平成18年度病害虫発生予察注意報第2号

平成18年6月7日発表

栃木県農業環境指導センター

果樹カメムシ類の発生は多い状況です。各地の果樹園への飛来が確認されていますので、早期発見に努め、的確な防除を行いましょう。

 

 

作 物 名:果樹(なし、りんご)

病害虫名:カメムシ類(チャバネアオカメムシ)

 

1 発生予想    発生量 多い

  発生地域    県内全域

 

2 根  拠

(1)チャバネアオカメムシ成虫の越冬密度は定点5ヶ所平均で0.2頭/uと平年並であった(平成9〜17年の平均0.09頭/u)。

(2)芳賀町稲毛田の予察灯誘殺数は、5月下旬から急激に増加し、過去9年中最も多い(図1)。

(3)宇都宮市瓦谷町のフェロモントラップへの誘殺数は、5月下旬から急激に増加し、過去7年より多い(図2)。

(4)各地のなし、りんご園でカメムシ類の飛来が確認されており、病害虫防除員や関係機関等から、果樹カメムシ類の発生が多いという情報が入ってきている。

(5)今後、気温の上昇とともに活動が活発になり、なし園への飛来が増加すると予想される。

 

 


3 防除対策

(1)   カメムシ類は園外から飛来するので、早期発見・早期防除に努める。特に、山林に隣接した果樹園では、飛来が多いので注意する。

(2)   多目的防災網は、網目が4mm以下のものを使用し、すき間がないようにしておく。

(3)   なしでは7月上旬から下旬にかけて被害が増加するので、表1を参照して薬剤を散布する。本種は夜行性のため、果樹園への飛来が多い夕刻、または活動の鈍い早朝に散布すると効果が高い。

(4)   合成ピレスロイド剤等の薬剤を連用すると、天敵類の密度を下げ、ハダニ類などの発生を促進する恐れがあるので、発生状況を見極めた上で薬剤を選択する。

(5)   薬剤を散布する場合は、周囲への飛散(ドリフト)に十分注意した散布方法で行う。

 

 

表1 主な防除薬剤

対象作物

薬  剤  名

希釈倍率

適 正 使 用 基 準

なし

スミチオン水和剤40

8001000

収穫21日前まで/6回以内

MR.ジョーカー水和剤(蚕)

2000

収穫14日前まで/2回以内

ベストガード水溶剤

1000

収穫14日前まで/3回以内

りんご

スミチオン水和剤40

8001000

収穫30日前まで/3回以内

MR.ジョーカー水和剤(蚕)

2000

収穫14日前まで/2回以内

※(蚕)の薬剤は、桑にかからないように特に注意する

 

 

▼△▼△詳しくは、農業環境指導センターまでお問い合わせください。△▼△▼

п@028−626−3086

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