平成17年度 病害虫発生予報 第12号
                            (平成18年3月24日発表)
                             栃木県農業環境指導センター

                            予想期間:3月下旬〜4月下旬
 予報の根拠で(+)は増加要因、(−)は減少要因を表す。

   稲 苗立枯病
  1)発生予想   発生量:平年並
  2)根  拠 ・ 今後の気象予報が発病にあまり適していない。(±)
  3)対  策 ・ 育苗箱、育苗資材の消毒を徹底する(熱処理済人工培土も必ず床土消毒
           剤を使用する)。
         ・ 緑化期、硬化期の低温、極端な高温及び過湿は立枯病の大きな要因に
           なるので、温度管理に注意する。
          ・ フザリウム菌、ピシウム菌の防除にはタチガレエース剤を、リゾープス
           菌にはダコニール剤を床土に施用する。
          ・ 細菌性病害の防除にはテクリードCフロアブルなどで種子を消毒する。

 2 麦類 赤かび病
  1)発生予想   発生時期:平年並   発生量:やや少ない
  2)根  拠 ・ 昨年の発生は少なかった。(−)
          ・ 今後の気象予報が発病にあまり適していない。(±)
  3)対  策 ・ 赤かび病粒が混入すると、販売できなくなるので予防を中心とした防除
          を行う。二条大麦は穂揃い期に、六条大麦・小麦では開花期に、トップ
          ジンM水和剤、トリフミン水和剤などを散布する。トップジンM水和剤
          の出穂期以降の使用回数は1回以内なので注意する
          ・ 開花期以降に降雨が続く場合は、7〜10日後に再度防除を行う。

   いちご ハダニ類
  1)発生予想   発生量:やや多い
  2)根  拠 ・ 現在の発生は平年並。(±)
          ・ 気温の上昇とともに、発生が増加する。(
  3)対  策 ・ マイトコーネフロアブル、コロマイト水和剤、ニッソラン水和剤などを
          ローテーション散布する。
  4)備  考 ・ 薬剤散布に当たっては、ミツバチに対する安全日数を考慮する。(他の
          病害虫も同様)

   いちご・トマト コナジラミ類
  1)発生予想   発生量:多い
  2)根  拠 ・ 現在の発生はいちご、トマトともにやや多い。(+)
          ・ 気温の上昇とともに、発生が増加する。(
  3)対  策 ・ 黄色粘着板等を設置し、コナジラミ類の発生を把握する。
          ・ 発生が見られる場合は、いちごではバリアード顆粒水和剤、モスピラン
           水溶剤、チェス水和剤を、トマトではモスピラン水溶剤、サンマイトフ
           ロアブル、スタークル顆粒水溶剤(多発生時)などを散布する。
          ・ ラノーテープを使用している場合は、使用量や設置高等の基本事項を守る。
  4)備  考 ・ トマト黄化葉巻ウイルスを媒介するシルバーリーフコナジラミが施設外
           でも活動可能な時期になることから、シルバーリーフコナジラミを入れ
           ない・出さない・増やさないよう防除を徹底する。

   いちご・トマト 灰色かび病
  1)発生予想   発生量:やや多い
  2)根  拠 ・ 現在、いちごトマトともにやや多い発生である。(+)
          ・ 今後の気象予報が発生にあまり適していない。(±)
  3)対  策 ・ 施設内が多湿にならないように換気やかん水に注意する。
          ・ 発病した果実や茎葉は伝染源となるので早急に取り除き、施設外で処分する。
          ・ いちごでは、アミスター20フロアブル、セイビアーフロアブル20、ダイ
           マジンなどを、トマトでは、ハーモメイト水溶剤、フルピカフロアブ
       ベルクートフロアブル
どをローテーション散布する。

   たまねぎ べと病
  1)発生予想   発生時期:平年並   発生量:やや少ない
  2)根  拠 ・ 昨年の発生はやや少ない。(−)
          ・ 今後の気象予報が発生にあまり適していない。(±)
  3)対  策 ・ 降雨が続く場合はジマンダイセン水和剤、フェスティバルM水和剤など
           で予防する。
          ・ 発生が見られるほ場では、リドミルMZ水和剤、カーゼートPZ水和剤
           などを散布する。

   なし 黒星病
  1)発生予想   発生時期:平年並   発生量:やや少ない
  2)根  拠 ・ 昨年の発生はやや少なかった。(−)
          ・ 今後の気象予報が発生にあまり適していない。(±)
  3)対  策 ・ 芽基部に病斑が発生している場合は摘み取る。
          ・ 予防を基本とし、開花前にビスダイセン水和剤などを、2分咲き時に
            EBI剤またはEBI混合剤を散布する。
          ・ 昨年多発した園では、必ず防除をする。

   なし 赤星病
  1)発生予想   発生時期:やや早い  発生量:やや少ない
  2)根  拠 ・ 昨年の発生はやや少なかった。(−)
          ・ 今後の気象予報が発生にあまり適していない。(±)
          ・ 2月1日から3月20日までの積算気温から、ビャクシンにおける冬胞子
          堆の成熟はやや早い(4月第2半旬成熟度50%到達)と推定される。
  3)対  策 ・ なしに対しては、2分咲き時にEBI剤またはEBI混合剤を散布する
          ・ ビャクシン類に対しては、冬胞子堆の成熟に合わせて、4月上・中旬に
           バシタック水和剤75を散布する。

 9  その他の病害虫            発生予想                
 ○トマト   葉かび病           発生量:やや多い            
 ○いちご  アザミウマ類         発生量:平年並             
 ○にら   白斑葉枯病          発生量:平年並             

   *水稲の本田初期害虫の防除やいもち病常発地での葉いもち防除は、箱施用剤が効果的
   です。MBI-D剤(ウィン剤、デラウス剤)の耐性菌が確認されたことや地域によって発
   生する病害虫の種類が違うことから、薬剤の選定は適切に行いましょう。

             「農薬は適正に使用しましょう!」
   農薬は農薬取締法によって使用できる農作物の種類、適用病害虫、希釈倍数、収穫前日
    数、総使用回数などが定められています。ラベルをよく読んで正しく使用しましょう。
     下記の農薬検査所のホームページから農薬の登録内容を検索することができます。
 http://www.acis.go.jp/searchF/vtllm000.html

         関東甲信地方1か月気象予報(気象庁3月17日発表)
  3月18日から4月17日
   天気は平年に比べ晴れの日が多いでしょう。
          低い(少ない)確率       平年並の確率       高い(多い)確率
   ○気  温      30%         50%            20%
   ○降 水 量     30%         40%            30%
   ○日照時間     30%         40%            30%

             詳しくは農業環境指導センターにお問い合わせ下さい。
                 Tel(028)626-3086   Fax(028)626-3012
                     http://www.jppn.ne.jp/tochigi/