平成18年度  病害虫発生予報  第5号           
(平成18年8月24日)
栃木県農業環境指導センター

                             予想期間:8月下旬〜9月下旬
予報の根拠で、(+)は多発要因、(−)は少発要因を表す。

1 水稲 いもち病(穂いもち)普通植栽培   (注意報第3号 平成18年7月21日発表)

(1)発生予想

発生量:やや多い
(2)根  拠  
現在の葉いもち発生状況はやや多い。(+)
今後の気象予報では、気温は平年並か高く、発生にやや不適。(±〜−)
(3)対  策 







(4)備  考








葉いもちの発生が見られるほ場では、ブラシン剤・カスラブサイド剤等の予防及び治療効果のある薬剤による防除を行い、上位葉への進展を防ぐ。
茎葉散布剤(水和剤・粉剤等)による防除を行う場合は、穂ばらみ期と穂揃い期に散布する。
県内でMBI-D剤耐性菌の発生が確認されているため、箱施用剤でウィン剤又はデラウス剤を使用した場合、本田では異なる系統の薬剤を使用する。
穂ぞろい期後、降雨が続き湿潤状態が長時間続いた場合には、枝梗いもちが多発する恐れがあるで、穂ぞろい期後7〜10日頃にさらに1回薬剤散布を行う。
穂いもちは発生してからでは手遅れになるので、予防的な防除が重要。

2 大豆 カメムシ類         (植物防疫ニュースbX 平成18年8月11日発表)

(1)発生予想

発生量:多い
(2)根  拠  
現在の発生量は、本ぽでの発生は少ないが、予察灯での誘殺数は多い。(+)
今後の気象予報では、気温は平年並か高く、成育に適している。(±〜+)
(3)対  策




(4)備  考






カメムシ類は防除しても新たにほ場に侵入してくるため、害虫の発生を観察しながら薬剤散布を行う。
開花期の15日後に1回目の散布を行い、10〜15日おきに3〜5回、トレボン、スミチオン、バイジット等の薬剤を莢によくかかるように散布する。
多発ほ場では、散布間隔を短く、回数を多くする。
フタスジヒメハムシやマメシンクイガなども品質低下の原因となるので、発生実態に基づいて防除を徹底する。

3 大豆・いちご・野菜類 ハスモンヨトウ  
(1)発生予想 発生量:平年並
(2)根  拠   現在の発生量は巡回調査、フェロモントラップ、病害虫防除員による発生状況調査共に平年より少ない。(−)
今後の気象予報では、気温は平年並か高く、成育にやや適している。(±〜+)
(3)対  策 




施設栽培の場合には、施設開口部に寒冷紗等で被覆し飛び込みを防ぐ。
卵塊や分散前の幼虫は寄生葉とともに摘み取り処分する。
薬剤は若齢幼虫のうちに散布する。特に、IGR剤、BT剤は中齢以降の死虫率が低いので注意する。
薬剤抵抗性の発現を防止するため、系統の異なる薬剤をローテーション散布する。

4 いちご(苗) うどんこ病  
(1)発生予想 発生量:やや多い
(2)根  拠 
(3)対  策 






(4)備  考








現在の育苗床での発生量はやや多い。(+)
うどんこ病は一度激しく発生すると防除が困難になるため、予防に努める。
本ぽでのうどんこ病は、菌の付着した苗の持ち込みによって発生するため、罹病苗を本ぽに持ち込まないようにする。
高温期には菌の活動が抑えられ、病徴が見えにくくなるが、この時期にベルクート水和剤等で薬剤防除を行い、以後定期的に予防散布を行う。
バイオトラスト水和剤などの微生物農薬も有効である。ただし、多発時はアミスター20フロアブル等の治療効果のある薬剤を散布してから使用する。
EBI剤は耐性菌防止のため、あわせて1作2回までの使用とする。

5 いちご・トマト・野菜類 コナジラミ類 (植物防疫ニュースbW 平成18年7月27日発表)

(1)発生予想

発生量:やや多い
(2)根  拠
 

現在の発生量は、いちご、なすでやや多い。(+)
今後の気象予報では、気温は平年並か高く、成育にやや不適。(±〜−)
(3)対  策



(4)備  考




施設栽培では育苗期に防除を徹底し本ぽに持ち込まない
トマトでは定植時に粒剤を施用する。
発生が見られたら、系統の異なる薬剤をローテーション散布する。
雑草にも生息するので施設周辺の除草を行う。
トマトでは、タバココナジラミの侵入と飛散を防ぐため、ハウス開口部に0.4mm以下の防虫ネットを張る。さらに、黄色粘着板等を設置し、タバココナジラミの発生をモニタリングする。

6 いちご・野菜類 ハダニ類

(1)発生予想

発生量:多い
(2)根   拠 
現在の発生量は、いちごで多い。(+)
今後の気象予報では、気温は平年並か高く、成育に適している。(±〜+)
 
(3)対  策 



施設栽培では育苗期に防除を徹底し本ぽに持ち込まない
発生が見られたら各作物に登録のある薬剤を葉裏によくかかるように
散布する。
系統の異なる薬剤をローテーション散布する。
(4)備  考 施設害虫は早期発見、早期防除が防除の基本。ハダニ類は特に小さいので
注意が必要。

7 いちご・野菜類 アブラムシ類

(1)発生予想

発生量:平年並
(2)根   拠 




宇都宮市、大田原市における黄色粘着板への飛来数はやや多い。(+)
今後の気象予報は、気温は平年並か高く、成育にやや不適。(±〜−)
施設栽培では育苗期に防除を徹底し本ぽに持ち込まない
定植時に粒剤を施用する。
発生が見られたら各作物に登録のある薬剤を散布する。
系統の異なる薬剤をローテーション散布する。
(3)対  策 
(4)備  考 モザイク病を媒介するので、初期発生に注意し防除を徹底する。

8 その他の病害虫         発生予想        
・水稲 紋枯病  発生量:平年並
・大豆 フタスジヒメハムシ  発生量:平年並
・トマト 灰色かび病  発生量:やや多
・野菜類・花き アザミウマ類  発生量:やや少 
・果樹類 カメムシ類  発生量:多

1ヶ月気象予報(気象庁8月18日発表)
8月19日から9月18日
 天気は、平年と同様に晴れの日が多いでしょう。一時ぐずつく見込みです。向こう1か月の平均気温は、平年並か高いでしょう。降水量は平年並でしょう。日照時間は平年並でしょう。
低い(少ない)確率 平年並の確率 高い(多い)確率
○気 温 20% 40% 40%
○降水量 30% 40% 30%
○日照時間 30% 40% 30%

NEWS&INFORMATION
☆農薬の飛散防止対策を徹底しましょう!
・風のない時を選んで、散布位置と方向に注意して散布しましょう。
・ドリフト低減型ノズルの利用や飛散しにくい剤型の農薬を使用しましょう。
・近接作物に登録のある農薬を使用しましょう。

詳しくは、農業環境指導センターにお問い合わせください。
Tel(028)626-3086  Fax(028)626-3012
http://www.jppn.ne.jp/tochigi/