コムギ縞萎縮病(WYMV)の発生が県南部のほ場で確認されました。県中部でも同様の症状のあるほ場がみられています。本病は発病後に有効な防除法がないことから、は種前の対策が重要です。4月中に小麦作付ほ場の発病程度を確認し、発病がひどい場合は次年作に向けて対策をとりましょう。
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◎ コムギ縞萎縮病とは
土壌伝染性のウイルス(WYMV)で、汚染された土壌は数年間病原性を維持します。大麦に発生する縞萎縮病とは種類が異なるため、大麦には感染しません。感染は播種時から始まり、感染後1〜2ヵ月で病斑が現れます。オオムギ縞萎縮病よりも生育中での発病が遅く、被害は少ないとされていますが、他県では減収が確認された例もあります。
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◎ 病 徴 等 |
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・2月から3月頃、新葉にかすり状の斑点が現れ、それが黄白色となり縞状となり、株はやや萎縮します。気温が高くなるにしたがい病徴は不鮮明になります。 |
・品種によって発病程度に差があり、農林61号やタマイズミはイワイノダイチよりも発病しやすい傾向にあります。 |
・湿害により発病が助長される傾向があります。 |
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細長いかすり状の斑点 葉先が黄変 |
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ほ場周辺の発生や湿害との併発がみられる |
発生ほ場 上位葉に黄変葉が混じる |
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湿害では下位葉のみ黄変 |
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◎ 次年度の防除対策(被害が著しい、または、ほ場全体に拡がっている場合)
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1)イワイノダイチ、大麦等に作付転換します。
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2)土壌感染を防止するため、トラクターなどの作業は、ほ場に入る順番を考慮し、発病ほ場を最後にします。また、作業後は機械に付着した土を洗い流します。
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3)やむを得ず同一品種の作付を続ける場合は、排水対策を行う、は種時期を遅らせる、石灰等で土壌pHを高くしすぎないなどの対策をとります。 |
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