平成17年度 病害虫発生予報 第7号
                                                   平成17年10月28日
                                           栃木県農業環境指導センター

                                         予想期間:10月下旬〜11月下旬
予報の根拠で(+)は増加要因(−)は減少要因を表す。

1 いちご うどんこ病           
(1)発生予想 発生量:多い
(2)根   拠  ・現在の発生量は多い。(+)
          ・うどんこ病菌は比較的低温性の病原菌で、胞子の発芽適温は20℃前後である
           ので、今後発生に適してくる。(+)
(3)対   策 ・薬剤による防除は予防を基本とし、ハーモメイト水溶剤サンヨール、フ
       ルピカフロアブル
などによるローテーション散布を行う。
           ・発生が見られる場合はEBI剤、ストロビーフロアブルなどを、葉裏にも
           薬剤がよくかかるように散布する。
(4)備   考 ・耐性菌の出現を防止するため、EBI剤の使用は1作2回以内とする。

2 いちご ハダニ類
(1)発生予想 発生量:多い
(2)根   拠 ・現在の発生量はやや多い。(+)
          ・今後の気象予報は発生に適している。(+)
(3)対   策 ・ほ場をよく観察し早期発見に努める。
          ・新葉へのハダニの分散を防ぐため、保温開始時に下葉を除去する。        
          ・発生が見られる場合はコロマイト水和剤ニッソラン水和剤ダニト
      ンフロアブル
などをローテーション散布する。
(4)備   考 ・第一果房収穫末期までは、ハダニ類の移動は少ないため、発生箇所の部分散布
          も有効である。
         ・薬剤散布に当たっては、ミツバチに対する安全日数を考慮する(他の病害虫も
          同様)。    

3 いちご・施設野菜 ハスモンヨトウ
(1)発生予想 発生量:やや多い
(2)根  拠 ・現在いちごでの発生はやや少ないが、露地野菜での発生とフェロモントラップへの
          誘殺は平年並である。(±)
         ・今後の気象予報は発生にやや適している。(+)
(3)対  策 ・早期発見、早期防除に努める。
         ・幼虫が集団でいるうちに、寄生葉を摘み取り処分する。
         ・発生が見られたら、葉裏や株元に届くようにていねいに薬剤を散布する。
         ・薬剤抵抗性の発現を防止するため、系統の異なる薬剤をローテーション散布す
          る。
         ・施設開口部に寒冷紗やネットを張り、内部への侵入を防ぐ。
(4)備  考 ・施設周囲にハスモンヨトウが多発生したほ場があるときは、飛来が多くなるので必
         ず侵入防止策を講じる。

4 いちご・トマト オンシツコナジラミ
(1)発生予想 発生量:多い                   
(2)根   拠 ・現在の発生量はいちごではやや多、トマトでは多である。(+)
          ・今後の気象予報は発生に適している。(+)
(3)対   策 ・発生が見られたら、いちごではモスピラン水溶剤、チェス水和剤を、トマ
      トではアプロード水和剤、モスピラン水溶剤、サンマイトフロアブル

          などを散布する。
          ・観賞用作物をハウス内に持ち込まない。
          ・今後定植するトマトは粒剤を施用する。

5 麦類 縞萎縮病                      
(1)発生予想 発生量:やや多い
(2)根  拠 ・平成17年度産麦(3月時点)の発生は平年並であった。(±)
        ・今後の気象予報は発生にやや適している。(+)
(3)対  策 ・早播きしすぎると発生しやすいので、適期播種を心掛ける。
        ・昨年被害が多かったほ場では、連作を避ける。
        ・排水対策を行う。

6 なし 黒星病
(1)発生予想 越冬量:平年並
(2)根   拠 ・今年の発生はやや少ない〜平年並であった。(±)
(3)対   策 ・病原菌は芽や枝で越冬し、翌年の発生源となるので、収穫終了後に薬剤散布を
           必ず行う。

7 その他の病害虫
                     発生予想       注 意 点
・きゅうり べと病       やや多い    施設内が多湿にならないようにする。
・きゅうり うどんこ病   やや多い      同    上
・ねぎ   黒斑病       やや多い    発生初期から防除する。
・きく   ハダニ類      やや多い      同    上

※麦類種子伝染性病害(斑葉病、裸黒穂病等)について
 平成17年度産麦(5月時点)の斑葉病は平年並の発生であった。種子消毒によりこれらの種子伝染性病害を防除する場合は、トリフミン水和剤ヘルシードT水和剤(大麦斑葉病のみ)ベンレートTコートなどを種子粉衣する。

        「農薬は適正に使用しましょう!」
   下記の農薬検査所のホームページから農薬の登録内容を検索することができます。     
               http://www.acis.go.jp/searchF/vtllm000.html

            関東甲信地方1ヶ月気象予報(気象庁10月21日発表)
10月22日から11月21日
 天気は平年に比べ曇りや雨の日が多いでしょう。平均気温は高く、降水量は平年並か多いでしょう。
         低い(少ない)確率  平年並の確率  高い(多い)確率
○気   温        20%         30%       50%
○降 水 量         20%         40%      40%
○日照時間       40%        40%      20%

               詳しくは農業環境指導センターにお問い合わせください。
                   Tel(028)626-3086 Fax(028)626-3012
                     http://www.jppn.ne.jp/tochigi/