植物防疫ニュース(速報 No.5) 平成20年7月4日
栃木県農業環境指導センター
斑点米カメムシ類対策は、まず畦畔除草
 6月30日から7月2日の巡回調査では、雑草地におけるクモヘリカメムシ、ホソハリカメムシの発生地点率は低く、すくい取り頭数は少なかった。また、カスミカメムシ類の発生地点率、すくい取り頭数ともほぼ平年並だった(表1)。
 7〜9月の平均気温は高くなると予報されていることから、今後、斑点米カメムシ類の発生量が多くなることも懸念されます。
 近年、斑点米カメムシ類の被害が増加傾向にあることから、水田周辺等の雑草管理を徹底するとともに、発生状況に応じて適切な薬剤防除を行いましょう。
 
 表1 斑点米カメムシ類成虫の発生状況
    発生地点率(%)  すくい取り頭数(頭)
平成20年 平 年 値 平成20年 平 年 値
クモヘリカメムシ 2.9 57.3 0.0 45.9
ホソハリカメムシ 20.6 68.0 0.4 3.0
アカヒゲホソミドリカスミカメ 73.5 79.1 5.9 28.8
アカスジカスミカメ 61.8 42.5 6.2 6.3
 ※イネ科雑草地34地点で20回振りすくい取り調査を実施

防除対策
○出穂期10日前までの防除対策

水田内のホタルイ、ヒエなどの雑草は、斑点米カメムシ類を水田へ誘引するため、できるだけ除草に努めましょう。
水田周辺の斑点米カメムシ類の生息密度を下げるため、地域全体で畦畔及び水田周辺の雑草地の草刈りを行いましょう。
なお、出穂期直前の除草は、むしろ斑点米カメムシ類の水田への飛び込みを助長し、被害を増大させる恐れがあることから、出穂期10日前までに草刈りを終了させましょう。
○出穂期以降の防除対策
穂揃期に斑点米カメムシ類が水田内で見られる場合は、乳熟初期(出穂期7〜10日後)までに農薬を散布しましょう。
その後もカメムシ類が見られる場合は、7〜10日間隔で1〜2回の追加散布を行いましょう。
 
 表2 水稲のカメムシ類に登録のある主な薬剤(平成20年7月3日現在
薬 剤 名 希釈倍数 使用時期/使用回数
 MR.ジョーカーEW(蚕) 2000倍   収穫14日前まで/2回以内
 スタークル液剤10(蚕) 1000倍   収穫 7日前まで/3回以内
 スタークルメイト液剤10(蚕) 1000倍   収穫 7日前まで/3回以内
 トレボンEW(蚕) 1000倍   収穫21日前まで/3回以内
 スミチオン乳剤 1000倍   収穫21日前まで/3回以内
 ※(蚕)は蚕に対する毒性が長期間にわたる薬剤
詳しくは農業環境指導センター(http://www.jppn.ne.jp/tochigi/ )までお問い合わせください。
Tel(028)626-3086  Fax(028)626-3012