平成17年度 病害虫発生予報 第10号
(平成18年1月26日発表) 
栃木県農業環境指導センター 

予想期間:1月下旬〜2月下旬 
予報の根拠で(+)は増加要因、(−)は減少要因を表す。

1 いちご うどんこ病
(1)発生予想  発生量:やや多い
(2)根  拠
 

現在の発生は平年並。(±)
今後、ハウス内の環境は発生にやや適してくる。(+)
(3)対  策




 





薬剤による防除は予防を基本とし、ハーモメイト水溶剤、サンヨー
ル、フルピカフロアブルなどを散布する。発生が見られたら、EB I剤などを散布する。
薬剤を散布するときは、午前中のうちに、葉裏にも薬剤がよくかか るように散布する。
くん煙剤の使用も効果的である。
(4)備  考 EBI剤は耐性菌防止のため、1作2回以内の使用とする。

2 いちご 灰色かび病
(1)発生予想  発生量:平年並
(2)根  拠
 

現在の発生はやや少ない。(−)
今後、ハウス内の環境は発生にやや適してくる。(+)
(3)対  策




 
ハウス内が多湿にならないように換気やかん水に注意する。
発病した果実や葉は伝染源となるので早急に取り除き、ほ場外で処分する。
発生の初期からセイビアーフロアブル20、ダイマジンなど系統の異なる薬剤をローテーション散布する。

3 いちご ハダニ類
(1)発生予想  発生量:やや多い
(2)根  拠
 

現在の発生はやや多い。(+)
今後、ハウス内の環境は発生にやや適してくる。(±
(3)対  策




発生が見られる場合はコロマイト水和剤、ニッソラン水和剤、マイトコーネフロアブルなどをローテーション散布する。
寒い時期には、ハダニ類の移動は少ないため、発生箇所の部分散布も有効である。
くん煙剤の使用も効果的である。
(4)備  考
 

 
薬剤散布に当たっては、ミツバチに対する安全日数を考慮する(他の病害虫も同様)。

4 いちご・トマト コナジラミ類
(1)発生予想  発生量:多い
(2)根  拠
 

現在の発生は多い。(+)
今後、ハウス内の環境は発生にやや適してくる。(±
(3)対  策


発生が見られる場合は、いちごではモスピラン水溶剤、チェス水和剤、バリアード顆粒水和剤を、トマトではモスピラン水溶剤、サンマイトフロアブルなどを散布する。
ラノーテープの使用に当たっては、使用量や設置高等の基本事項を守り使用する。
(4)備  考 シルバーリーフコナジラミにより媒介されるウイルス病のトマト黄 化葉巻病が県内で確認されたことから、被害の拡大を防止するため、防除を徹底する。
詳細は、特殊報第2号(平成18年1月16日発表)を参照。


5 トマト 灰色かび病
(1)発生予想  発生量:やや多い
(2)根  拠
 

現在の発生は平年並。(±)
今後、ハウス内の環境は発生にやや適してくる。(+)
(3)対  策






ハウス内が多湿にならないように換気やかん水に注意する。特に雨や雪の日は、暖房機を空運転するなどして、施設内の空気を循環させる。
発病した果実や茎葉は伝染源となるので早急に取り除き、ほ場外で処分する。
薬剤による防除は予防を基本とし、ハーモメイト水溶剤、フルピカフロアブル、ベルクートフロアブルなどをローテーション散布する。

6 トマト 葉かび病
(1)発生予想  発生量:やや多い
(2)根  拠
 

現在の発生はやや多い。(+)
今後、ハウス内の環境は発生にやや適してくる。(+)
(3)対  策





 
ハウス内が多湿にならないように換気やかん水に注意する。特に雨や雪の日は、暖房機を空運転するなどして、施設内の空気を循環させる。
発病した下葉は伝染源となるので早急に取り除き、ほ場外で処分する。
薬剤による防除は予防を基本とし、ベルクートフロアブル、サンヨールなどを散布する。

7 にら 白斑葉枯病
(1)発生予想  発生量:やや多い
(2)根  拠
 

現在の発生は平年並。(±)
今後の気象予報は発生にやや適している。(+)
(3)対  策



発生は低温多湿条件で多いので、ハウス内が低温にならないように管理する。
発生した葉は除去し、ハウス外で処分する。
薬剤による防除は予防を基本とし、セイビアーフロアブル20やアミスター20フロアブルなどを散布する。

その他の病害虫          発生予想      対 策
 ○きゅうり  うどんこ病   発生量:平年並   施設内を多湿にしない。
 ○き く   ハダニ類    発生量:やや多い  発生初期から防除を行う。
「農薬は使用基準に基づいて適正に使用しましょう。」
 農薬の登録内容は、下記の農薬検査所のホームページから検索することができます。
 http://www.acis.go.jp/searchF/vtllm000.html

関東甲信地方1か月気象予報(気象庁1月20日発表)
1月21日から2月20日
天気は平年と同様に晴れの日が多いでしょう。
向こう1か月の平均気温は低いでしょう。降水量、日照時間はともに平年並でしょう。
           低い(少ない)確率  平年並の確率  高い(多い)確率
   ○気 温       50%       40%      10%
   ○降水量       30%       40%       30%
   ○日照時間      30%       40%       30%

詳しくは農業環境指導センターにお問い合わせ下さい。
Tel(028)626-3086   Fax(028)626-3012
http://www.jppn.ne.jp/tochigi/