平成18年度 病害虫発生予報 第11号
(平成19年2月21日発表) 
栃木県農業環境指導センター 

予想期間:2月下旬〜3月下旬 
 予報の根拠で(+)は増加要因、(−)は減少要因を表す。

1 いちご うどんこ病
(1)発生予想  発生量:平年並
(2)根拠 現在の発生はやや少ない。(−)
今後の気象予報は発生に適している。(+)



 
(3)対策

薬剤による防除は予防を基本とし、ハーモメイト水溶剤、フルピカフロアブル、サンヨール、ストロビーフロアブルなど系統の異なる薬剤をローテーション散布する。発生が見られる場合は、EBI剤などを散布する。

 

 
薬剤散布は、午前中のうちに行い、葉裏にもよくかかるように散布する。
くん煙剤の使用も効果的である。
(4)備考 EBI剤は耐性菌防止のため、1作2回以内の使用とする。     

2 いちご 灰色かび病
(1)発生予想  発生量:平年並
(2)根拠 現在の発生はやや少ない。(−)
今後の気象予報は発生に適している。(+)
(3)対策 ハウス内が多湿にならないように換気やかん水に注意する。
発病した果実や茎葉は伝染源となるので早急に取り除き、ハウス外で処分する。

薬剤による防除は予防を基本とし、アミスター20フロアブル、セイビアーフロアブル20、ダイマジンなど系統の異なる薬剤をローテーション散布する。

3 いちご ハダニ類
(1)発生予想  発生量:多い
(2)根拠 現在の発生はやや多い。(+)
今後の気象予報は発生に適している。(+)

 
(3)対策
 
2月下旬〜3月上旬はハダニ類の密度が高くなりやすいので、よく観察する。

 
発生が見られる場合はマイトコーネフロアブル、コロマイト水和剤、ニッソラン水和剤などをローテーション散布する。
くん煙剤の使用も効果的である。
(4)備考
 
薬剤散布に当たっては、ミツバチに対する安全日数を考慮する(他の病害虫も同様)。

4 いちご・トマト コナジラミ類
(1)発生予想  発生量:多い
(2)根拠 現在の発生はいちご、トマトともに多い。(+)
今後の気象予報は発生に適している。(+)
(3)対策 黄色粘着板等を設置し、コナジラミ類の発生を把握する。


 
発生が見られる場合は、いちごではバリアード顆粒水和剤、モスピラン水溶剤、チェス水和剤を、トマトではモスピラン水溶剤、サンマイトフロアブル、カウンター乳剤などを散布する。

 
(4)備考 ラノーテープを使用している場合は、使用量や設置高等の基本事項を守る。

 
タバココナジラミにより媒介されるトマト黄化葉巻病の被害拡大を防止するため、防除を徹底する。

5 トマト 灰色かび病
(1)発生予想  発生量:多い
(2)根拠 現在の発生は多い。(+)
今後の気象予報は発生に適している。(+)
(3)対策
ハウス内が多湿にならないように換気やかん水に注意する。特に、雨や雪の日は、多機能ファン・暖房機等を稼働し、ハウス内の空気を循環させる。
咲き終わった花弁や発病果、発病葉は伝染源となるので早急に取り除き、ハウス外で処分する。
薬剤による防除は予防を基本とし、ハーモメイト水溶剤、フルピカフロアブル、ベルクートフロアブルなどをローテーション散布する。

6 トマト 葉かび病
(1)発生予想  発生量:やや多い
(2)根拠 現在の発生は平年並。(±)
今後の気象予報は発生に適している。(+)
(3)対策

ハウス内が多湿にならないように換気やかん水に注意する。特に、雨や雪の日は、多機能ファン・暖房機等を稼働し、ハウス内の空気を循環させる。

 
薬剤による防除は予防を基本とし、アミスター20フロアブル、ベルクートフロアブル、サンヨールなどをローテーション散布する。

 
発病した下葉は伝染源となるので早急に取り除き、ハウス外で処分する。

 にら 白斑葉枯病
(1)発生予想  発生量:多い
(2)根拠 現在の発生は多い。(+)
今後の気象予報は発生にやや適している。(+)
(3)対策
 

 
低温多湿条件で発生が多くなるので、ハウス内が低温にならないように管理する。

 
薬剤による防除は予防を基本とし、セイビアーフロアブル20、アミスター20フロアブル、ポリオキシンAL水溶剤などを散布する。
発病した葉は早急に取り除き、ハウス外で処分する。

 その他の病害虫  発生予想
○きゅうり 灰色かび病 発生量:多い
○きく ハダニ類 発生量:やや多い





農薬は適正に使用しましょう!

◎農薬は、ラベルをよく読み、正しく使う。
                       
◎農薬の飛散防止を徹底する。      

◎農薬の使用状況を正確に記録する。  
 








関東甲信地方1か月気象予報(気象庁2月16日発表)
2月17日から3月16日
 天気は数日の周期で変わるでしょう。平年に比べ曇りや雨または雪の日が多いでしょう。
低い(少ない)確率 平年並の確率 高い(多い)確率
○気温 20% 30% 50
○降水量 20% 40 40
○日照時間 40 40 20%

NEWS & INFORMATION
  トマト黄化葉巻病は、県中部へも発生が拡大しており、現在、9市町で確認されています。疑わしい株が見つかった場合は、最寄りの農業振興事務所又は、当センターへ連絡してください。症状はホームページの「病害虫防除対策のポイントNo.9」を参考にしてください。

詳しくは農業環境指導センターにお問い合わせ下さい。
Tel(028)626-3086   Fax(028)626-3012
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