平成18年度 病害虫発生予報 第6号
                                                     平成18年 9月28日
                                              栃木県農業環境指導センター

                                             予想期間:9月下旬〜10月下旬
予報の根拠で(+)は増加要因(−)は減少要因を表す。

1 いちご うどんこ病           
(1)発生予想 発生量:やや多い
(2)根  拠

(3)対  策



(4)備  考
・現在の発生量は平年並み。(±)
・うどんこ病菌は比較的低温性の病原菌なので今後発生に適してくる。(+)
・薬剤による防除は予防を基本とし、ハーモメイト水溶剤、サンヨール、フルピ
 カフロアブルなどによるローテーション散布を行う。
・発生が見られる場合はEBI剤、ストロビーフロアブルなどを、葉裏にも薬剤が
 よくかかるように散布する。
・耐性菌の出現を防止するため、EBI剤の使用は1作2回以内とする。

2 いちご ハダニ類
(1)発生予想 発生量:多い
(2)根  拠

(3)対  策
・現在の発生量は多い。(+)
・今後の気象予報は気温が平年並みかやや高く発生にやや適している。(+)
・ほ場をよく観察し早期発見に努める。
・発生が見られる場合はコロマイト水和剤、ニッソラン水和剤、ダニトロンフロ
 アブルなどをローテーション散布する。

3 いちご・施設野菜 ハスモンヨトウ (植物防疫ニュースNo.10平成18年9月28日発表)
(1)発生予想 発生量:やや多い
(2)根  拠


(3)対  策





(4)備  考
 
・現在いちごと露地野菜では発生が平年並み、フェロモントラップへの誘殺は
 平年並〜多である。(±〜+)
・今後の気象予報は発生にやや適している。(+)
・早期発見、早期防除に努める。
・卵塊や分散前の幼虫は、寄生葉を摘み取り土中に埋める。
・発生が見られたら、葉裏や株元に届くようにていねいに薬剤を散布する。
・薬剤抵抗性の発現を防止するため、系統の異なる薬剤をローテーション散
 布する。
・施設開口部に防虫ネットを張り、成虫の侵入を防ぐ。
・施設周囲にハスモンヨトウが多発生したほ場があるときは、飛来が多くなる
 ので必ず侵入防止策をとる。

4 いちご・トマト コナジラミ類
(1)発生予想 発生量:多い                   
(2)根  拠

(3)対  策
・現在の発生量はいちごではやや多である。(+)
・今後の気象予報は発生にやや適している。(+)
・発生が見られたら、いちごではモスピラン水溶剤、チェス水和剤を、トマ トで
 はアプロード水和剤、モスピラン水溶剤、サンマイトフロアブルなどを散布す
 る。
・観賞用作物をハウス内に持ち込まない。
・今後定植するトマトは粒剤を施用する。

5 野菜類 軟腐病                      
(1)発生予想 発生量:やや少ない
(2)根  拠

(3)対  策
・現在の発生量は少ない。(−)
・今後の気象予報は発生にやや適している。(+)
・被害株は早期に抜き取り、ほ場外で処分する。
・薬剤による防除は予防を基本とする。
・発生が見られる場合は、初期段階での薬剤防除を心がける。

6 その他の病害虫
                    発生予想       注 意 点
・いちご  炭疽病
・きゅうり べと病
・ねぎ   黒斑病
  平年並      被害株、茎葉は見つけ次第適正に処分する。
  やや多い    施設内が多湿にならないようにする。
  やや多い    発生初期から防除する。

○トマトのタバココナジラミについて
 タバココナジラミは黄化葉巻病を媒介するので施設内に入れないようにする。特に、病気の発生地
域やその周辺では徹底する。タバココナジラミの発生が優占している施設ではバイオタイプQに効果
がある粘着くん液剤、アルバリン又はスタークル、ベストガード、サンマイトフロアブル等を使用する。

○稲黄萎病、縞葉枯病について
 再生稲での発生は次年度の伝染原になるので、早急に秋耕を行う。

○麦類縞萎縮病について
 ・排水対策を行う。なお、早播きすると発生しやすいので適期に播種する。
 ・前作で被害が大きかったほ場では連作を避ける。または、抵抗性品種を導入するなどの対策を行
  う。

○なし黒星病について
 病原菌は芽や落葉で越冬し、翌年の発生原となるので、収穫終了後に薬剤散布を行い、次年度の
発生を抑えましょう。特に今年の発生が多かった園では防除しましょう。

            「農薬は適正に使用しましょう!」
   下記の農薬検査所のホームページから農薬の登録内容を検索することができます。                        http://www.acis.go.jp/searchF/vtllm000.html

      関東甲信地方1ヶ月気象予報(気象庁9月22日発表)
9月22日から10月21日
 平均気温は平年並みか高く、降水量、日照時間はは平年並でしょう。
               低い(少ない)確率    平年並の確率    高い(多い)確率
○気  温
○降水量
○日照時間
       20%       40%      40%
     30%       40%      30%
     30%       40%      30%

News & Information
トマトのすすかび病が県内で確認されました。葉かび病と酷似しており、見た目では区別できません。
葉かび病に耐病性がある品種での発生はすすかび病を疑われます。詳細は植物防疫ニュース(速報
No.11)を参照してください。

             詳しくは農業環境指導センターにお問い合わせください。
                 Tel(028)626-3086 Fax(028)626-3012
                   http://www.jppn.ne.jp/tochigi/