植物防疫ニュース(速報 No.4)
平成20年5月9日
栃木県農業環境指導センター
なし黒星病の発生に注意しましょう!
 本年は、越冬病斑の密度が高い傾向にあります。また、降水量は4月上中旬が平年より多く
(表1)、感受性の高まる開花期に、黒星病胞子飛散に好適な条件が重なったほ場もあったと考えられます。
 5月の巡回調査では、黒星病の発生が県全体で見られ、特に県中南部での発生が多くなっています(表2)。
 本病は降雨により発生が助長されるため、今後の気象経過によっては、葉及び果実への伝染が懸念されますので、梅雨入り前の5月に防除を徹底し発生を抑えましょう。
表1 4月の降水量(宇都宮市) 表2 発生状況(5月9日現在)
上旬 中旬 下旬 発生ほ場率(%) 発生葉率(%)
本年(mm) 82.5 90.0 13.0 県 北 17 0.1
平年値(mm) 37.2 38.7 43.4 県 中 27 0.1
平年比(%) 222 233 30 県 南 40 3.0
                    

 
県平均 27 0.8
平年値  7 0.1
注)平年値:過去10年間の平均値
[防除対策]
 ・ 発病の見られる芽基部病斑、葉及び果実は見つけ次第摘み取り、ほ場外に持ち出し、埋設  等の処分を行いましょう。
 ・ 病害の発生状況、気象条件を十分考慮した上で、効果的な薬剤を選択し、的確な黒星病防  除を行いましょう(表3)。
 ・ 発病が多いほ場では、治療効果の期待できるEBI剤を散布します。但し、EBI剤の使  用は耐性菌発生防止のため年2回以内にするよう心がけましょう。
 ・ 黒星病は感染から発病までに15日程度の潜伏期間があるため、発病した葉や果実が見つ  からなくても、常に、なしの状況を観察しましょう。
表3 なし黒星病に登録のある主な薬剤(平成20年5月9日現在)
薬   剤   名 希 釈 倍 数 使用時期/使用回数
サニパー      600〜800倍 収穫3日前まで/5回以内
ベルクートフロアブル         1500倍 収穫14日前まで/4回以内
デランフロアブル         1000倍 収穫60日前まで/4回以内
インダーフロアブル   5000〜12000倍 収穫7日前まで/3回以内
スコア顆粒水和剤         4000倍 収穫14日前まで/3回以内
マネージDF    6000〜8000倍 収穫21日前まで/3回以内
※薬剤散布に当たっては周囲への飛散(ドリフト)に十分注意して下さい。
詳しくは農業環境指導センター(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/)までお問い合わせください。
Tel(028)626-3086  Fax(028)626-3012