平成19年度 病害虫発生予報 第10号
平成20年1月25日
栃木県農業環境指導センター
予想期間 1月下旬〜2月下旬
予報の根拠で、(+)は増加要因、(−)は減少要因を表す。
1 いちご うどんこ病
(1)発生予想 発生量:多い 
(2)根   拠 現在の発生量はやや多い。(+)
日中の温度管理がうどんこ病の発生適温に近い。(+)
(3)対  策 使用回数に制限のない硫黄粒剤を用いた、くん煙を活用する。
多発すると防除は極めて難しいので、防除は予防を基本とし、ハーモメイト水溶剤サンヨールフルピカフロアブルなどをローテーション散布する。
発生が見られたら、EBI剤アミスター20フロアブルなどを散布する。
2 いちご 灰色かび病
(1)発生予想 発生量:やや多い
(2)根   拠 現在の発生量は平年並。(±)
今後の気象予報では降水量は多く、ハウス内の湿度は高くなりやすい。(+)
(3)対  策 ハウス内の低温多湿が発生助長要因となるので、下葉を取り除き、風通しを良くするとともに、伝染源となる発病果実などは早めにハウス外で処分し、かん水は必要最小限にとどめる。
スミレックスくん煙顆粒等のくん煙剤を使用する。
発生の初期からセイビアーフロアブル20ダイマジンなど系統の異なる薬剤をローテーション散布する。
3 いちご ハダニ類
(1)発生予想 発生量:多い 
(2)根   拠 現在の発生量は多い。(+)
今後の気象予報では気温は高く、ハウス内の環境は発生に適している。(+)
(3)対  策 ほ場をよく観察し、早期発見に努める。
発生が見られる場合はコロマイト水和剤アカリタッチ乳剤マイトコーネフロアブルなどをローテーション散布する。
4 トマト 灰色かび病
(1)発生予想 発生量:多い
(2)根  拠 現在の発生量はやや多い。(+)
今後の気象予報では降水量は多く、ハウス内の湿度は高くなりやすい。(+)
(3)対  策 ハウス内が多湿にならないように換気やかん水に注意する。特に曇雨天日が続く場合は、多機能ファン、暖房機を稼働し、空気を循環させる。
咲き終わった花弁や発病果、発病葉は伝染源となるので早急に取り除き、ほ場外で処分する。
暖房機を利用したボトキラー水和剤のダクト内投入による防除を行う。
発生が見られる場合は、ハーモメイト水溶剤ベルクートフロアブルサンヨールなどをローテーション散布し、蔓延防止に努める。
5 トマト コナジラミ類
(1)発生予想 発生量:やや多い 
(2)根   拠 現在の発生量は平年並。(±)
今後の気象予報では気温は高く、ハウス内の環境は発生に適している。(+)
(3)対  策 生育に応じて葉かきを実施し、葉裏に寄生した幼虫や蛹を除去する。除去した葉は、ビニール袋等で密封してから処分するか土中に埋める。
粘着くん液剤オレート液剤等を定期的に散布し、コナジラミ類を低密度に抑える。
タバココナジラミの発生が見られる場合は、サンマイトフロアブルベストガード水溶剤等を散布する。
(4)備  考
 
タバココナジラミの優占しているほ場では、ラノーテープの効果が劣るので注意する。
6 にら 白斑葉枯病
(1)発生予想 発生量:多い 
(2)根   拠 現在の発生量は多い。(+)
今後の気象予報では降水量は多く、ハウス内の湿度は高くなりやすい。(+)
(3)対  策 換気を行い、ハウス内が多湿にならないように管理する。換気にあたっては、冷たい外気が直接にらにあたらないようにする。
被害葉は取り除き、ハウス外で処分する。
防除は予防を基本とし、ストロビーフロアブルポリオキシンAL水和剤等を散布する。
 その他の病害虫 発生予想
・きゅうり  うどんこ病 やや多い
・き  く  ハダニ類 平年並
農薬を上手に使いこなしましょう!
ハウス内で薬剤を散布するときは、午前中のうちに葉裏にも薬剤がよくかかるように散布し、夕方には作物の表面が乾くようにする。
同一薬剤の連用を避け、異なる系統の薬剤をローテーション散布する。
薬剤散布については、ミツバチ、マルハナバチに対する安全日数を十分考慮する。 
農薬は適正に使用しましょう!
◎農薬は、ラベルをよく読み、正しく使う。
◎農薬の飛散防止を徹底する。      
◎農薬の使用状況を正確に記録する。   
1ヶ月気象予報(気象庁1月18日発表)
1月19日から2月18日
低い(少ない)確率 平年並の確率 高い(多い)確率
○気 温 30% 30% 40%
○降水量 20% 30% 50%
○日照時間 50% 30% 20%
NEWS & INFORMATION
トマト黄化葉巻病などのウイルス病は、タバココナジラミなどの微小害虫によって媒介されます。物理的防除や耕種的防除を含めた総合的防除対策を徹底し、害虫の発生を阻止することが重要です。疑わしい症状が見られた場合には、最寄りの農業振興事務所経営普及部又は農業環境指導センターへお知らせください。
詳しくは農業環境指導センターにお問い合わせください。
Tel(028)626-3086  Fax(028)626-3012
http://www.jppn.ne.jp/tochigi/