平成17年度  病害虫発生予報  第5号           
(平成17年8月26日)
栃木県農業環境指導センター

                             予想期間:8月下旬〜9月下旬
予報の根拠で、(+)は多発要因、(−)は少発要因を表す。

1 
水稲 いもち病(穂いもち)普通植栽培

(1)発生予想

発生量:やや多い
(2)根  拠  
現在の葉いもち発生状況はやや多い。(+)
今後の気象予報では気温は高く、発生にやや不適。(±〜−)
(3)対  策 




時期を逃さないように穂ばらみ期〜穂ぞろい期にかけてカスラブサイド、ノンブラス、ブラシン等を散布する。
穂ぞろい期後、降雨が続き、湿潤状態が長時間続いた場合には、枝梗いもちが
多発する恐れがあるで、穂ぞろい期後7〜10日頃にさらに1回薬剤散布を行う。
(4)備  考 穂いもちは発生してからでは手遅れになるので、予防的な防除が重要。
 

2 大豆 カメムシ類

(1)発生予想

発生量:平年並
(2)根  拠  
現在の発生量はやや少ない。(−)
今後の気象予報では気温は高く、成育に適している。(+)
(3)対  策


 
カメムシ類は防除しても新たにほ場に侵入してくるため、害虫の発生を観察しながら薬剤散布を行う。
落花直後から10〜14日おきに3〜5回トレボン、バイジット、スミチオン等の薬剤
いずれかを莢によくかかるように散布する。
(4)備  考 マメシンクイガ、シロイチモンジマダラメイガ、フタスジヒメハムシ等の品質低下の
原因となる子実害虫を発生実態に基づいて適切な防除を行う。
 

3 大豆・いちご・野菜類 ハスモンヨトウ
  
(1)発生予想 発生量:やや多い
(2)根  拠  

現在の発生量は巡回調査、フェロモントラップ、病害虫防除員による発生状況調査共に平年並。(±)
今後の気象予報では気温は高く、成育に適している。(+)
(3)対  策 





ハスモンヨトウの幼虫は齢期が高くなるほど薬剤が効きにくくなり、また
分散してしまうので早期発見、早期防除に努める。
施設栽培の場合には、施設開口部に寒冷紗等で被覆し飛び込みを防ぐ。
卵塊や分散前の幼虫は寄生葉とともに摘除し土中に埋める。
在来天敵による抑制効果が高いので、選択性の高い薬剤の散布が望ましい。
薬剤抵抗性の発現を防止するため、系統の異なる薬剤をローテーション散布する。
雑草にも生息するので、ほ場周辺の除草を行う。
 

4 
いちご・トマト・野菜類 コナジラミ類
(1)発生予想 発生量:やや多い
(2)根  拠
 

現在の発生量はやや多い〜多い。(+)
今後の気象予報では気温は高く、成育にやや不適。(±〜−)
(3)対  策



施設栽培では育苗期に防除を徹底し本ぽに持ち込まない
トマトでは定植時に粒剤を施用する。
発生が見られたら、系統の異なる薬剤をローテーション散布する。
雑草にも生息するので施設周辺の除草を行う。
 

5 
いちご・トマト・野菜類 ハダニ類

(1)発生予想

発生量:多い
(2)根   拠  
現在の発生量は多い。(+)
今後の気象予報では気温は高く、成育にやや適している。(+〜±)
(3)対  策 



施設栽培では育苗期に防除を徹底し本ぽに持ち込まない
発生が見られたら各作物に登録のある薬剤を葉裏によくかかるように
散布する。
系統の異なる薬剤をローテーション散布する。
(4)備  考 施設害虫は早期発見、早期防除が防除の基本。ハダニ類は特に小さいので
注意が必要。
 

6 いちご・トマト・野菜類
 アブラムシ類

(1)発生予想

発生量:平年並
(2)根   拠  

現在、各作物の発生は全般に少ない。いちご苗の一部ほ場で多発生が見られる。(±)
今後の気象予報は気温は高く、成育にやや不適。(±〜−)
(3)対  策 



施設栽培では育苗期に防除を徹底し本ぽに持ち込まない
定植時に粒剤を施用する。
発生が見られたら各作物に登録のある薬剤を散布する。
系統の異なる薬剤をローテーション散布する。
(4)備  考 モザイク病を媒介するので、初期発生に注意し防除を徹底する。

7 その他の病害虫
        
・水稲 紋枯病  発生予想:やや多い
・大豆 フタスジヒメハムシ  発生予想:やや多い
・トマト 灰色かび病  発生予想:やや多い
・トマト ハモグリバエ類  発生予想:平年並
・野菜類 オオタバコガ  発生予想:平年並
・野菜類・花き アザミウマ類  発生予想:やや少ない

 
○なしは収穫後に黒星病、ハダニ類やシンクイムシ類の防除を行う。特に今年度発生が多かったほ場では
必ず防除を行い、次年度の発生を抑えましょう
 

農薬を使用するときは、農林水産省登録のある農薬を使用基準を守り正しく使用しましょう。
下記のホームページから農薬の登録内容を検索することが出来ます。

関東甲信地方1ヶ月気象予報(気象庁8月19日発表)
 
8月20日から9月19日
 天気は平年と同様に晴れの日が多いでしょう。曇りや雨となる時期がある見込みです。向こう
1か月の平均気温は高いでしょう。降水量は平年並でしょう。日照時間は平年並でしょう。
低い(少ない)確率 平年並の確率 高い(多い)確率
○気 温
○降水量
○日照時間
20%
30%
30%
30%
40%
40%
50%
30%
30%


詳しくは、農業環境指導センターにお問い合わせください。
Tel(028)626-3086  Fax(028)626-3012
http://www.jppn.ne.jp/tochigi/