平成18年度 病害虫発生予報 第9号
平成18年12月21日発表
栃木県農業環境指導センター

予想期間:12月下旬〜1月下旬
予想の根拠で(+)は増加要因、(−)は減少要因を表す。

1 いちご うどんこ病
(1)発生予想 発生量:やや多い
(2)根  拠

(3)対  策






(4)備  考
・現在の発生量は平年並である。(±)
・今後、ハウス内の環境は発生に適してくる。(+)
・薬剤による防除は予防を基本とし、ハーモメイト水溶剤、サンヨール、フ
 ルピカフロアブルなどを散布する。発生が見られたら、EBI剤などを散
 布する。
薬剤を散布するときは、午前中のうちに、葉裏にも十分にか
 かるよう
に、病斑を洗い流すつもりで散布する。
・同一薬剤の連用を避け、異なる系統の薬剤をローテーション散布する。
・くん煙剤の使用も効果的である。
・EBI剤は耐性菌防止のため、一作2回以内の使用とする。

2 いちご 灰色かび病
(1)発生予想 発生量:やや少ない
(2)根  拠

(3)対  策
・現在の発生量は少ない。(−)
・今後、ハウス内の環境は発生に適してくる。(+)
ハウス内が多湿にならないように、換気やかん水に注意する。
・発生が見られる果実や葉は伝染源となるので、早急に取り除き、ほ場
 外で処分する。
・発生の初期からセイビアーフロアブル20、アミスター20フロアブ
 ル、ダイマジンなど系統の異なる薬剤をローテーション散布する。

3 いちご ハダニ類
(1)発生予想 発生量:多い
(2)根  拠

(3)対  策



(4)備  考
 
・現在の発生量はやや多い。(+)
・今後の気象予報は発生に適している。(+)
・発生が見られる場合は、コロマイト水和剤、マイトコーネフロアブル、ダ
 ニトロンフロアブルなどをローテーション散布する。
厳冬期には、ハダニ類の移動は少ないため、発生箇所の部分
 散布も有
効である。
・薬剤散布に当たっては、ミツバチに対する安全日数を考慮する(他の
 病害虫も同様)。

4 いちご アブラムシ類
(1)発生予想 発生量:やや多い
(2)根  拠

(3)対  策
・現在の発生量は平年並である。(±)
・今後の気象予報は発生に適している。(+)
・発生が見られる場合は、バリアード顆粒水和剤、チェス水和剤など系
 統の異なる薬剤を葉裏に良くかかるように、ローテーション散布する。
・モスピランジェット等のくん煙剤の使用も効果的である。

5 いちご・トマト コナジラミ類
(1)発生予想 発生量:多い
(2)根  拠

(3)対  策
・現在の発生量は多い。(+)
・今後の気象予報は発生に適している。(+)
・発生が見られる場合は、いちごではバリアード顆粒水和剤、モスピラン
 水溶剤、チェス水和剤を、トマトではアプロード水和剤、モスピラン水溶
 剤、サンマイトフロアブルなどを散布する。
・ラノーテープの使用に当たっては、使用量や設置高等、基本事項を
 守
り使用する。

6 トマト 灰色かび病
(1)発生予想 発生量:多い
(2)根  拠

(3)対  策
・現在の発生量はやや多い。(+)
・今後、ハウス内の環境は発生に適してくる。(+)
ハウス内が多湿にならないように、換気やかん水に注意す
 る。
特に、雨や雪の日は、多機能ファン、暖房機等を稼動し、施設内
 の空気を循環させる。
・発病した果実や茎葉は伝染源となるので早急に取り除き、ほ場外で処
 分する。
・薬剤による防除は予防を基本とし、ハーモメイト水溶剤、ベルクートフロ
 アブル、フルピカフロアブルなどをローテーション散布する。

7 にら 白斑葉枯病
(1)発生予想 発生量:多い
(2)根  拠

(3)対  策
・現在の発生量は多い。(+)
・今後の気象予報は発生にやや適している。(±)
・発生は低温多湿条件で多いので、ハウス内が低温にならないよう
 に管
理する。
・薬剤による防除は予防を基本とし、セイビアーフロアブル20、アミスタ
 ー20フロアブル、ポリオキシンAL水溶剤などをローテーション散布す
 る。
・発生した葉は除去し、ハウス外で処分する。

その他の病害虫
○きゅうり アザミウマ類  発生量:やや多い  発生初期から防除する。
○きく    アブラムシ類  発生量:やや多い  発生初期から防除する。

☆ヒメトビウンカ・ツマグロヨコバイ越冬前密度調査結果について
 12月上旬に調査したところ、ヒメトビウンカ・ツマグロヨコバイともにやや少ない密度であった。(ヒメトビウンカはイネ縞葉枯病を、ツマグロヨコバイはイネ黄萎病を媒介する害虫。) 調査結果はホームページに掲載しています。

あぜ道等枯れ草の焼却について
  実施については、地域における病害虫の発生状況を踏まえ、上記の越冬前密度調査結果を参考にし、必要性について検討してください。また、実施に当たっては、安全対策を徹底しましょう。

『農薬は適正に使用しましょう!』
  農薬は農薬取締法によって使用できる農作物の種類、適用病害虫、希釈倍率、収穫前日数、総使用回数などが定められています。ラベルをよく読んで正しく使用しましょう。
 下記の農薬検査所のホームページから農薬の登録内容を検索することができます。
http://www.acis.go.jp./searchF/vtllm000.html

関東甲信地方1ヶ月気象予報(気象庁12月15日発表)
              低い(少ない)確率  平年並の確率  高い(多い)確率
      気 温      10%          30%       60%
      降水量     20%          30%       50%
      日照時間   40%         40%       20%  

NEWS & INFORMATION
  トマト黄化葉巻病は、現在、県南部の6市町で発生が確認されています。疑わしい株が見つかった場合は最寄の振興事務所又は、当センターへ連絡してください。症状については、ホームページの「病害虫防除対策のポイントNO.9」を参考にしてください。

詳しくは農業環境指導センターにお問い合わせ下さい。
TEL028-626-3086 FAX028-626-3012
http:www.jpp.ne.jp/tochigi/