平成17年度  病害虫発生予報  第4号           
(平成17年7月29日)
栃木県農業環境指導センター

                              予想期間:7月下旬〜8月下旬
予報の根拠で、(+)は多発要因、(−)は少発要因を表す。

1 水稲 いもち病(穂いもち)    (速報第3号 平成17年7月22日発表)

(1)発生予想
(2)根  拠  




(3)対  策 








発生量:やや多い
7月19〜21日の葉いもち調査では、発病ほ場率が65.4%で、平年よりも多く、発生株率は7.7%と平年より少ない発生となっている。特に、ほ場によって発生の差が大きく、箱処理剤など予防剤を散布していないほ場では、発生株率の高いところが各地で見られる。(±〜+)
今後の気象予報は気温、降水量ともに平年並。(±)




 
穂ばらみ期から穂ぞろい期にかけてカスラブサイド、ノンブラス、ブラシン等を散布する。なお、イネの生育は平年に比べ3〜5日程度早まっているので、散布時期を逃さないように注意する。
穂ぞろい期後、降雨が続き、湿潤状態が長時間続いた場合には、枝梗いもちが多発する恐れがあるで、穂ぞろい期後7〜10日にさらに1回薬剤防除を行う。

2 水稲 斑点米カメムシ類    (速報第2号 平成17年7月15日発表)

(1)発生予想
(2)根  拠
 

発生量:平年並

 
重要種クモヘリカメムシ、ホソハリカメムシの7月中旬における牧草地及び雑草地での発生は平年並。(±)
  
(3)対  策
今後の気象予報は気温、降水量ともに平年並。(±)
中山間地などの例年発生の多い地域では、穂ぞろい期と乳熟期の2回の防除が基本であるが、発生が目立つほ場では、さらに糊熟期にも防除する。薬剤についてはスミチオン、スタークル等を散布する。
  
 
出穂の早いほ場では集中加害を受けやすい。また、晩生品種は8月下旬の乳熟期以降に新成虫の飛び込みも懸念されるので、基本防除を徹底する。

3 水稲 紋枯病  

(1)発生予想

発生量:平年並
(2)根  拠  

(3)対  策 

 

現在の発生は、平年並である。(±)
今後の気象予報は気温、降水量ともに平年並。(±)
7月末から8月初旬の発生株率が20%以上のほ場では、減収被害が大きくなるため、穂ばらみ期から穂ぞろい期に、モンカット、バリダシン等を散布する。
昨年発病の多かったほ場では発生が多くなりやすいので防除する。

4 いちご(苗) 炭疽病

(1)発生予想

発生量:少ない
(2)根  拠   
 
7月中旬の親株での発生は少なかった。(−)
病原菌は25〜30℃の多湿条件下を好むが、今後の気象予報は気温、降水量ともに平年並。(±)
(3)対  策  
 
育苗は雨よけやポットを用いる。また、排水対策を徹底するとともに、チューブかん水とし、強いかん水は避ける。
育苗期にキノンドー、ベルクート、バイオトラスト等をていねいに散布する。

5 野菜・大豆 ハスモンヨトウ

(1)発生予想

発生量:平年並
(2)根   拠  

(3)対  策
 

フェロモントラップへの誘殺数は平年並であった。(±)
今後の気象予報は気温、降水量ともに平年並。(±)
早期発見に努め、幼虫が集団でいるうちに寄生葉を摘み取り処分する。
発生が見られたら各作物に登録のある薬剤を散布する。
異なる系統の薬剤をローテーション散布する。

6 野菜 ハダニ類

(1)発生予想
 
発生量:やや多い
(2)根   拠  
 
現在、「なす」で多く、「いちご」でやや多い発生である。(+)
今後の気象予報は気温、降水量ともに平年並。(±)
(3)対  策  

 
発生が見られたら各作物に登録のある薬剤を散布する。

 
薬剤散布に当たっては系統を替えてローテーション散布し、薬剤感受性の低下を防ぐよう留意する。

7 果樹 カメムシ類    

(1)発生予想
 
発生量:平年並
(2)根   拠  


カメムシの餌となるひのきの球果が平年より多い。(+)
最近の越冬世代成虫の予察灯への飛来数は少なく、フェロモントラップへの飛来数も全般にやや少ない。(−)
今後の気象予報は気温、降水量ともに平年並。(±)
(3)対  策 

 
 


多目的防災網は、網目が4mm以下のものを使用し、すき間がないようにする。園内で発生(飛び込み)を認めたら、スミチオン、MR.ジョーカー等を散布する。
有袋栽培でも加害するので注意する。
8 野菜花き アザミウマ類

(1)発生予想
 
発生量:やや多い
(2)根  拠  
 
現在の発生は、全般に平年並であるが、「なす」では発生が多い。(±〜+)
今後の気象予報は気温、降水量ともに平年並。(±)
(3)対  策 



 
ほ場周辺の除草や作物残さの処分を行う。



 
発生が見られたら各作物に登録のある薬剤を散布する。なお、薬剤散布に当たっては、系統を替えてローテーション散布する。
「なす」では、ハナカメムシ類など土着天敵温存のために、ほ場周囲のバンカープラント(ソルゴーなど)の設置が有効である。
(4)備  考
 
青色粘着トラップへのアザミウマ類の誘殺数は、宇都宮市は少なく、真岡市ではやや多い。
 
○その他の病害虫    発生予想
・水稲   稲こうじ病  発生量:やや多い
・水稲   ニカメイガ(第2回成虫)  発生量:平年並 
・大豆   子実吸汁性カメムシ類  発生量:やや少ない
・トマト   灰色かび病  発生量:やや多い
・野菜共通 コナジラミ類
・野菜共通 コナガ
 発生量:やや多い
 発生量:平年並
・野菜共通 オオタバコガ
・野菜・花き アブラムシ類
 発生量:平年並
 発生量:やや少ない

  6月1日から8月31日まで平成17年度栃木県農薬危害防止運動を実施しています。
  農薬は適正に使用し、確実に管理しましょう。

  下記のホームページから農薬の登録内容を検索することが出来ます。

関東甲信地方1ヶ月気象予報(気象庁7月22日発表)
7月23日から8月22日



 
 
 
 天気は平年と同様に晴れの日が多いでしょう。平均気温は平年並でしょう。降水量は平年並でしょう。日照時間は平年並でしょう。
  低い(少ない)確率 平年並の確率 高い(多い)確率
○気 温 20% 50% 30%
○降水量
○日照時間
30%
30%
40%
40%
30%
30%

詳しくは、農業環境指導センターにお問い合わせください。
Tel(028)626-3086  Fax(028)626-3012
http://www.jppn.ne.jp/tochigi/