植物防疫ニュース(速報 No.1)
     平成19年4月5日
 栃木県農業環境指導センター

麦類赤かび病の適期防除を徹底しましょう
 赤かび病は、人畜に有害なデオキシニバレノール(DON)等のかび毒を生成するため、赤かび粒の混入した麦は販売することができません。このため、予防的な防除を行い、発生防止に努めることが重要です
 本年は暖冬のため、麦の生育が平年より進んでいます。防除時期も平年より早まることが予想されるので、麦の生育ステージに合わせて確実に適期防除を行いましょう。

防除対策
 

  
 

 


薬剤による赤かび病防除は散布時期が重要であり、二条大麦では穂揃期(全茎の8〜9割が出穂した時期)から穂揃期10日後、小麦・六条大麦では開花期の防除効果が高い。この時期をのがすと防除効果は著しく低下する。

降雨が続き、多発生が予想される場合(不稔粒発生・登熟期連続降雨等)は、1回目の薬剤散布から7日後に2回目の散布を行う。同系統薬剤の連用は避け、収穫前日数に留意して使用薬剤を選定する

六条大麦や追肥をした小麦(タマイズミ等)は、赤かび病に感染しやすいため、特に防除を徹底する。
 
表 麦類赤かび病の主な防除薬剤(平成19年4月3日現在)
薬剤名 作物名 希釈倍数 使用時期(収穫前日数)/使用回数
ストロビーフロアブル 麦類 2,000〜3,000倍 14日前/3回
トリフミン水和剤 麦類 1,000〜2,000倍 14日前/3回
ベルクート水和剤 小麦 1,000〜2,000倍 21日前/3回(出穂期以降は1回)

チルト乳剤25
 
大麦 1,000〜2,000倍 21日前/1回
小麦 1,000〜2,000倍 3日前/3回

トップジンM水和剤
麦類(小麦を除く) 1,000〜1,500倍 30日前/3回(出穂期以降は1回)
小麦 1,000〜1,500倍 14日前/3回(出穂期以降は1回)
 
<無人ヘリでの防除薬剤>
薬剤名 作物名 希釈倍数 使用時期(収穫前日数)/使用回数

チルト乳剤25
 
大麦      8倍 21日前/1回
小麦      8倍 7日前/3回

トップジンMゾル
麦類(小麦を除く)      4倍 30日前/3回(出穂期以降は1回)
小麦      4倍 21日前/3回(出穂期以降は1回)
薬剤の使用に当たっては、使用上の注意をよく読んで適正に使用する。
薬剤は有効成分の総使用回数にも制限があるので注意する。
詳しくは、農業環境指導センターまでお問い合わせください。
п@028−626−3086
http://www.jppn.ne.jp/tochigi/