植物防疫ニュース(速報 No.1)
    平成18年4月7日
 栃木県農業環境指導センター

麦類赤かび病の適期防除を徹底しましょう
 赤かび病は、麦の収量や品質に影響を及ぼすだけでなく、人畜に有害なデオキシニバレノール(DON)等のかび毒を生成するため、赤かび粒の混入した麦は販売することができません。このため、予防的な防除を行うことが重要です。
 本年の麦類は、初期生育が抑制されていたものの、2月以降の高温により生育は回復し、出穂期は全般に平年並になると予測されます。散布時期を逃さず、確実に適期防除を行いましょう。

防除対策
  赤かび病は初発前〜発病初期の防除効果がかなり高いので、予防的防除を基本とし、下表を参考に薬剤を散布する。
 
 
赤かび病菌は開花期に感染しやすいので、この時期に防除を徹底する。二条大麦では穂揃期(全茎の8〜9割が出穂した時期)、小麦・六条大麦では開花期の防除効果が高い。この時期をのがすと防除効果は著しく減退する。
降雨が続き、多発生が予想される場合は、7〜10日後に2回目の薬剤散布を行う。
六条大麦や追肥をした小麦(タマイズミ等)は、赤かび病に感染しやすいため、特に防除を徹底する。
 
表 麦類赤かび病の主な防除薬剤(平成18年4月1日現在)
薬剤名 作物名 希釈倍数 使用時期(収穫前日数)/使用回数

トップジンM水和剤※1
 
麦類(小麦を除く) 1,000〜1,500倍  30日前/3回(出穂期以降は1回)
小麦 1,000〜1,500倍  14日前/3回(出穂期以降は1回)
トリフミン水和剤 麦類 1,000〜2,000倍  14日前/3回

チルト乳剤25
  
大麦 1,000〜2,000倍  21日前/1回
小麦 1,000〜2,000倍   3日前/3回
ストロビーフロアブル 麦類 2,000〜3,000倍  14日前/3回
石灰硫黄合剤 麦類 50〜 60倍※2    − / −
ベルクート水和剤 小麦 1,000〜2,000倍  21日前/5回(出穂期以降は2回)
 
 <無人ヘリでの防除薬剤>
薬剤名 作物名 希釈倍数 使用時期(収穫前日数)/使用回数

トップジンMゾル※1
 
麦類(小麦を除く)      4倍  30日前/3回(出穂期以降は1回)
小麦      4倍  21日前/3回(出穂期以降は1回)
チルト乳剤25
大麦      8倍  21日前/1回
小麦      8倍   7日前/3回
薬剤の使用に当たっては、使用上の注意をよく読んで適正に使用する。
薬剤は有効成分の総使用回数にも制限があるので注意する。
薬剤耐性菌の出現防止のため、同系統薬剤の連用は避けるようにする。
※1
※2
 
トップジンMは昨年登録内容が変更されたので使用時期、使用回数に注意する。
石灰硫黄合剤は製造会社によって、希釈倍数が異なる場合や赤かび病に登録のない場合があるため、容器の表示(ラベル)で確認する。

詳しくは、農業環境指導センターまでお問い合わせください。
п@028−626−3086
http://www.jppn.ne.jp/tochigi/