植物防疫ニュース(速報 No.3)
平成19年6月19日
栃木県農業環境指導センター

なし黒星病の発生に注意しましょう
 
 なし黒星病の発生が県中南部でやや多くなっています(表1)。
 
表1 発生状況(6月11日、12日現在調査)
発生ほ場率(%) 発生葉率(%)
県 北 13 0.0
県 中 60 0.6
県 南 75 0.3
県全体 48 0.4
過去10年の平均値 27 0.5

 
 
 特に、幸水は果実肥大後期の7月上旬から黒星病の感受性が高くなるので、降雨が頻繁で果実での発生が予想される場合には、わずかの晴れ間、または小雨でも薬剤散布を実施しましょう。
 
 病害の発生状況、薬剤の特性(予防・治療効果、残効性、耐雨性)を考慮した適切な防除を行うことで、薬剤散布回数を減らすことが可能となり、効果的な黒星病防除につながります(表2)。
 
表2 防除薬剤
6月下旬〜7月中旬
  薬   剤   名   希 釈 倍 数  使用時期/使用回数
デランフロアブル 1,000倍 収穫60日前まで/4回以内
ベルクートフロアブル 1,500倍 収穫14日前まで/4回以内
ストロビードライフロアブル 3,000倍 収穫前日まで/3回以内
スコア顆粒水和剤 4,000倍 収穫14日前まで/3回以内
インダーフロアブル 5,000〜12,000 収穫7日前まで/3回以内
 注)平成19年6月14日現在の農林水産消費安全技術センターの農薬登録情報に基づい   て作成しています。
 
【防除上の注意点】
(1)発病した果そう基部、葉、果実は二次伝染源になるため、見つけ次第ほ場外に持ち出し、埋設等処分を行う。
(2)現在、葉に発病が多いほ場では、治療効果の期待できるEBI剤(スコア顆粒水和剤、インダーフロアブル)、QoI剤(ストロビードライフロアブルを6月下旬から7月中旬に追加して散布する。但し、耐性菌対策のためEBI剤の使用は年2回以内が望ましい。
(3)黒星病は感染後、発病までに15日程度の潜伏期間があるため、現在発病した葉や果実が見つからなくても、常になしの状況を観察し、防除を徹底する。
(4)薬剤散布に当たっては周囲への飛散(ドリフト)に十分注意する。
 
詳しくは、農業環境指導センターまでお問い合わせください。
TEL028−626−3086
http://www.jpp.ne.jp/tochigi/