星病
(1)発生予想 発生量:平年並
(2)根 拠 ・現在の発生は平年並である。(±)
       ・気象予報では気温、降水量共に平年並である。(±)
(3)対 策 ・罹病した果実や葉は伝染源となるので早急に除去し、園外で処分する。
       ・キノンドーフロアブルサニパーなどを予防散布する。
       ・発生が見られたときは、ラリー水和剤等のEBI剤を散布する。(EB
        I剤は耐性菌発生防止のため、一作2回以内の使用とする。)
       ・幸水は果実肥大後期の7月上旬から、黒星病にかかりやすい時期となる
        ので注意する。

7 りんご 斑点落葉病
(1)発生予想 発生量:やや少ない
(2)根 拠 ・現在の発生量はやや少ない。(−)
       ・気象予報では気温、降水量共に平年並である。(±)
(3)対 策 ・パルノックスフロアブルオーソサイド水和剤80ベルクートフロア
        ブル等を予防散布する。

○その他の病害虫
 水  稲    縞葉枯病  :少ない
 夏秋トマト   葉かび病  :平年並
 あぶらな科野菜 コナガ   :やや少ない
 野菜類     アザミウマ類:やや多い
 きく      アザミウマ類:平年並
 なし・りんご  カメムシ類 :少ない

○水稲紋枯病の防除について
  梅雨明け後、気温が高くなると発生しやすいので注意しましょう。特に、昨年発生し
 たほ場は、今年も発生する可能性が高いのでモンカット粒剤リンバー粒剤等を出穂前
 の適期に散布しましょう。

 栃木県では6月1日から8月31日まで農薬危害防止運動を実施しています。農薬は適正に使用し、かぎのかかる保管庫で管理しましょう。

*******関東甲信地方1ヶ月気象予報(気象庁6月17日発表)********
6月18日から7月17日
 天気は平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。
       低い(少ない)確率  平年並の確率  高い(多い)確率
○気 温      20%       50%      30%
○降水量      30%       40%      30%
○日照時間     30%       40%      30%

    詳しくは農業環境指導センターにお問い合わせください。
    Tel(028)626−3086 Fax(028)626−3012
        ホームページ http://www.jppn.ne.jp/tochigi/
          

「平成17年度病害虫雑草防除の手引き」のお求めは、(社)栃木県植物防疫協会まで
            Tel(028)683−5533