赤かび病は、麦の収量や品質に影響を及ぼすだけでなく、人畜に有害なデオキシニバレノール(DON)等のかび毒を生成するため、赤かび粒の混入した麦は販売することができません。このため、予防的な防除を行うことが重要です。
本年の麦類は、初期生育が抑制されていたものの、2月以降の高温により生育は回復し、出穂期は全般に平年並になると予測されます。散布時期を逃さず、確実に適期防除を行いましょう。
◎ 防除対策 |
1 |
赤かび病は初発前〜発病初期の防除効果がかなり高いので、予防的防除を基本とし、下表を参考に薬剤を散布する。 |
2
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赤かび病菌は開花期に感染しやすいので、この時期に防除を徹底する。二条大麦では穂揃期(全茎の8〜9割が出穂した時期)、小麦・六条大麦では開花期の防除効果が高い。この時期をのがすと防除効果は著しく減退する。 |
3 |
降雨が続き、多発生が予想される場合は、7〜10日後に2回目の薬剤散布を行う。 |
4 |
六条大麦や追肥をした小麦(タマイズミ等)は、赤かび病に感染しやすいため、特に防除を徹底する。 |
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表 麦類赤かび病の主な防除薬剤(平成18年4月1日現在)
薬剤名 |
作物名 |
希釈倍数 |
使用時期(収穫前日数)/使用回数 |
トップジンM水和剤※1
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麦類(小麦を除く) |
1,000〜1,500倍 |
30日前/3回(出穂期以降は1回) |
小麦 |
1,000〜1,500倍 |
14日前/3回(出穂期以降は1回) |
トリフミン水和剤 |
麦類 |
1,000〜2,000倍 |
14日前/3回 |
チルト乳剤25
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大麦 |
1,000〜2,000倍 |
21日前/1回 |
小麦 |
1,000〜2,000倍 |
3日前/3回 |
ストロビーフロアブル |
麦類 |
2,000〜3,000倍 |
14日前/3回 |
石灰硫黄合剤 |
麦類 |
50〜 60倍※2 |
− / − |
ベルクート水和剤 |
小麦 |
1,000〜2,000倍 |
21日前/5回(出穂期以降は2回) |
<無人ヘリでの防除薬剤>
薬剤名 |
作物名 |
希釈倍数 |
使用時期(収穫前日数)/使用回数 |
トップジンMゾル※1
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麦類(小麦を除く) |
4倍 |
30日前/3回(出穂期以降は1回) |
小麦 |
4倍 |
21日前/3回(出穂期以降は1回) |
チルト乳剤25
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大麦 |
8倍 |
21日前/1回 |
小麦 |
8倍 |
7日前/3回 |
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* |
薬剤の使用に当たっては、使用上の注意をよく読んで適正に使用する。 |
* |
薬剤は有効成分の総使用回数にも制限があるので注意する。 |
* |
薬剤耐性菌の出現防止のため、同系統薬剤の連用は避けるようにする。 |
※1
※2
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トップジンMは昨年登録内容が変更されたので使用時期、使用回数に注意する。
石灰硫黄合剤は製造会社によって、希釈倍数が異なる場合や赤かび病に登録のない場合があるため、容器の表示(ラベル)で確認する。 |
詳しくは、農業環境指導センターまでお問い合わせください。 |
п@028−626−3086 |
http://www.jppn.ne.jp/tochigi/ |
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