平成19年度 病害虫発生予報 第2号
平成19年5月24日
栃木県農業環境指導センター
予想期間5月下旬〜6月下旬
予報の根拠で、(+)は増加要因、(−)は減少要因を表す。
1 水稲 いもち病(葉いもち)
(1)発生予想 発生時期:平年並  発生量:平年並
(2)根  拠
 
今後の気象予報は、気温が低く、降水量は平年並、日照は少なく発生にやや適している。(±〜+)
(3)対  策



 
取り置き苗は発生源になりやすいので早急に処分する

 
常発地で、箱施用を実施していないほ場等は、本田初発の1週間ごろ前までに粒剤を散布する(本県の平年初発時期は6月第4半旬)。
発生が見られた場合は、早急にカスラブサイドゾル、ブラシンフロアブルなど予防・治療効果のある薬剤を散布する。
(4)備  考
 
20℃前後で弱い連続降雨のあるときが感染の好適条件となるため、常発地では特に注意する。
アメダスデータを利用した感染好適日(BLASTAM)の情報を6月から5日間隔を目安に、当センターホームページに掲載します。
2 水稲 イネミズゾウムシ
(1)発生予想 発生量:平年並
(2)根  拠 5月21〜22日の本田調査では、50株当りの成虫数は2.9頭で平年並の発生であった。
今後の気象予報は、気温が低く、降水量は平年並である。(−〜±)
(3)対  策 移植2週間後の成虫密度を畦畔沿い任意の50株について調査し、株当り0.5頭未満の場合は防除の必要がない。成虫密度の高いほ場ではトレボン粒剤シクロパック粒剤などを散布する。
土手や畦畔から侵入するため、畦畔から3m以内を重点的に防除する額縁散布も効果的である。
3 水稲 ニカメイガ
(1)発生予想 発生量:やや多
(2)根  拠 越冬量はやや多かった。(+)
5月第1〜4半旬のフェロモントラップへの誘殺数はやや多かった。(+)
今後の気象予報は、気温が低く、降水量は平年並である。(−〜±)
(3)対  策




 
早植栽培では、発蛾最盛日7〜14日後に粒剤、又は同10〜14日後に乳剤か粉剤を散布する。
昨年発生の多かったほ場では多くなりやすいので注意する。


 
任意の25株について葉鞘変色茎率を調査し、20%未満または、6月10日までのフェロモントラップの総誘殺数が400頭未満の場合は防除の必要がない。
(4)備  考 発蛾最盛日は県中南部で平年6月上〜中旬。
4 いちご(親株) 炭疽病
(1)発生予想 発生時期:平年並  発生量:平年並
(2)根   拠 今後の気象予報は、気温が低く、降水量は平年並である。(−〜±)
(3)対  策


 

 
降雨及び強いかん水は発病を助長するので雨よけ、点滴チューブかん水を行う。
発生を予防するため、キノンドーフロアブル、ベルクート水和剤などをていねいに散布する。
(4)備  考 微生物農薬バイオトラスト水和剤を使用する場合は、7〜10日間隔で定期的に散布する。
 トマト コナジラミ類
(1)発生予想   発生量:多い
(2)根  拠 現在の発生はトマトで多い。(+)
気温の上昇とともに、発生が増加する。(+)
(3)対  策




 

 
生育に応じて葉かきを実施し、葉裏に寄生した幼虫や蛹を除去する。除去した葉は、ビニ−ル袋等で密封してから処分するか土中に埋める。

 
発生が見られる場合は、カウンター乳剤、バリアード顆粒水和剤などを散布する。

 
栽培終了時には、野外にタバココナジラミを飛散させないため、断根後40℃以上で継続した晴天日3日以上蒸し込みを行う
(4)備  考 トマト黄化葉巻病は、県中部へも発生が拡大しており、現在、9市町で確認されている。タバココナジラミを「入れない・出さない・増やさない」よう防除を徹底する。
 野菜 アブラムシ類
(1)発生予想   発生量:平年並
(2)根  拠 黄色粘着板の誘殺数は平年並であった。(±)
今後の気象予報は、気温が低く、降水量は平年並である。(−〜±)
(3)対  策
 
定植時に粒剤を施用する。
薬剤抵抗性の出現を防ぐため、異なる系統の薬剤をローテーション散布する。
(4)備  考
 
アブラムシ類はウイルス病の病原(CMVなど)を伝搬するので、早めに防除することが重要である。
 なし 黒星病
(1)発生予想   発生時期:平年並  発生量:平年並
(2)根  拠   昨年の発生はやや多かった。(+)
現在の発生量は少ない。(−)
今後の気象予報が発病にやや適している。(±〜+)
(3)対  策 発生の見られる葉や果実は伝染源となるので早急に取り除き、ほ場外で処分するとともに、ベルクートフロアブル、オキシラン水和剤、キャプレート水和剤などを散布する。芽基部に病斑が発生している場合は摘み取る。
降雨が続くときは薬剤の散布間隔を短くする。
 果樹 カメムシ類
(1)発生予想   発生時期:平年並  発生量:平年並
(2)根  拠 成虫の越冬量は平年並。(±)
フェロモントラップへの誘殺数は平年並。(±)
今後の気象予報は、気温が低く、降水量は平年並である。(−〜±)
(3)対  策 園内での発生を認めたら、薬剤を散布する。
多目的防災網の隙間から侵入することがあるので注意する。
 その他の病害虫 発生予想
・野菜・花き アザミウマ類 やや多
・果  樹  モモシンクイガ 少ない
農薬は適正に使用しましょう!
◎農薬は、ラベルをよく読み、正しく使う。
◎農薬の飛散防止を徹底する。      
◎農薬の使用状況を正確に記録する。   
1ヶ月気象予報(気象庁5月18日発表)
5月19日から6月18日
 向こう1か月の平均気温は、低い確率40%です。天気は数日の周期で変わるでしょう。
低い(少ない)確率 平年並の確率 高い(多い)確率
○気 温 40% 30% 30%
○降水量 30% 40% 30%
○日照時間 40% 30% 30%
NEWS & INFORMATION

キク茎えそ病(仮称)が、3月に塩谷町の施設キクで発生確認されました。国内で自然感染し、症状が確認されているのは、キクだけです。疑わしい症状が見られた場合には、最寄りの農業振興事務所経営普及部又は農業環境指導センターへお知らせください。

 
「平成19年度 農作物等病害虫雑草防除の手引き」のお求めは、(社)栃木県植物防疫協会にお問い合わせください。(028)683−5533

詳しくは農業環境指導センターにお問い合わせください。
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