植物防疫ニュース(速報 No.7)
平成19年10月25日
栃木県農業環境指導センター

トマト黄化葉巻病の発生地域が拡大しています

 家庭菜園におけるトマト黄化葉巻病は、6月にJAしもつけ管内で確認されて以降、7月、8月にはJAうつのみや管内、9月にはJAおやま管内で確認され、野外での発生地域が拡大しています。 また、トマト生産ほ場での発生は、10月にJAはが野、JAうつのみや、JAしもつけ管内で新たに発病株が確認され、現在10市町で発生しています。当センターで実施したトマト苗トラップ調査でも、タバココナジラミの発生が9月以降多くなっています(図1)。今後、野外で増殖したタバココナジラミの施設ハウス内へ侵入が懸念されますので、以下の対策を徹底しましょう。












図1 野外におけるタバココナジラミの発生量(平成19年)
   ※宇都宮市、上三川町、小山市、藤岡町に計8カ所設置

防除対策】
(1)ハウス開口部に0.4mm目合以下の防虫ネットを展張し、特に出入り口は中間室を設け二重にする
(2)ハウス内外の除草を行い、コナジラミ類生息場所を根絶する。
3)タバココナジラミが発生している、またはトマト黄化葉巻病が発生している地域のトマト栽培ほ場では、育苗時や定植時の粒剤施用を徹底する。ただしマルハナバチを使用する場合は、安全日数について十分注意する。
4)黄色粘着板を利用しコナジラミのモニタリングを行い、タバココナジラミが発生している施設では、バイオタイプQに効果の高い薬剤を使用する(表1)
5)トマト黄化葉巻病に類似する症状が発生した場合には、最寄りの農業振興事務所等に連絡する。
  発病した株は速やかに抜き取り、寄生するコナジラミ類とともにビニール袋に入れ、発病株を枯死、コナジラミ類を死滅させてから埋設等処理する。
表1 トマトのタバココナジラミバイオタイプQに効果の高い薬剤







 
薬 剤 名 系統名 希釈倍数 使用時期/使用回数






 
アルバリン顆粒水溶剤
スタークル顆粒水溶剤
ベストガード水溶剤
サンマイトフロアブル
アプロードエースフロアブル
オレート液剤
粘着くん液剤




IGR

3000倍
3000倍
1000〜2000倍
1000〜1500倍
1000〜2000倍
100倍
100倍
収穫前日まで/2回以内
収穫前日まで/2回以内
収穫前日まで/3回以内
収穫前日まで/2回以内
収穫前日まで/3回以内
発生初期〜収穫前日まで/−
収穫前日まで/−
(注1)アルバリン顆粒水溶剤とスタークル顆粒水溶剤は農薬名は異なりますが、同一成分の農薬です。
(注2)系統名 ネ:ネオニコチノイド、ピ:ピラゾール、他:その他
(注3)抵抗性の出現を防ぐため同一系統を連用しない。
(注4)平成19年10月25日現在の農林水産消費安全技術センターの農薬登録情報に基づいて作成しています。農薬使用に当たっては、最新の登録状況を確認して下さい。
詳しくは、農業環境指導センターまでお問い合わせください。
TEL028−626−3086
http://www.jpp.ne.jp/tochigi/